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欧州コロナワクチン銘柄の最新業績:バイオンテックとGSK

出典:Getty Images

新型コロナウイルスのパンデミックの収束に重要な役割を担っているのはヘルスケア企業であり、株投資においてそれらの企業に注目しておく必要があります。

特にコロナワクチンが重要とされています。

各国の感染状況やワクチン接種率を見てみると、一定の効果がみられるもののそれによって一気に収束していくわけではないことはほぼ明白です。

したがって、コロナ収束のためにはコロナワクチンやコロナ治療薬、政策的手段(ロックダウンなど)を組み合わせる必要がありそうです。

今回の記事では、パンデミック下で注目されているヘルスケア企業でありかつコロナワクチン開発で注目されている、ドイツのバイオンテック(NASDAQ:BNTX)とイギリスのGSK(NYSE:GSK)の最新業績や最新情報について解説します。

バイオンテックは米国ファイザーと提携して開発したコロナワクチンを提供しており、GSKはコロナワクチンとコロナ治療薬を開発しています。

ちなみに両社とも米国の株式市場にも上場されています。

コロナワクチンの提供により大きく伸びているバイオンテック

最初に、バイオンテックのコロナワクチンの最新状況や最新業績について解説していきます。

バイオンテックのコロナワクチン供給などは順調

バイオンテックは米国の大手製薬企業ファイザーとの提携によりコロナワクチン(BNT162b2)の開発に成功し、その主要なテクノロジーはバイオンテックで開発されました。

今年の7月21日の時点では、10億回分以上のコロナワクチンが100カ国以上に提供されています。この供給量はさらに増加していく予定です。

コロナワクチンの効果を促進するため、同社のコロナワクチンの3回目の接種が検討されており、これは臨床試験中です。

また、コロナ変異株に対応するためのコロナワクチン開発や効果検証も行われています。

バイオンテックとは

バイオンテックの設立年は2008年であり、製薬企業の中では比較的新しい企業です。

同社はドイツの製薬企業であり、本社はドイツのマインツにありますが、米国のナスダックにも上場されています。

同社が開発したコロナワクチンの成功により、同社の業績は大きく伸びています。

ただし、パンデミックはいつか収束するので、収束後にコロナ以外の疾患分野での治療薬あるいはワクチンを確保しておく必要があります。

同社はがんやHIV、インフルエンザの治療薬にも取り組んでおり、特に患者の多い(マーケットが大きい)がんが重要です。

実際に、同社のがん治療薬の一つは臨床試験のフェーズ1の段階にあり、今のところ順調に進んでいるようです。

このがん治療薬の開発に成功すれば、バイオンテック銘柄の株価は安定して伸びていく可能性が高いでしょう。

バイオンテックの業績:好調なコロナワクチンの売り上げ

バイオンテックの2021年第2四半期(Q2)の決算報告書は、今年の8月9日に発表されました。

同社のコロナワクチンの売り上げは今年の第1四半期(Q1)から計上されているため、当然ながら去年のQ1とQ2と比較すると100倍以上伸びています。

このように前年比で見ると売り上げが非常に大きく伸びているのは明白ですが、一方で、コロナワクチンの売り上げ状況が特に重要だと思われるので、ここでは今年のQ1とQ2を並べて比較しました。

具体的な数字などを以下に示します。同社はドイツ企業なので通貨はユーロとなっています。

売上高:

  • 2021年Q1: 20.4億ユーロ
  • 2021年Q2: 53億ユーロ

純利益:

  • 2021年Q1: 16.4億ユーロ
  • 2021年Q2: 40億ユーロ

同社の売り上げのほとんどはコロナワクチンから得られています。

今年のQ1とQ2を比較すると、同社の売り上げと純利益は大きく伸びました。

パンデミックの状況をニュースで確認する限りでは、コロナワクチンの需要は引き続き伸びていくため、同社の業績もさらに伸びていく可能性が高いでしょう。

GSKの業績は良好

次に、イギリスの大手製薬企業であるGSKの最新情報や最新業績について解説していきます。

サノフィと提携のコロナワクチン開発は順調

フランスの大手製薬企業であるサノフィなどとの提携により、GSKは複数のコロナワクチンを開発しています。

元々GSKはワクチン開発で世界的に有名な製薬企業なので、コロナワクチン開発の大幅な遅れにより同社の評価は変化しつつあるようです。

特に、フランスの大手製薬企業サノフィと提携して開発しているコロナワクチンの開発状況が順調であり、現在は臨床試験の最終段階にあります。

一方で、同社はコロナ治療薬の開発も行なっており、それはモノクローナル抗体治療薬です。

これも臨床試験の最終段階にあり、ポジティブな結果が得られているようです。

 GSK:イギリスの グローバル大手製薬企業

GSKはGlaxoSmithKlineの略であり、イギリスのグローバル大手製薬企業です。

また、米国のニューヨーク証券取引所にも上場されています。

同社の部門は3つに分かれており、それらは製薬、ワクチンおよびコンシューマー・ヘルスケアです。

製薬の中で最も売れているのはHIV関連製品です。

GSKの業績も順調

GSKの2021年第2四半期(Q2)の決算報告書は今年の7月28日に発表されました。

これでQ1とQ2を合わせた今年の半年分の業績(H1)が明らかになったので、ここでは2021年の前半期の業績で見ていきます。

以下に、具体的な数字やその原因について解説します。

先述したように、GSKはイギリスの製薬企業であるため通貨はポンドとなっています。

  • 売上高:7%減少(2021年H1: 155.0億ポンド、2020年H1: 167.1億ポンド)
  • 純利益:32%減少(2021年H1: 27.9億ポンド、2020年H1: 41.1億ポンド)

純利益の大幅減の主な要因は、Horlicks などのコンシューマーブランドの売却です。

それを除いて計算をすると、純利益は9%減となります。

したがって、現時点ではそれほど心配する必要はないでしょう。

今後の見通し

バイオンテックとGSKの最新情報や最新業績について解説しました。

現時点で注目するべきはバイオンテック銘柄ですが、まだコロナワクチンの売り上げに大きく依存している段階なので注意が必要です。

したがって、この銘柄はまだ長期投資に向いていないと思われます。

一方で、GSKの業績はバイオンテックよりも安定しているため、長期投資に向いています。

今のところ順調に進んでいるGSKのコロナワクチンとコロナ治療薬が市場に出た時の効果が実証されるかが、今後の重要なポイントです。

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