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【注目米国株】巣篭もり需要を契機に高水準が続く海運銘柄2選

出典:Getty Images

パンデミック下でeコマースに焦点が当てられ、アマゾンなどをはじめとして多くの企業がネットを活用した販売戦略によって大きな利益を上げました。

アメリカをはじめとした世界の多くの地域では、9月が年度はじめとなっていることなどから、夏から現在にかけて新年度商戦が繰り広げられています。

ネットで販売された商品の多くは、コンテナ船などの大型船に積み込まれ、世界中の消費者のもとへ運ばれます。

一方で、昨年度以降の巣篭もり需要の拡大によって積み込み用コンテナの不足なども叫ばれています。

本記事では、コンテナ船などの海運銘柄に焦点を当て、その中から注目の銘柄を2つ紹介します。

ダナオス・コーポレーション

企業概要

ダナオス・コーポレーション(NYSE:DAC)はギリシャに本拠地を置く世界最大のコンテナ船保有会社です。

同社は50以上のコンテナ船を保有しており、主にそのレンタルで収益を得ています。

主要な顧客としては、マークス、COSCO、ネプチューン・オリエント・ラインズ、中国海運などが挙げられます。

執筆時点での同社株価は84.89ドル、時価総額は17.49億ドルとなっています。

業績について

まず、最新決算である2021年第2四半期決算について見ていきます。

  • 売上高…1億4,643.4万ドル(前年同期比25.3%増)
  • 営業利益…7,275.4万ドル(前年同期比43.3%増)
  • 純利益…3億7,283.7万ドル(前年同期比868.5%増)
  • 調整後純利益…6,886.0万ドル(前年同期比62.0%増)
  • 希薄化後EPS…18.10ドル(前年同期比1,067.7%増)
  • 調整後希薄化後EPS…3.34ドル(前年同期比95.3%増)

アナリストらによる同社業績の事前予想を見てみると、売上高が1億4,387万ドル、調整後希薄化後EPSが3.29ドルとなっています。

同社の実際の業績では売上高が1億4,643.4万ドル、調整後希薄化後EPSが3.34ドルとなっていることから、アナリストらによる事前予想を上回っていることがわかります。

同社の業績上昇の理由としては、巣ごもり需要などを背景としたコンテナ船のリース料の上昇や保有船舶数の増加が挙げられています。

これらの背景により営業キャッシュフローは約70%の大幅な上昇を見せています。

また、同社は今四半期にZIM統合海運事業会社への投資から約1.96億ドル、債務償還によって約1.11億ドルの利益を得ており、調整後純利益などではそれらを中心とした影響を除いています。

配当について

同社は2020年末からの好調な業績及び株高を受けて、2021年第一四半期から配当を開始しています。

配当はこれまでに2回配られており、配当金は0.5ドル、配当利回りは約2.5%前後となっています。

今後も好調な業績が続いていけば配当も続いていくと考えられます。

今後について

同社は2021年度第2四半期決算を2021/08/02に発表しています。

その後、同社株価は堅調に推移しており、現在の同社株価は発表時点から約25%もの上昇を見せています。

同社株価はちょうど一年前の2020年8月に底値をつけており、以降は堅調な巣篭もり需要などに後押しされる形で急上昇しており、この1年間で約17倍となっています。

一方で、同社の上場時点での株価は290ドルほどとなっており、一時は500ドル近い高値となっていますので、その水準には程遠いと言えます。

海運銘柄全般に言えることですが、2008年のリーマンショック以降の超低水準がコロナショック直前まで続いていました。

そのため、今回のパンデミック下での巣篭もり需要による株高を契機として、株価水準が回復していく可能性が考えられています。

同社も業績は好調ですが、株価がどうなるかは海運業全体の評価によると考えられます。

スター・バルク・キャリアーズ

企業概要

スター・バルク・キャリアーズ(NASDAQ:SBLK)はギリシャの開運会社です。

同社は、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶ大型バルク船とボーキサイトやリン酸塩、鉄鋼製品などを運ぶ小型バルク船を保有しています。

