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「メタバース」とは?フェイスブックが示唆する未来社会

出典:Getty Images

フェイスブック(NASDAQ:FB)CEOマーク・ザッカーバーグ氏が7月の四半期決算発表の際に「フェイスブックをメタバース企業にする」と発言し、今後のフェイスブックの経営戦略についての展望に言及しました。

今回のメタバース発言が意図することは、フェイスブック自体がSNSを運用する会社から本気で脱却することを目指していることの宣言ですが、最近、この「メタバース」という言葉が本格的にメディアに登場する機会が増えています。

そもそもメタバースとは、3次元の仮想空間の中でユーザー同士が交流することの出来る世界を概念的に表した言葉です。

仮想空間の中ではゲームをする人だけでなく、ビジネスの交流も盛んになり、今後仮想空間ならではの新しいサービスが誕生することが期待されています。

すでにフェイスブックはメタバースのバーチャル会議室「Horizon Workrooms」のオープンデータ版を8月19日に一般公開しており、これはフェイスブック傘下のOculusが昨年発表した「Oculus Quest2」を使用することで誰もが利用する事が可能です。

このサービスを使えば自分の分身がアバターとなり、アバター同士で1つのスペースに集まり一緒に仕事をすることが出来ます。

さらにMR(複合現実)技術によって、キーボードを会議室に持ち込んで、メタバース上で入力することも可能です。

自分のデスクをメタバースに持ち込むことが出来るため、メタバース上で資料を他のユーザーと共有することも出来ます(現状は端末に限りアリ)。

昨年のコロナ禍からリモートワークが一気に進みましたが、その中で課題として多くの企業が感じたであろうリモートならではの「一体感の欠如」、こうした問題をメタバース化によってクリア出来るかもしれません。

近未来ではオフィスにいるのと変わらない感覚で、メタバース上で同じ部屋に集まり、同じアイデアを共有し、現場ならではのライブ感を持ちながらアイデアを膨らませることが当たり前になるかもしれないのです。

現在、こうしたメタバースの概念を最も体現しているのが、ロブロックスなどのゲームと言われており、ゲーム上でユーザーが仮想体験しているようなソーシャルな体験が更に進んでいく未来こそメタバース化した社会かもしれません。

ビックテック企業も続々参入

現在、フェイスブック以外の米ビックテック企業(アマゾン、アップル、グーグル、マイクロソフト)もメタバース事業へ続々と参入を続けています。

アマゾン(NASDAQ:AMZN)には音声対話型AI「アレクサ」やスマートスピーカー「エコー」がありますが、特にアレクサはユーザーとメタバースの補助的な役割を担うのではないかと期待されています。

またクラウドサービスである「AWS」はメタバースが進化していく上で大きな役割を担う可能性が高く、アマゾンの競争優位性は更に加速するかもしれません。

アップル(NASDAQ:AAPL)はメタバースについて具体的なプロダクトを発表してはいませんが、CEOのティムクックはたびたび「拡張現実」について熱く語っています。

既にMacBookやiPhone、iPadなどのデバイスが世界中に広がり多くのユーザーを抱えていることから、メタバースに特化したサービスのローンチを実施しやすいこともアップルに有利に働くと考えられます。

なぜならアップルはアプリを通じた「App Store」というアプリ配信のプラットフォームを持っており、メタバースの進化はアップルの「App Store経済圏の拡大」へと繋がって行くことが今後予想されるからです。

アルファベット(NASDAQ:GOOGL)は世界で最も普及しているスマホ向けの基本OSであるアンドロイドを握っており、メタバース化した社会でも勝ち組企業となる可能性が高いです。

最近ではフィットビットというスマートウォッチメーカーやネストというスマートホームデバイスなど、ソフトウェアだけでなくより物理的な事業にも乗り出しており、これらの事業から新しいサービス事業が将来生まれていくことは、経済サイクルとしても自然な流れではないでしょうか。

マイクロソフト(NASDAQ:MSFT)のCEOサティア・ナデラは、2021年の第1四半期決算の発表の場においてバーチャルと現実の2つの世界の融合はビジネスチャンスだと語りました。

マイクロソフトには天才プログラマーであるキップマンが開発した「ホロレンズ」というMR技術を提供するデバイスが既にあり、医療や製造現場で活用されています。

また現在はホロレンズ2を使って「Micrsoft Mesh」というサービスを限定的に無料プレビューとして利用できます。

マイクロソフト独自のホログラムベースのメタバースプラットフォームの提供の実現まで、あと少しという段階まで来ているようです。

ゲームがメタバース化している

ゲームの世界のメタバース化が進んでいます。

実際、「ゲームをゲーム以外で利用すること」が当たり前になってきました。

例えばゲーム内での企業広告PRや音楽イベントの実施、友達同士が集まることも全部ゲーム内で出来るようになりました。

具体的なゲーム名としては「あつまれ どうぶつの森」、「フォートナイト」、「ROBLOX」、「マインクラフト」などが代表的です。

そしてゲームはシナリオのない物語が生まれる「舞台装置」としての機能を果たしています。

もはやインフラと同じようにゲームも世界中のユーザーにとって生活基盤となりつつありますが、今後の課題として挙げられるのが一定の「ルール作り」です。

特に政治がゲームの世界に接続されたことで、否応なしに思想の対立がゲームの世界にも持ち込まれるようになっています。

今後は1つの国の憲法のように、ゲームの世界にも何らかの新たな秩序が求められていく流れが加速するはずです。

注目のメタバース企業はゲームコンテンツから誕生する

注目したいメタバース企業として、GAFAMなどの米ビックテック企業やゲーム企業が名を連ねるのは自然な流れです。

実際ゲーム産業は全世界で1,521億ドルという市場規模まで成長しており、これは映画産業の500億ドル、音楽産業の340億ドルと比較しても、ゲーム産業こそ市場規模の1番大きいエンタテイメントなのです。

そしてスマホの登場により、デバイスに依存しないでゲームをプレイできる環境が整ったことで、ハードからソフトへとプラットフォームが移行しています。

世界規模で競争が激化し、日々新しい企業がゲームビジネスに参入しているからこそ、コンテンツが新たなコンテンツを生み続けています。

最近ではネットフリックスがゲームビジネスへの参入を表明しましたが、ネットフリックスの競合はディズニープラスでもプライムビデオでもなく「フォートナイト」と言われています。

なぜならネットフリックスのユーザー数は2020年末に2億人を突破しましたが、フォートナイトのユーザー数は既に3億5千万人を超えています。

たった1本のゲームがネットフリックスよりも多くのユーザーを抱えているのです。

これはいかにゲームという増殖型のコンテンツが柔軟性があり人々を惹きつけているのか、そして可処分時間を他のコンテンツから奪っているのかが分かるかと思います。

そしてこの心地良さや没入感こそ、メタバースの発展に欠かせない要素となるはずです。

なぜなら人間の喜怒哀楽は今も昔も変わらないため、人間にとってより快適で便利でエキサイトする空間、そういった方向にメタバースは進むのだと筆者は考えます。

フェイスブックが表明したメタバースもこうした大きな方向性の中にあり、より便利な社会になればなるほど「人間らしさ」が最後に残るのだと思います。

10年後、20年後にどんな社会が到来するのか、メタバースが示唆する未来社会の到来が楽しみで仕方ありません。

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