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熱狂から冷めて割安に取引できるかもしれない金鉱株2選

出典:Getty Images

昨年から続くパンデミック下では、経済への不安感から現物資産として金が広く買われました。

それによって金価格は高騰し、昨年7月には1トロイオンス2,000ドルを超える場面もありました。

そのような状況下で、金の採掘や製錬などを行う金鉱株にも注目が集められました。

金鉱株では、金価格の上昇は利益拡大と直結するため、その値動きは金相場と密接なつながりを持っています。

しかし、金価格が高値をつけて以降、割高感などが指摘される中で経済回復も進むとともに緩やかに価格は減少しています。

新型コロナウイルスデルタ株の拡大などまだまだ課題もあることから大きな値崩れには至っていないものの、現在は1トロイオンス1,800ドル付近で推移しており、ピーク時からの下落は明らかとなっています。

金価格は景気と反対の動きを示すことで知られており、今後のFRBによる緩和縮小による価格への影響は避けられません。

一方で、FRBはテーパリング実施に向けて慎重に歩みを進めているため、現在の米国株式市場はテーパリングの影響をある程度織り込み済みとの見方もあります。

そのため、以前のリーマンショックの際は経済回復局面で大きな下落を見せた金相場ですが、今回はその先行きが比較的分かりづらくなっています。

また、アメリカにおいては、パンデミック下での各種給付金を中心とした財政出動やバイデン政権下でのインフラ投資などによる財政赤字拡大を背景としたドル安の影響から、ドル建て金の割安感が強まる可能性があることや、パンデミックからの急速な経済回復の中で経済停滞が予想より早く来る可能性があることなどから金が買われるとの見方もあります。

加えて、パンデミックを経験したことで、株式だけでなく金という現物資産も意識した分散投資志向が強まる可能性も指摘されており、これらの需要が相場を支えることで、下落はある程度限定的と考えることができます。

長期的に見ると、金相場は堅調に推移していくことも予想されており、その意味で、昨年の熱狂から冷めつつある金及び金鉱株は今後の動き次第では割安で推移する狙い目だと考えることができます。

本記事では、先行き不透明ではありますが、近く割安で狙い目となる可能性のある金鉱株について紹介していきます。

ニューモント・マイニング

企業概要

ニューモント・マイニング(NYSE:NEM)はアメリカの大手金鉱会社です。

アメリカ、メキシコ、ペルー、ガーナ、オーストラリアなどで金の生産などを行なっており、バリック・ゴールドとの合併により金の生産量では世界1位となっています。

金鉱会社として唯一S&P500に登録されています。

そのほかにも、銅の生産も行なっています。

執筆時点での同社株価は57.45ドル、時価総額は460.22億ドルとなっています。

業績について

まず、最新決算である2021年第2四半期決算について見ていきます。

  • 売上高…30.65億ドル(前年同期比29.5%増)
  • 同社普通株主に帰属する純利益…6.50億ドル(前年同期比88.9%増)
  • 希薄化後EPS…0.81ドル(前年同期比88.3%増)

アナリストらによる同社業績の事前予想を見てみると、売上高が31億ドル、non-GAAPベースのEPSが0.7939ドルとなっています。

同社の実際の業績では売上高が30.65億ドル、non-GAAPベースのEPSが0.83ドルとなっていることから、売上高ではアナリストらによる事前予想を下回っていますが、EPSでは上回っていることがわかります。

金相場の下落がささやかれていますが、昨年の同時期よりは高い水準で推移しています。それに伴って、今四半期の業績は前年同期比で優れたものとなっています。

配当について

同社は長らく配当を0.14ドルに据え置いていましたが、株価上昇に伴って、昨年は2度の増配を実施しています。

それにより、現在の同社配当は0.55ドルとなっており、配当利回りは3%台を推移しています。

これによって、同銘柄は高配当と言える水準に達しています。

今後について

同社は2021年度第2四半期決算を7/22に発表しています。

金相場の下落がささやかれる中で前年同期比での大きな成長を見せた同社株価ですが、来季以降の業績への不安感から株価は小幅な上昇にとどまりました。

また、その後は現在にかけて軟調な推移を続けています。

記事冒頭で述べたとおり、今後の金鉱株の動きはまだまだ予測が困難なところが多くなっています。

一方で、同銘柄を紹介する理由としては、金鉱株の中で唯一S&P500に採用されている同社の安定感が挙げられます。

先行き不明な金鉱株ですが、同社はS&P500に採用されているだけあって、他の銘柄と比較して業績が安定しているため、その分下落のリスクも少ないということができます。

