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米国インデックス投資における人気のS&P500連動型ETFの比較

出典:Getty Images

米国株への投資を考えた際に、近年最高値を更新し続けている米国株価指数は選択肢の一つとして非常に魅力的に思えます。

米国株価指数への投資は、株価指数に連動するETFを通したインデックス投資によって行うことが可能です。

ETFを通じた投資を行うことのメリットとしては、個別株と比較して手を出しやすいことが挙げられます。

具体的には、個別銘柄を厳選するための決算内容の比較及びそのための知識が深く要求されないことや、突然の大きな株価下落リスクが小さいことなどが挙げられます。

また、インデックス投資を通じて市場全体の動きを把握することにもつながるため、インデックス投資は株を始めたばかりの初心者の方などにとって非常に始めやすいと言うことができます。

一方で、現在、多くの指数連動型のETFが存在しています。

基本的にはそれぞれ元となる株価指数と連動した動きとなるため大きな違いはないと考えることもできますが、より詳しくみていくと、それぞれに 違いがあることが分かります。

本記事では、S&P500に連動するETFを3つ取り上げ、その特徴について比較していきます。

まず、それぞれのETFについて、上位の構成銘柄及びセクターについてみていきます。

バンガードS&P500ETF(NYSEMKT:VOO)

初めに紹介するのは、米国のバンガード社が提供しているバンガードS&P500ETFです。

同ETFはS&P500を構成する全銘柄に対して投資を行なっています。

名前の通りS&P500との連動を目指しています。

セクターごとの構成銘柄比率などもほぼS&P500と同等のものとなっており、情報技術セクターが最も多い24.24%となっており、金融セクターが14.20%、ヘルスケアセクターが13.10%で続いています。

また、構成銘柄のうち、保有量の多い上位10銘柄は以下の通りとなっています。

ポートフォリオ上位10銘柄

  • 1位…アップル:5.92%
  • 2位…マイクロソフト: 5.62%
  • 3位…アマゾン:4.06%
  • 4位…フェイスブック クラスA:2.29%
  • 5位…アルファベット クラスA:2.02%
  • 6位…アルファベット クラスC:1.97%
  • 7位…バークシャー・ハサウェイ クラスB:1.44%
  • 8位…テスラ:1.44%
  • 9位…エヌビディア:1.37%
  • 10位…JPモルガン・チェース:1.30%

アップルを筆頭にGAFAMが上位5位を独占しており、昨年以降大きく上昇したテスラやエヌビディアなどのテクノロジー企業が続いています。

その他には、ウォーレン・バフェット氏の率いる投資会社バークシャー・ハサウェイや米国の金融大手であるJPモルガン・チェースが上位に組み込まれており、実際のS&P500における時価総額上位10銘柄にほぼ対応しています。

同ETFの信託報酬は0.03%となっています。

また、過去1年間の分配金利回りは1.28%となっています。

iシェアーズ・コア・S&P500ETF(NYSEMKT:IVV)

続いて紹介するのは、世界最大規模を誇る米国の資産運用会社であるブラックロック・グループが運用するS&P500連動型のiシェアーズ・コア・S&P500ETFです。

セクターに関しては、情報技術セクターが24.55%で最も多く、こちらも金融セクターが14.05%、ヘルスケアセクターが13.77%と続いています。

同ETFの構成銘柄上位10銘柄は以下の通りです。

ポートフォリオ上位10銘柄

  • 1位…アップル: 6.15%
  • 2位…マイクロソフト:5.86%
  • 3位…アマゾン:3.68%
  • 4位…フェイスブック クラスA:2.28%
  • 5位…アルファベット クラスA:2.18%
  • 6位…アルファベット クラスC: 2.08%
  • 7位…バークシャー・ハサウェイ クラスB:1.45%
  • 8位…テスラ:1.42%
  • 9位…エヌビディア:1.27%
  • 10位…JPモルガン・チェース:1.26%

バンガードS&P500ETFと比べると、同様の株価指数に連動することもあり、全く同じ銘柄が上位10位を独占していますが、GAFAMの割合がより大きくなっており、全体で見ても情報技術セクターの割合が大きいところに特徴があると言えます。

SPDR S&P500ETF(NYSEMKT:SPY)

最後に紹介するのは、米国で2番目に長い歴史を持つ金融機関であるステート・ストリート社が運用するSPDR S&P500ETFです。

セクターに関しては、情報技術セクターが24.94%で最も多く、こちらも金融セクターが13.92%、ヘルスケアセクターが13.78%と続いています。

同ETFの構成銘柄上位10銘柄は以下の通りです。

ポートフォリオ上位10銘柄

  • 1位…アップル:6.17%
  • 2位…マイクロソフト:6.09%
  • 3位…アマゾン:3.64%
  • 4位…フェイスブック クラスA:2.29%
  • 5位…アルファベット クラスA:2.20%
  • 6位…アルファベット クラスC :2.09%
  • 7位…バークシャー・ハサウェイ クラスB:1.44%
  • 8位…テスラ:1.39%
  • 9位…エヌビディア:1.38%
  • 10位…ジョンソン&ジョンソン:1.26%

