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【注目米国株】第2四半期決算発表後暴落したアマゾンと伸び悩むGAFAM各社の今後

出典:Getty Images

世界的な影響力を持つ米国のIT大手であるGAFAM5社の2021年4月-6月期決算が出そろいました。

新型コロナウイルスワクチン拡大によって人々の生活が以前の活気を取り戻しつつありますが、パンデミック下での巣ごもり需要の解消や半導体不足などといった様々な要因から、株価が伸び悩んでいる企業が少なくありません。

特に、アマゾン(NASDAQ:AMZN)は7月29日発表の決算を受けて株価が8%もの下落を見せるなどの大荒れとなっています。

これらの企業は上場以来大きな成長を続けてきており、昨年度のコロナパンデミック下においても株価は堅調に推移しています。

しかし、パンデミックから回復しつつある中で、今後、各企業とも新たな局面を迎えていくのではないでしょうか。

本記事では、今一度、GAFAMに関してその事業内容などを比較して、各企業の今後について考えていきます。

アマゾンの株価が下落した原因

アマゾンの株価が下落した原因としては、11カ月ぶりに同社売上高がアナリストらによる市場予想を下回り、成長が鈍化に回ったことがあげられます。

同売上高は1,130.80億ドルとなっており、前年同期比で27%の成長を記録しました。

しかし、前四半期の売上高を見てみると、前年同期比で44%の成長となっているほか、今回の決算に対するアナリストらによる市場予想は1,154.2億ドルとなっており、約2%下回っています。

特に、売上高の約半分の割合を占めているオンランストアの売上に注目すると、前年同期比16%増となっているため、前四半期の前年同期比44%増と比較すると成長の鈍化が著しい結果となりました。

新型コロナウイルスワクチン拡大により、人々の外出頻度が上がったことが原因と考えられます。

この傾向は第3四半期にかけて加速することが予想され、営業利益の大幅な減少が見込まれると発表されました。

フェイスブックの株価が下落した原因

フェイスブック(NASDAQ:FB)の株価が下落した原因としては、来期以降の業績が伸び悩むだろうとの発表があったことがあげられます。

同社の最新決算の内容はいたって好調でした。

しかし、来期以降さらに人々の移動が拡大することや、アップルがiPhoneを利用したデータ収集に関して制限を強めたことから売上高のほぼ99%を占める広告収入が減少することが予想されています。

そのため、来期以降も前年同期比での成長は見込まれるが、その成長率は大きく鈍化するだろうとのコメントが残されました。

アップルの株価が下落した原因

アップル(NASDAQ:AAPL)の株価が下落した原因としては、来期以降の半導体不足の影響への懸念があげられます。

2021年に入ってから半導体不足が騒がれる中で、同社は上半期の間は大きな影響を受けずに済んでいましたが、下半期には大幅な出荷量の減少が見込まれています。

このために、来期売上高の前年同期比での成長率は、最新決算での36%を下回るとされています。

各企業の比較

続いて、株価が大きく下落した企業とそうでない企業について比較していきます。

まず、各社とも事業内容は多岐にわたっていますが、主要な収入源で2グループに分類します。

一つめは、グーグル、アマゾン、フェイスブックのグループです。

二つめは、アップルとマイクロソフトのグループです

まず、一つめのグループについてみていきます。

それぞれ、主な収入源としてグーグルとフェイスブックでは広告料となっています。

アマゾンは自社ブランドのIT機器販売やクラウドコンピューティング事業など非常に多くの事業を行っていますが、オンラインストアを中心とした小売事業が収入の中心となっています。

そのため、パンデミック下でインターネットを利用する時間が増加するとともに、大きく売上を伸ばすことに成功しました。

しかし、裏を返せば、売上が人々のインターネットの利用量と大きく結びついているため、パンデミックから回復し、人々がインターネットにかける時間が減少していくにつれて、売上も減少していくと考えることができます。

そのため、アマゾンとフェイスブックは、業績の成長率が減少していくということから、株価が下がりました。

一方で、グーグルは株価が上昇しています。

この差については、フェイスブックと比較すると、事業の多様さに由来していると考えられます。

フェイスブックがほとんど広告料一本なのに対し、グーグルは、クラウドコンピューティング事業などにも力を入れています。

そのため、両社を比較したときに、広告料が減少することによる売上高全体への影響はグーグルでは限定的となると考えられます。

また、クラウドコンピューティング事業の将来性という側面でもグーグルは優れています。

クラウドコンピューティング事業は、現在、アマゾンとマイクロソフトの2社でほとんどのシェアを占めていますが、まだまだ発展の余地がある新興分野の一つです。

フェイスブックも現状の広告料に絞った売上ではいつか頭打ちとなることが予想されるため、第2の柱となる事業が求められていると言えるかもしれません。

続いて、二つめのグループについてみていきます。

このグループでは、アップルはiPhoneなどのプロダクト売上、マイクロソフトではOffice365をはじめとしたソフトウェアやXbox、Surfaceなどのインターネット機器という風に、自社ブランド製品の売上が多くを占めています。

そして、両社とも世界的ブランドとして大きなシェアを誇っているため、人々の外出が拡大したからと言って、大きく需要が減少するわけでもありません。

加えて、自社製品に対するサポートを充実させることで、2次的にサービス料の収入を拡大させられる強みもあります。

しかし、現在、世界的な半導体不足が発生してしまったために、製造量を減少せざるを得ず、売上高への影響が出ています。

ここで、アップルとマイクロソフトを比較したときに、その違いとしては事業全体におけるプロダクト売上の割合が関係してきます。

アップルでは約80%がプロダクト売上、残りがサービス売上となっているのに対し、マイクロソフトではハードウェアによるプロダクト売上は全体の約3分の1となっています。

Office365などのソフトウェアは半導体不足による制限を直接受けず、さらに、同社はクラウドコンピューティング事業も売上の約3分の1を占めています。

そのため、半導体不足による供給量の制限も、アップルと比較して小さくなると言えるでしょう。

特に、クラウドコンピューティング事業ではアマゾンとシェアを二分しており、多様な分野で安定した収入を確保していると言えます。

各企業の今後

以上のように、グーグルやマイクロソフトでは、他社に比べて現在起こっている売上へのマイナス要因の働きが小さいと考えられます。

しかし、今後、人々の活動がより活発になり、また、半導体不足が深刻化してくる中で、そう遠くないうちにはっきりと影響が出てくるのではないかと思われます。

また、より長期的な目線に立って考えた時、果たして、これらの企業が今後どれほど長く残っていくのか考える必要もあると言えるのではないでしょうか。

現在は圧倒的な規模を誇っているGAFAMですが、決して古くからある企業というわけではありません。

インターネットの普及に伴って頭角を現してきた企業は、インターネットの次のイノベーションの波とともに現れる新興企業によって現在の地位を追われるかもしれません。

例えば、現在アメリカではバイデン大統領による独占禁止法に伴う規制強化の動きが進んでいます。

そのため、GAFAMに代表されるような大企業は、成長戦略としての企業買収などを行いづらい状況にある、もしくは、今後一層その様な状況になっていく、と言えるでしょう。

圧倒的な安定感を感じさせるGAFAMですが、パンデミックという一つの節目を抜けつつある今、長期的にみると、今後も盤石な地位を持ち続けていくとは限らないのではないでしょうか。

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