例えば、同業他社のアングロ・ゴールドなどは営業コストが大きいことから、業績のボラティリティが大きくなっています。

そのような企業は、今後しばらくは低水準で動くと予想される金相場で大きな利益をあげることは困難といえます。

また、同社は配当も行なっており、期間こそ8年と長くはないですがボラティリティの大きい金鉱株にも関わらず減配を行なっていない点も評価できます。

現在の配当水準が維持されれば、高配当としての魅力も出てきますので、その辺りにも期待が高まります。

フランコ・ネバダ

企業概要

フランコ・ネバダ(NYSE:FNV)は、カナダの金鉱投資会社です。

同社はストリーム企業であり、自身で金鉱は持っていませんが、アメリカ、カナダ、メキシコ、南アフリカを中心に他社の金鉱開発に出資し、生産された金を販売しています。

そのほかにも、石油や天然ガスなどでも同様の投資を行なっており、非常に低コストで生産物の販売を行うことができるのが強みです。

執筆時点での同社株価は181.81ドル、時価総額は347.45億ドルとなっています。

業績について

最新決算である2021年第2四半期決算について見ていきます。

  • 売上高…3.471億ドル(前年同期比77.6%増)
  • 粗利益…2.226億ドル(前年同期比93.3%増)
  • 純利益…1.753億ドル(前年同期比85.8%増)
  • 調整後EPS…0.92ドル(前年同期比84.0%増)

アナリストらによる同社業績の事前予想を見てみると、売上高が3.373億ドル、non-GAAPベースのEPSが0.9313ドルとなっています。

同社の実際の業績では売上高が3.471億ドル、non-GAAPベースのEPSが0.96ドルとなっていることから、アナリストらによる事前予想を上回っていることがわかります。

配当について

同社は配当を行なっており、直近の配当は0.3ドルとなっています。

昨年以降は株価上昇に伴ってやや下落していますが、配当利回りは概ね1%前後となっています。

同社配当の魅力としては、14年にのぼる長い増配年数です。

金そのものへの投資だと配当が得られないというデメリットがありますが、同社に投資すれば配当を得ることができる上、金価格が底となっていた時期においても増配を維持していたことは大きな強みです。

今後について

同社は、先に述べたように自分で金鉱を持たない特殊な事業形態をしているため、他の金鉱株と比較して非常に低いコストでの金の生産が可能となっています。

そのため、金価格の株価へのマイナスの影響がかなり抑えられています。

実際に、同社の株価の推移は他の金鉱株と全く違っています。

同社は2007年末の上場以来これまで、昨年秋以降の下落しか大きな下落は経験していません。

長らく堅調な推移を続けています。

直近6ヶ月で見ても、先にあげたニューモント・マイニング社を含めた金鉱株全般が下落している中、同社は堅調な推移を見せていました。

金への投資を行いつつ、そのデメリットは限りなく減らすことができるうえ、配当によってインカムゲインにも期待できます。

今後の先行き不安定な中でも十分に保有する価値があると思われます。

まとめ

本記事では、先行き不透明ではあるものの割安に購入することができるかもしれない金鉱株を紹介しました。

冒頭でも述べた通り、今後の金相場や金鉱株の動きには予測不可能な要素も多く、決して暗視して投資できるわけではありませんが、本記事で取り上げた銘柄は、そのような状況下でも注目しておくだけの価値があると思われます。

パンデミックを通じて、安全資産としての金の魅力を多くの人が知ることになりました。

長期的には、金相場の上昇も見込まれています。そのため、早くから金や金鉱株に注目しておくことは、今後を長く見据えた投資においては不可欠なのではないでしょうか。

参考元:

Newmont Announces Solid Second Quarter Results

Franco-Nevada Reports Record Q2 and H1 Results 2021 Guidance Increased

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