バンガードS&P500ETF、iシェアーズ・コア・S&P500ETFと比較した際に、医薬品大手のジョンソン&ジョンソンが10位に入っているところに特徴があると言えます。

実際に全体で見てもヘルスケアセクターの占める割合は3者で最も大きくなっています。

一方で、情報技術セクターの割合も最も大きくなっており、その意味ではややバランス感に欠けると言うこともできるでしょう。

ここまでについて一度まとめておきます。

各ETFについて構成銘柄・セクターごとについてみていくと、バンガードS&P500ETFとiシェアーズ・コア・S&P500ETFではそこまで大きな違いは見られませんでしたが、SPDR S&P500ETFでは情報技術セクター及びヘルスケアセクターにやや偏りが見られました。

これは、当該セクターが強い時には比較的成績が良くなることが期待されますが、全体で見るとリスクの拡大につながる恐れがあります。

そのため、構成銘柄・セクターの観点ではSPDR S&P500ETFはやや劣っていると考えることができます。

各ETFの分配金利回り

続いて、分配金利回りについてみていきます。

ETFでは、決まった頻度で運用成績に応じて分配金が支払われます。

今回紹介しているS&P500連動型ETFでは高配当ETFと比べて決して大きいわけではありませんが、長期的な目線で考えた場合には、分配金から得られる利益も考慮に入れても良いと言えます。

そこで、各ETFについて分配金利回りをみてみます。

過去1年の分配金利回りは以下の通りです。

  • バンガードS&P500ETF…分配金利回り:1.28%
  • iシェアーズS&P500ETF…分配金利回り:1.26%
  • SPDR S&P500ETF…分配金利回り:1.24%

分配金利回りではバンガードS&P500ETFがわずかに上回っていますが、気にするほど大きな差ではないと言えます。

同様の指数に連動しているため、成長率にもほとんど差はありません。

各ETFのリターン

続いて、各ETFのリターンを比較します。

各ETFのリターンは以下の通りです。

  • バンガードS&P500ETF…過去1年:19.8%
  • iシェアーズS&P500ETF…過去1年:19.9%
  • SPDR S&P500ETF…過去1年:19.8%

基本的に大きな差はないものの、過去1年間のリターンではiシェアーズS&P500ETFが僅かに上回っています。

また、過去3年平均、5年平均についてみてみると、SPDR S&P500ETFのみ僅かに他2者を下回っています。

各ETFのコスト

最後に、各ETFにかかるコストを比較します。

ETFにかかるコストとしては、運用ファンドへ支払う信託報酬が挙げられます。

信託報酬は以下の通りです。

  • バンガードS&P500ETF…信託報酬:0.03%
  • iシェアーズS&P500ETF…信託報酬:0.03%
  • SPDR S&P500ETF…信託報酬:0.09%

ここまではどのETFもそこまで大きな差とはなりませんでしたが、信託報酬では大きな差がついています。

SPDR S&P500ETFの信託報酬が他と比べて非常に高くなっています。

信託報酬は、運用益のうちファンドが受け取る手数料ですので、安ければ安いほど投資家が受け取る利益は大きくなります。

そのため、SPDR S&P500ETFの高い信託報酬はマイナス点と言えます。

まとめ

最後に、実際にどのETFが優れているか総合的に判断します。

バンガードS&P500ETFとiシェアーズS&P500ETFでは、iシェアーズS&P500 ETFの方が運用成績は優れているといえますが、バンガードS&P500ETFの規模が大きいことも踏まえるとどちらもそう変わりないと考えることができると思います。

差をつけるならば、iシェアーズS&P500ETFの方がGAFAMなどのテクノロジー銘柄の割合が高いため、今後、大きく成長する可能性があるかもしれません。

実際に、テクノロジー銘柄の延びた昨年はiシェアーズS&P500ETFの伸びの方が大きかったことからも、同様のことが考えられるのではないでしょうか。

SPDR S&P500ETFの利点としては、ヘルスケアセクターの割合が大きいことなどから、経済が混乱した場合にも他と比較して安定した推移を見せる可能性があると言えます。

その意味では、金融緩和などが近いうちに行われる現在では優れた投資先と言えるかもしれません。

一方で、高い信託報酬などの欠点もあるため、慎重に考えた方がいいでしょう。

最後になりますが、どのETFに投資するかはそれぞれの投資スタイルに合わせて選ぶことが重要です。

ETFとしては、今回挙げた以外にも様々な指数に連動したものや高配当銘柄に地注目したものなど色々あります。

自分自身の投資スタイルに合ったものを探すことをお勧めします。

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