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英国の「フリートレード」のビジネスモデルは?日本上陸時に注目したいポイント

パソコンと携帯を使う男性
出典:Getty Images

2022年に英国のネット(スマホ)証券、「フリートレード」が日本でサービスを展開することが一部の市場関係者や投資家の話題になっています。

過去にも呼ばれた海外発のオンライン証券が日本に上陸した事例はありました。

例えば、2010年台初頭にはアメリカのインタラクティブ・ブローカーズ証券、2010年代後半にはデンマークのサクソバンク証券が日本に進出してきました。

日本の大手ネット証券とは異なる取引手数料やサービスで、一部のセミプロのトレーダーや外国株の愛好家に親しまれている反面、日本の大手ネット証券の存在感が脅かされたということはありませんでした。

英国のフリートレードはネット証券の世界で大きなインパクトを残せるのでしょうか。

フリートレードは取引手数料「無料」

フリートレードは2016年に設立されたスマホに特化した新興の証券会社です。

ユーザーの平均年齢は30歳と若く、米国の証券会社ロビンフッドの英国版と考えるとイメージしやすいかもしれません。

フリートレードの特徴は取引手数料「無料」で、米英・欧州の主要株式を取引できるということで話題になりました。

日本のネット証券の米国株取引の手数料も安くなってきている

日本の大手ネット証券でも米国株の取引手数料はかなり値下がりしました。

大手のSBI証券、楽天証券、マネックス証券では最低取引手数料がなくなり、0.495%(税込)、上限22USD(税込)と横並びの状況です。

DMM証券は取引手数料「0円」、外貨決済で取引度に為替手数料25銭が発生し配当金に為替手数料がUSD/1円を課す形をとっています。

一見、DMM証券が最安値に見えますが、大手のSBI証券、楽天証券、マネックス証券はドル建て決済ができるため、取引度に為替手数料が発生しないので、一概には比べられません。

また日本のスマホ証券のSTREAMは、2021年8月10日に米国株の取引手数料「無料」のサービスを打ち出しました。

STREAMはDMM証券と同様、取引手数料自体は無料ですが、外貨決済はできず、片道24銭の為替手数料が発生します。

つまりDMMは取引手数料が実質0.25%、STREAMは0.24%かかると考えると分かりやすいでしょう。

日本のネット証券の米国株取引は小口取引でも手数料がかなり安くなりました。

フリートレードが外貨決済に対応しているかどうかに注目

フリートレードは取引手数料が「無料」ですが、取引度に為替手数料が発生するかどうかが気になるところです。

フリートレードがドル建ての外貨決済に対応していれば、本当の意味で取引手数料が無料になります。

しかし外貨決済に対応していなければ、DMM証券やSTREAMのように為替手数料で、実質取引手数料が発生するかもしれません。

優先顧客サービスを使わないと全ての機能は使えない可能性が大きい

フリートレードの英国版の情報を調べてみると、優先顧客サービスをサブスクリプションで提供しています。

米国のロビンフッドも取引手数料無料を謳っていますが、フリートレードと同様、機能を全て開放するためには、サブスクリプションのサービスに入る必要があります。

優先顧客サービスに入らなければ、使える注文が成行注文のみ、ストップロスが使えないといった制限がかかっています。

フリートレードが日本では無料で使える範囲がどこまでなのかも、上陸した際に確認しておきたいポイントです。

主要な欧州市場の取引ができるかどうかに期待

フリートレードはイギリスのロンドンをはじめとした欧州の主要市場の銘柄を取り扱う見込みです。

SBI証券、楽天証券、マネックス証券などの大手ネット証券では欧州個別株は扱っていないため、欧州株の個別投資でフリートレードが今後有力な選択肢になるかもしれません。

2021年の段階では、ネット証券で欧州株に強いところはサクソバンク証券です。

欧州株に興味がある方はフリートレードとサクソバンクの手数料や取り扱い銘柄を比べてみるのも良いでしょう。

NISAやiDeCo、源泉徴収ありの特定口座に対応できるか?

日本の大手ネット証券ではNISA、iDeCo、源泉徴収ありの特定口座が揃っています。

フリートレードは報道によればNISAには対応する見込みですが、iDeCo、源泉徴収ありの特定口座に対応するかどうかは不透明です。

iDeCoを活用した節税、確定申告の手間などを考えると、これらに対応しているかどうかもフリートレードを選ぶ際には注目のポイントになります。

フリートレードの進出で証券会社の競争は激化するも影響は限定的か?

インタラクティブ・ブローカーズ証券やサクソバンク証券もかつて黒船と呼ばれることがありました。

ただ、日本のネット証券の業界に与えた影響は限定的でした。

インタラクティブ・ブローカーズ証券は外国株取引をする際に外国法人の口座を別に開かなければいけない点や、セミプロ向けの取引画面が複雑でハードルが高く、初心者には使いこなすのが難しい面があります。

サクソバンク証券は取引手数料の上限が安い代わりに、取引に使う株価のリアルタイムデータは別途料金が必要です。

源泉徴収のできる特定口座がない点は、投資初心者には使いづらい面もありました。

外資系のネット証券は日本のネット証券に慣れた人には少し癖の強い仕様でした。

どちらかといえば外資系のネット証券は株取引にこだわりをもった層が好んで使う傾向にあったのではないでしょうか。

フリートレードが取引手数料「無料」で日本に上陸しても、日系の大手ネット証券の手数料も値下がりしており、取引手数料が無料(為替手数料は有料)のネット証券もあるため、手数料の安さだけでは差別化は難しいかもしれません。

また大手ネット証券が提供しているiDeCoや、源泉徴収ありの特定口座などに対応できるかどうかもフリートレードの日本での使いやすさに影響しそうです。

フリートレードの進出で日本の証券業界の競争はさらに激しくなりそうです。

しかし、フリートレードが大きく日本のネット証券業界の勢力図を塗りかえるほどのインパクトはないかもしれません。

フリートレードの無料版でどこまで取引ができるのか、外貨決済に対応するのかどうか、源泉徴収ありの特定口座に対応できるのか、NISA、iDeCoは使えるのかといったところで既存の大手ネット証券との差を埋められるのか、また、取引手数料以外のサービスの部分でどのような強みを出せるのかに注目です。

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