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【米国株決算】ヒューレット・パッカードの2021年第3四半期決算と今後の株価の推移

出典:Getty Images

ヒューレット・パッカード・カンパニー(NYSE:HPQ)は、HPの名称で知られる米国大手のコンピュータ・IT企業です。

HPの分社化によりエンタープライズ事業を切り離し、主にPC・プリンター事業に特化しています。

特に同社のPC事業は売上高の7割以上を有しており、事業者及びコンシューマーの両方において世界でもトップレベルのシェアを誇っているのが特徴です。

PC事業では、ノート型PC、デスクトップ型PC、ワークステーションPCの開発、製造、販売を行っています。

近年においては、新型コロナウイルスのパンデミックにより、それぞれのPCの需要に変化が訪れていますが、同社の販売するハードウェアの需要は高まっています。

本記事では、HPの2021年第3四半期の決算情報と今後の株価の推移について確認します。

株価について

決算発表直前となる8月26日の始値は29.60ドルで、終値は29.10ドルとなっていました。

同社の株価は2000年頃に大きく高騰し、30ドルほどを記録しています。

その後長年にわたり大きく増減を繰り返し、6ドルから25ドルほどを推移しています。

2018年に25ドル程の株価を記録後、下落傾向にあり、2020年1月には15ドル程まで下落しています。

これは新型コロナウイルスのパンデミックによる経済的影響と思われますが、その後同社の展開するハードウェアの需要が増したことにより、業績への追い風となり株価の上昇へと繋がります。

2021年4月に34ドルの高値を記録し、現在は30ドル前後の株価で推移しています。

同社のこれまでの配当実績について確認します。日付は権利落ち日となっています。

  • 2021年9月7日…配当:0.1938ドル(配当利回り:2.68%)
  • 2021年6月8日…配当:0.1938ドル(配当利回り:2.66%)
  • 2021年3月9日…配当:0.1938ドル(配当利回り:2.40%)
  • 2020年12月8日…配当:0.1938ドル(配当利回り:2.99%)
  • 2020年9月8日…配当:0.1762ドル(配当利回り:3.33%)

近年の傾向として、配当利回りは2%半ばで推移しているのが分かります。

以前は3%を超え、配当銘柄として魅力があるのが特徴でしたが、昨年12月の増配を差し置いて株価が上昇しているため、昨年以前のような魅力は感じないかもしれません。

配当性向は12%で、2011年より毎年増配を続けているため、今後の増配が期待されます。

最新決算情報

2021年第3四半期の決算情報について確認します。

  • 純売上高…152.89億ドル(前年同期比7%増)
  • 営業利益…13.26億ドル(前年同期比77%増)
  • 純利益…11.08億ドル(前年同期比51%増)
  • 希薄化後EPS…0.92ドル(前年同期比77%増)

アナリストらによる事前予想では、158.70億ドルでしたので、純売上高は予想を下回る結果となりました。

また、アナリストによるnon-GAAPベースのEPSの事前予想では0.84ドルで、予想を上回る結果となりました。

同社は前四半期の純売上高において、同四半期ベースで27.3%増の成長を成し遂げていましたが、これは近年において突出した傾向であり、当四半期における同四半期ベースの7%の成長は、平年と同程度の水準になります。

売上高の予想額は前四半期の勢いによるものもあるかもしれませんが、鈍化と言うよりは、以前の水準に戻ったとも考えられそうです。

続いて同社の決算情報について、詳細を確認します。

同社のセグメント別の売上高は以下の通りです。

パーソナルシステム・セグメント…104.06億ドル(前年同期から増減なし)

  • ノートパソコン…73.28億ドル(前年同期から増減なし)
  • デスクトップ…22.46億ドル(前年同期比1%増)
  • ワークステーション…3.88億ドル(前年同期比9%減)
  • その他…4.44億ドル(前年同期比9%増)

プリンター・セグメント…48.82億ドル(前年同期比24%増)

  • サプライ…30.92億ドル(前年同期比20%増)
  • 商業向けハードウェア…10.70億ドル(前年同期比46%増)
  • 個人向けハードウェア…7.20億ドル(前年同期比15%増)

PC本体などの販売となる、パーソナルシステム・セグメントでは、前年からほとんど変化がないことが伺えます。

細かな傾向として、ワークステーションの収益が減少しており、オフィスなどから、人が離れている影響とも考えられますが、後述のプリンター・セグメントで商業向けの製品が大きく増加していることを考えると、需要の変化が起きている可能性も考えられます。

プリンター・セグメントでは、前年同期から24%と大きく増加しており、当四半期の成長は同セグメントによる収益が大きく影響してそうです。

特に商業向けの製品が大きく増加していますが、以前のリモートワークの推進から一転して、オフィスに人々が戻りつつあることが考えられます。

地域別の売上高の割合は以下の通りです。

  • アメリカ州…46%(売上高:前年同期比12%増)
  • EMEA(ヨーロッパ・アフリカ)…33%(売上高:前年同期比6%増)
  • アジア・太平洋地域…21%(売上高:前年同期比2%減)

全体の収益における地域別の割合として、アメリカ州46%、EMEA33%、アジア・太平洋地域21%となります。

全体的な傾向としては、アメリカでの人気が根強く、アジア・太平洋地域では、中国などの市場を踏まえると低いように感じます。

同社のコンピュータは世界市場シェアが非常に大きいですが、同様にシェアが大きい企業として中国のレノボが挙げられます。

発表を受けて

2021年第3四半期決算では、売上高が予想を下回るものの、堅調な決算結果となりました。

特にプリンター・セグメントにおける収益の増加が目まぐるしく、このコロナ下において以前とはまた違った需要の変化が見て取れます。

同社は26日の米国市場取引終了後に決算発表を行いましたが、発表後の株価は時間外取引で5%以上と大きく下落しています。

下落した要因として、売上高が予想を下回る結果となったことや、他の好材料が挙げられないことが考えられます。

特に同社の主軸である、コンピュータの売上が横ばいであることが、投資家にとって大きな懸念となっているのではないでしょうか。

以前はコロナ下による巣ごもり需要の追い風がありましたが、この状況においても時間が経ったことから需要の変化が起きていると考えられます。

しかし、収益は増加しており、成長率も平年と同程度で以前の急成長があったことを考えると、同社の力強さを感じられる結果と言えるのではないでしょうか。

今後においては、コロナ下の時間経過による需要の変化を慎重に追っていく事が必要そうです。

同社のコンピュータの需要において、リモート化が進むのか、若しくはオフィスに人々が戻るのか、いずれの変化が起きると思われますが、同社がその需要にどのように対応していくかが注目されます。

また、投資家にとっては配当の増配も大きな注目ポイントの一つではないでしょうか。

以前のような魅力のある配当銘柄になる可能性も期待されます。

参考:

HP Inc. Reports Fiscal 2021 Third Quarter Results

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