The Motley Fool

米国電気自動車普及の新目標公開で今後が期待されるEV銘柄

出典:Getty Images

近年、世界的に脱炭素社会の追及が取り沙汰されています。

脱炭素とは、地球温暖化の主要な原因である温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにすることを目標にする標語であり、カーボン・ニュートラルやネット・ゼロなどとも呼ばれており、多くの方が耳にしたことがあると思います。

各国政府が脱炭素社会構築のために様々な目標を掲げており、多くの企業もそれに追従する形でそれぞれに基準を設けるほか、新しい技術や新製品の研究開発に取り組んでいます。

特に自動車産業ではテスラなどを筆頭に、多くの排気ガスを排出するガソリン車に対して、電気自動車(EV)の研究開発が盛んにおこなわれており、脱炭素社会を目指す大きな潮流の一つとなっています。

これに関連して、8月5日には、アメリカでバイデン大統領が新しい電気自動車の普及目標に関する大統領令に署名しました。

この大統領令では、アメリカの新車販売台数に対する電気自動車の割合を、2030年までに50%に引き上げるという内容が提示されました。

加えて、電気自動車用の充電ステーションの拡充といったインフラや労働環境の整備も進められていくとのことです。

EUではすでに2035年までにガソリン車の新車販売を禁止するという目標が掲げられていましたが、アメリカも電気自動車の普及に大きく舵を切ることになりました。

これにより、自動車産業は急速に電気自動車にシフトしていくことが予想され、今後10数年で既存の自動車産業の構造や力関係が大きく変化していくと考えられます。

日本ではまだあまりなじみのない電気自動車ですが、ここ数年での技術革新により、各国自動車メーカーの多くはこの新しい流れに賛同を表明しています。

今後は政府・メーカーの両面から電気自動車の普及が進められていくでしょう。

本記事では、今後ますます勢いを増していくと思われる電気自動車銘柄を紹介します。

ニーオ

ニーオ(NYSE:NIO)は中国の電気自動車メーカーです。

同社はAIなどを活用した高性能な電気自動車の研究開発及び販売を進めるほか、充電設備などの普及にも尽力しており、自動車の開発からユーザーサービスまで包括的に事業を展開しています。

特に、同社の電気自動車は中国で唯一バッテリー交換技術を搭載しており、そのためのバッテリー交換ステーションを国内外で約5000か所展開しています。

そのため、今後、バッテリー交換式の電気自動車が普及していくことになった場合、同社のシステムが基準となることでライセンス収入などを見込めるといった将来性も魅力の一つといえるでしょう。

最新の四半期決算では、売上高が前年同期比で481.8%増加した79.82億ドルとなっていますが、純利益は赤字を拡大しています。

一方で、販売台数は堅調に推移していることから、コストカットなどが今後期待されています。

比較的新しい企業ですが、すでに世界展開を視野に入れた活動を行っており、そう遠くないうちに大きく飛躍していく可能性も考えられます。

最近の同社株価は概ね40ドルから50ドルのレンジで推移しています。

同社株価もパンデミックの昨年を通してテスラ以上に跳ね上がっており、2021年初には1年で10倍を超える高値もつけていましたが、現在は調整局面に入っており当初の75%ほどとなっています。

いまだ事業の収益化は安定していませんが、業績は堅調に推移しているため、今後の株価上昇も期待されますが、中国企業ということが懸念点として挙げられています。

中国当局及びバイデン政権下のアメリカ政府両方からの規制拡大のために、現在、アメリカ市場では中国企業であることが大きなマイナス要因となっています。

そのため、業績とは関係ない理由から、今後しばらくは大きな上昇は考えづらいかもしれません。

一方で、その様なリスクはあるものの、事業内容の将来性や堅調な業績などの魅力はかなり大きいと言えるため、米中関係の改善などをきっかけとして大きく跳ね上がる可能性もあることから、リスクを承知で保有するのもありかもしれません。

