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パンデミックからの回復が進む中で投資先として注目したい米国株セクター

出典:Getty Images

先日、毎年8月に開催される世界の中央銀行総裁らによる経済シンポジウムであるジャクソン・ホール会議が開催されました。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長も発言し、今後の米国経済、世界経済の先行きに注目が集まっています。

パウエル議長の発言から、改めて年内のテーパリングが既定路線であることが明らかになりましたが、その時期をめぐってはやや議論が分かれています。

年内にテーパリングが開始されるということで、9月のFOMCもしくは11月のFOMCで開始時期について発表されることは確実ですが、9月に発表され10、11月に開始されるのか、11月に発表され12月に発表されるのか、人々の予想は揺らいでいます。

一方で、パウエル議長自身はテーパリングに対して早急に対応する必要はないとの立場も示しており、ジャクソン・ホール会議を受けて金利上昇圧力が低下したことから、米国株価指数は軒並み最高値を更新しています。

テーパリングに関しては約半年かけて行う旨も明らかになっており、前回のテーパリングよりも早いスピードで行われることになりそうです。

そのため、遅くとも来年下半期にもテーパリングは完了すると考えて良いでしょう。

今後は、これまでより一層アフターコロナを見据えた投資を行なっていく必要があると言えそうです。

本記事では、アフターコロナを見据えた投資先としてどこに投資すべきなのか、米国株セクターを比較していきます。

セクター別のパフォーマンス

米国株には全部で11のセクターがありますが、各セクターの過去1年間、半年間、3ヶ月間、1ヶ月間のパフォーマンスをみていきます。

セクター別のパフォーマンスは以下の通りです。

生活必需品セクター

  • 1年間:8.84%
  • 半年間:7.17%
  • 3ヶ月間:△1.28%
  • 1ヶ月間:△0.41%

ヘルスケアセクター

  • 1年間:23.63%
  • 半年間:11.25%
  • 3ヶ月間:7.3%
  • 1ヶ月間:1.96%

公共事業セクター

  • 1年間:15.87%
  • 半年間:12.38%
  • 3ヶ月間:3.58%
  • 1ヶ月間:1.98%

情報技術セクター

  • 1年間:34.38%
  • 半年間:13.59%
  • 3ヶ月間:13.78%
  • 1ヶ月:4.09%

資本財セクター

  • 1年間:36.63%
  • 半年間:10.38%
  • 3ヶ月間:0.09%
  • 1ヶ月間:1.28%

エネルギーセクター

  • 1年間:35.26%
  • 半年間:10.38%
  • 3ヶ月間:△2.71%
  • 1ヶ月間:△1.46%

通信サービスセクター

  • 1年間:41.44%
  • 半年間:15.51%
  • 3ヶ月間:9.8%
  • 1ヶ月間:2.94%

一般消費財セクター

  • 1年間:16.68%
  • 半年間:△0.9%
  • 3ヶ月間:0.3%
  • 1ヶ月間:△2.69%

金融セクター

  • 1年間:41.27%
  • 半年間:11.31%
  • 3ヶ月間:0.77%
  • 1ヶ月間:2.98%

素材セクター

  • 1年間:33.91%
  • 半年間:6.58%
  • 3ヶ月間:△4.19%
  • 1ヶ月間:△3.24%

不動産セクター

  • 1年間:27.51%
  • 半年間:14.15%
  • 3ヶ月間:4.17%
  • 1ヶ月間:0.53%

以上、直近1年間の各セクターのパフォーマンスを期間ごとに示しました。

これを見ると、各セクターがどのように推移してきたかの大筋を掴むことができます。

続いて、各セクターのパフォーマンスを比較していきます。

今後の投資先となるセクターを考えていく上で、各セクターがどのように推移してきているのかを考えることは非常に重要です。

では、実際に今後投資対象になりうる、もしくはなり得ないセクターはどれなのか考えていきます。

今後投資対象になりうるセクター

  • 生活必需品
  • 金融セクター

まず、生活必需品セクターについて見ていきます。