執筆時点での同社株価は23.74ドル、時価総額は24.27億ドルとなっています。

業績について

最新決算である2021年第2四半期決算について見ていきます。

  • TCE売上高…2.549億ドル(前年同期比162.5%増)
  • 純利益…1.242億ドル(前年同期比1.683億ドル増)
  • 調整後EPS…1.27ドル(前年同期比1.46ドル増)

アナリストらによる同社業績の事前予想を見てみると、売上高が2.688億ドル、調整後希薄化後EPSが1.32ドルとなっています。

同社の実際の業績では売上高が2.549億ドル、調整後希薄化後EPSが1.26ドルとなっていることから、前年同期比で大幅な成長を見せた同社業績ですが、アナリストらによる事前予想を下回っていることがわかります。

一方で、好調な業績にともなってフリーキャッシュフローは期末には期初か17.5%もの増加をみせており、財務状況は改善していることがわかります。

配当について

同社の配当実績は以下の通りです。

  • 2021/08/20…配当金:0.7ドル(配当利回り:12.52%)
  • 2021/05/27…配当金:0.3ドル(配当利回り:6.33%)
  • 2020/02/28…配当金:0.05ドル(配当利回り:1.48%)
  • 2019/11/29…配当金:0.05ドル(配当利回り:2.40%)

2019年末から配当が開始されていますが、コロナショックなどの影響から開始後すぐに配当はなくなっていました。

しかし、2021年第一四半期から連続して配当が配られています。

本来であれば2019年末から連続して配当があった可能性も高いことから、今後も業績が好調なまま推移していけば配当は続いていくことが予想されます。

その中で、同社配当の非常に高い配当利回りは魅力的です。

今後のことはまだわかりませんが、将来の高配当銘柄の素質は大いにあると思われます。

今後について

同社株価は決算発表後に一時下落したものの、その後は現在に至るまで堅調な推移を見せています。

また、同社は7月初めに突然の公募増資を発表したことで一時30%近い下落となっていましたが、8月末にかけて高い配当利回りなどから配当目当ての買いが延びたものと思われます。

長期的に見ると、同社株価は昨年秋以降からは堅調な推移を続けており、株価はコロナショック直前から約3.5倍までに成長しています。

同社株価の今後を考える上でも、海運業全体の評価を考えることは不可欠と言えます。

海運業全体の株価水準が現在のまま続いていけば、自ずと同社株価も安定していくと考えることができます。

そうなった時に、高配当銘柄として同社に注目が集まる可能性は大いにあるのではないでしょうか。

また、同社はコンテナ船ではなくドライバルク船ということもあり、巣篭もり需要が比較的落ち着いてきても常に一定の需要があると言えるため、今後のパンデミックからの回復局面において、コンテナ船銘柄と比較して強さを発揮する可能性が考えられます。

まとめ

本記事では、昨年秋頃から高騰が続いている海運銘柄を2つ紹介しました。

これから海運銘柄を保有する上での注意点としては、現在の高水準がいつまで続くかどうかという点が最も大きなポイントとして挙げられます。

巣篭もり需要が落ち着きつつある中で、株高も改善されていく恐れがあります。

一方で、海運はトラック輸送などの陸路に比べて環境への負荷が低いことも指摘されています。

そのため、SDGsなど環境対策が叫ばれる中で、今後も高水準が続くとの見方もあり、一概に判断することは困難です。

海運銘柄はバルチック指数と深い関わりがあるため、バルチック指数にも注目をしておくと良いでしょう。

世界経済の先行指標となるバルチック海運指数とは?

参考元:

STAR BULK Financial Result Q2 2021

Danaos Corporation Reports Second Quarter and Half Year Results for the Period Ended June 30, 2021

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