リビアン

リビアンは2021年9月にIPOを予定しているアメリカの電気自動車メーカーです。

現在は直接投資することはできませんが非常に魅力的なメーカーです。

同社は、アマゾン・ドット・コム、フォード・モーター、ティー・ロウ・プライスなどから、合計で100億ドル以上を調達しています。

主な事業は、一般消費者用の電気自動車開発と商業用の配送トラックの研究開発です。

同社の最初の電気自動車の納入は、半導体不足の影響から後ろ倒しとなりましたが、今年9月を予定されています。

特にトラック開発では、アマゾン・ドット・コムとの間に10万台の納入契約を結んでおり、上場後の収益基盤として十分に大きなものを持っていることも評価につながると言えます。

新興企業の多い電気自動車市場ですが、同社のIPOには期待が集まっています。

アルベマール

アルベマール(NYSE:ALB)はアメリカの化学品メーカーです。

同社は石油精製や金属加工、医薬品から人々に身近な家電など広い範囲にわたって、リチウム化合物や触媒といった化学品の開発及び販売を通じて関わっています。

電気自動車産業との関りとしては、電気自動車に欠かせないリチウムイオン電池などに用いられるリチウムがあげられます。

同社は昨年末に、テスラとの提携を発表しており、テスラ社の電気自動車モデル3に使用されるリチウムを提供しています。

リチウムの希少価値は決して非常に高いわけではありませんが、原産地域が限られることなどを背景に取り扱っている企業は数が限られており、同社はリチウム及びリチウム化合品を取り扱う会社としてはトップクラスの規模を誇っています。

最新の四半期決算では、売上高が前年同期比で1.29%増加した7.74億ドルとなっています。

希薄化後EPSは前年同期比で350%を超える大きな成長を残しており、3.62ドルとなっています。

売上高に関しても、同社の主要な収益源であるリチウムと臭素関連事業は好調に推移しておりそれぞれ前年同期比で2桁の成長となっていることから、今後も継続的に成長していくことが予想されます。

同社株価はコロナショック以降急上昇を続けており、現在の株価は約230ドルとなっています。

コロナショック直前に約90ドルとなっていたため、この1年間で株価は約2.5倍となっています。

特に下げることもなく成長を続けているため、株価上昇は喜ばしい反面どこかで調整局面を迎える可能性もあり、購入のタイミングは気を付けたほうがいいかもしれません。

一方で、同社の取り扱うリチウム化合物は電気自動車の普及には必要不可欠といえるため、長期的にはさらなる増進を続けていくと思われます。

まとめ

本記事では、今後ますます拡大していくと思われる電気自動車産業に身を置く企業を紹介しました。

注目が集まってはいるものの、まだ始まったばかりである電気自動車市場の今後は誰にも予測できません。

新興企業の参入により、近いうちに自動車産業の構造に変化がもたらされていくかもしれませんが、大手自動車メーカーも電気自動車市場に乗り出しています。

実際に、フォード・モーターやBMWなども電気自動車の研究開発に多くの投資を行っています。

また、アマゾンやアップルなどのIT大手も、これまで培ってきたAI技術などを利用して電気自動車市場への参入を狙っており、これまで自動車とはあまりなじみのなかった企業まで巻き込んだ一大ムーブメントとなりつつあります。

そんな中で、今回紹介した銘柄以外にも、各国が電気自動車の普及を推進していく中で、これからも多くの企業が市場に参入してくることは明らかです。

一方で、決して少なくない企業が競争に敗れて去っていくことも事実です。

まだ加熱し始めたばかりの電気自動車産業ですので予想は困難ですが、どの企業に将来性があるのか、自身で比較検討して投資先を決めることが重要です。

フリーレポート配信

優良企業30社で構成されるダウ平均株価は、1世紀以上にわたり世界中でフォローされています。ダウ構成銘柄の長年の良好なパフォーマンスを考えると、市場参加者が注目するのはごく自然なことで、最近はこれから紹介するダウ4銘柄が注目されています。

著名投資家も注目の優良大型株4銘柄」はこちらからご覧ください。(メールアドレスの登録が必要です)

また、ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。

公式ツイッターアカウント公式フェイスブックアカウントをフォローする。

また、公式LINEアカウントの方では、投資初心者向けの情報を発信しています。
友だち追加

免責事項と開示事項 記事の作者、白紙は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

最新記事