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【米国株動向】ロシア通信大手MTSは5Gで期待を集めるが株価は割安

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、2021826日投稿記事より

モバイル・テレシステムズ(MTS)(NYSE:MBT)はロシア最大の通信事業会社です。

今年第2四半期末時点の利用者数は7,890万人超、業績も急激な伸びを示しており、同四半期の売上は前年同期比10.7%増の1,286億ルーブル、最終利益は同53.6%増の171億ルーブルでした(8月24日の換算レートは1ドル73.75ルーブル)。

しかし現在の株価バリュエーションは株価収益率(PER)がわずか8.3倍と(執筆時点)、ファンダメンタルズの改善が反映されていません。

キャッシュフローも、10.7%という高い配当利回り(執筆時点)の負担をカバーするのに十分な水準にあります。

さらに同社は5G(次世代通信規格)網をロシア全土に広げており、通信セクターへの投資を始めたい投資家に恩恵をもたらし得る選択肢です。

MTSに暗い過去があるのは事実です。

1991年に米国の投資家グループと当時のウズベク・ソビエト社会主義共和国政府が中央アジア初の移動通信事業者となるウズドゥンロビタを設立、MTSは2004年にこの支配株主となりました。ウズドゥンロビタは後にウズベキスタン最大の通信事業社となります。

その後8年間にわたり、MTSとウズドゥンロビタはオランダとスウェーデンの通信会社とともに、ウズベキスタン前大統領の娘、グルナラ・カリモワに合計10億ドル近い賄賂を支払いました。

またこの汚職に関し、MTSは2019年に米司法省に8億5,000万ドルの制裁金を支払っています。

ウズドゥンロビタは2012年に国有化され、その年MTSは11億ドルの損失を計上しました。

以来、MTSのウズドゥンロビタとのつながりは絶たれたままです。

MTSは中央アジアでの暗い汚職の事実を過去のものとする一方、今度は5Gをロシアで展開する機会を得ました。

今年前半、MTSと中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が共同で5Gのパイロットテストをモスクワで実施した際には、ファーウェイの端末でのダウンロード速度は毎秒1ギガバイトに達し、成功をおさめました。

5月末には、サンクト・ペテルブルグでMTSの初の5G通信網が開始されました。

MTSがロシアの消費者から高く支持されている大きな要因の一つは、毎月わずか990ルーブル(13.42ドル)で国内でのデータ通信が無制限のサービスを受けられることです。

こうした安価なプランを提供しながらも、MTSは大きく利益を確保しています。

さらに、MTSが提供するのは通信サービスに留まりません。

小売り、フィンテック、メディアの領域でも一定の存在感を確立しており、これらを合わせて前年同期比27%の成長を達成しています。

また、MTSはアルメニアとベラルーシでも大きな市場シェアを獲得しています。

総括すると、MTSは5Gを取り巻くグローバルな競争の中で期待を担う星であると言えます。

事業の成長、高い配当、割安な株価バリュエーションと揃っており、通信セクターに興味がある投資家にお薦めしたい銘柄です。

その上、同社は最近1億9,800万ドル規模の自社株買いを発表しています。

警戒すべき点としては、対イラン制裁違反疑惑などで米規制当局から睨まれ、制裁措置を受けているファーウェイとMTSとののつながりです。

米国の技術なしにはファーウェイは5G対応のスマートフォンを製造することさえできないのです。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Zhiyuan Sunは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、記事で言及されている株式を保有していません。
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