同セクターには、世界的な日用品メーカーであるプロクター&ギャンブルや清涼飲料水大手のコカ・コーラなどが含まれます。

生活必需品セクターは、過去1年間のパフォーマンスが全セクター中最低の8.84%となっています。

これはパフォーマンスが最高の通信サービスセクターと比較して約5分の1となります。

しかし、裏を返すと、不況時でも大きな株価下落に陥らないセクターだと考えることができます。

特に、今年度に入ってから景気回復が急速に進んでいるアメリカにおいて、同セクターのパフォーマンスは1ヶ月間、3ヶ月間でともにマイナスになっていますが、マイナスの幅は狭まってきています。

これはつまり、今後起きるテーパリングに伴う一時的な景気後退を見込んで同セクターが徐々に買われていることを示しています。

続いて、金融セクターについて見ていきます。

金融セクターは1年間で全セクター中2位となる41.27%の高いパフォーマンスを誇っています。

それだけ、コロナショックによる下がり幅が大きかったと考えることができるでしょう。

半年間、3ヶ月間のパフォーマンスはあまり高くありませんが、1ヶ月間のパフォーマンスが全セクター中2位となる好成績を収めており注目されています。

米国大手銀行6行などの多くの投資銀行を含む同セクターは、緩和縮小に伴う金利上昇の恩恵を最も受けるセクターと考えることができます。

テーパリング時期が近づきつつある中で、同セクターに含まれる多くの銘柄が買われていると考えることができます。

投資する際は注意すべきセクター

  • 情報技術セクター
  • ヘルスケアセクター

まず、情報技術セクターについて見ていきます。

同セクターはこの1年間で大きな成長を見せています。

過去1年間のパフォーマンスは34.38%増と全セクター中5位となっていますが、その後上昇し、過去3ヶ月間、過去1ヶ月間ではともに全セクター中1位のパフォーマンスを見せています。

この原因としては、パンデミック下で改めて注目を集めたGAFAMやテスラに代表されるような超大型グロース銘柄をはじめとするIT銘柄が多数含まれていることが挙げられます。

一方で、全セクター中1位となっているパフォーマンスですが、成長率は大きく下落しています。

緩和縮小によるマイナス影響への懸念などが要因として考えられます。

今後も長期的には成長が期待されるセクターであることは間違いありませんが、短期的には、このまま成長率の鈍化や減少へ転じることも予想されるため、しばらく様子を見た方が良いと思われます。

続いて、ヘルスケアセクターについて見ていきます。

同セクターのパフォーマンスは、過去1年間では全セクター中下から4番目となる23.63%となっています。

一般的に不況に強いと考えられているヘルスケアセクターは、今後さらに伸びる可能性も考えられましたが、1ヶ月間、3ヶ月間のパフォーマンスを見てみると悪化しています。

これは、コロナパンデミックという特異な状況から発生していると考えられます。

2021年に入って停滞気味だった同セクターですが、新型コロナウイルスワクチン拡大などに伴って、ワクチン普及に勤めているモデルナ社やファイザー社などを中心として6月ごろから再び上昇を続けています。

そのため、すでに同セクターは買われ過ぎているという見方ができます。

テーパリングに備えてヘルスケアセクターに投資しようと考えた場合、高値掴みしてしまう可能性があるかもしれません。

まとめ

本記事では、テーパリングが近づきつつある中でどのセクターへの投資をすべきかについて見ていきました。

テーパリングで景気が一時後退することが考えられます。

実際に、不況に強いと考えられる金融セクターなどは少しずつ買いが加速していることがわかります。

これからは、また少し米国市場の状況が変わると考えて、柔軟な投資をしていくことが重要です。

一方で、今年に入って以降、たびたび緩和縮小について話題に上がるなど、多くの人々は常に緩和縮小のタイミングを伺いながら投資をしてきたと考えられます。

そのため、緩和縮小に伴う市場への影響は想定よりも小さなものに収まるとの見方もあります。

さまざまな考えがあると思いますが、早ければ来月には発表されるだろう緩和縮小の開始時期に備えて投資戦略を考えておくことが重要です。

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