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熱湯にはならないが今熱い、水ETF「インベスコ・グローバル・ウォーターETF」

出典:Getty Images

先日、こんな記事を見かけました。

水ETF沸騰 SDGsが後押し、半導体生産にも影響: 日本経済新聞 (nikkei.com)

世界の水に関連した企業を運用対象とする上場投資信託(ETF)の価格が大きく上昇しているそうです。

言及されているETFは米国インベスコ社が運用している「グローバル・ウォーターETF」(ティッカー:PIO)です。NASDAQに上場しています。

日本でも一部の証券会社で取引できます。

今年の春以降はS&P500をアウトパフォームして推移しています(青がPIO、ピンクがS&P500)。

現在2007年上場来高値の水準ですし、純資産額も今年に入って約4割増えているそうです。

出所:US版 Yahoo! Finance

筆者は以前、日本のクリーンテック企業に気軽に分散投資できるETFという記事で、株式投資のテーマとして10年ぐらい「水」に興味を持っていることを書きました。

この記事でもPIOに触れています。わずかですが筆者もPIOを持っています。

このETFが今、人気がある理由の1つは世の中のSDGs(Sustainable Development Goals)の浸透だそうで、「安全な水とトイレを世界中に」はSDGsにおける目標の一つであり、きれいな水への需要が高まっているからだとか。

品薄状態が続いている半導体製造にも超純水と呼ばれるピュアな水が大量に使われます。

現在、半導体製造の拠点ともいえる台湾では今年水不足が申告になり、半導体生産に影響が出るともいわれました。

鉄鋼業も水を大量に使います。出来上がった鉄を冷やすためです。

もちろん農業にも水が欠かせません。

アメリカやブラジルでは水不足が深刻で、農産物の生産量に影響が出始めているばかりではなく、水力発電が主流であるブラジルでは電力不足が深刻だと先日テレビの経済番組が報道していました。

景気が良くなって、人口が増えれば増えるほど水の需要が増します。

そんな背景を追い風にPIOが買われているようです。

なかなか普段は見聞きしないETFだと思いますので、ここで一度詳しく見てみましょう。

ベースとなるインデックスは「NASDAQ OMX Global Water Index」です。

流動性を重視したインデックスのようです。

2021年6月末の構成銘柄は以下のとおりです。

年に1度6月の第3金曜日にインデックスのルールに基づいた銘柄入れ替えがあります。

出所: NASDAQ OMX website

PIOは現在42銘柄で構成されています。

日本株もTOTO(5332)、栗田工業(6370)などの4銘柄が採用されています。

経費率は0.75%と決して低くありませんが、インデックスの使用料がそれほど安くないのだと思われます。

水というテーマを絞ったものですから、アクティブファンドの性格を持つことも、経費率が決して低くない理由だと思います。

2021年9月3日現在の上位10位の構成銘柄は以下の通りです。

出所:Invesco website

前述した6月末のインデックスの状況とは少し異なります。

上位10銘柄で約57%を構成しています。

国別では米国と欧州の企業で上位10位を占めています。

水の供給を左右する企業ではなく、水に関連する製品やサービスを扱う企業のウエイトが高いように見えます。

8位のVeolia Environment SAは水メジャーと呼ばれる企業です。

業界2位であったスエズを買収することを7月に発表し、話題になりました。

出所:Invesco website

分配は3の倍数の月に実施しています。

出所:Invesco website

1995年、当時世界銀行の副総裁であったイスマル・セラゲルディン氏は「20世紀の戦争が石油をめぐって戦われたとすれば、21世紀は水をめぐる争いの世紀になるだろう」と予測したといいます。

いうまでもなく、水は人間の生活に欠かせません。

そして前述したように現在では、産業の行方を左右するような存在です。

戦争にまではなっていませんが、水の確保が生命線になる事象が増えてきた印象です。

現時点で水関連企業の上場企業プレーヤーはそれほど多くないため、先行者利益が続くのではないでしょうか。

その仮定にのっとれば、プライスが手ごろなPIOは少しポートフォリオに入れておいてもいいように思います。

米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)は昨年末に世界で初めて水先物を上場しました(「ナスダック・ヴェレス・カリフォルニア水指数(Nasdaq Veles California Water Index : NQH2O)」。

米カリフォルニア州の地表水および地下水盆4カ所の水利権の賃借や売買の取引価格をもとに、エーカー・フィート(1エーカーの面積を深さ1フィートで覆うのに必要な体積:約1233キロリットル)を1単位として米ドル建てで定められます。

流動性には乏しいものの、現金決済できる手軽さからか、あるいはリアルな水需要を反映してか、今年の春以降、先物の値が急上昇し、高い水準が続いています。

出所: Trading View

今後は、水関連企業株だけではなく、水そのものが取引の対象になるかもしれません。

筆者は今後も水に注目していくつもりです。

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免責事項と開示事項 記事の作者、おせちーずは、「インベスコ・グローバル・ウォーターETF」を保有しています。一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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