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7月新規上場の注目株。外国語学習アプリの「デュオリンゴ」を全解剖

出典:Getty Images

今回は7月28日にナスダックに上場したIPO銘柄デュオリンゴについて解説していきます。

デュオリンゴは外国語学習アプリサービスとして世界中で約5億人のユーザーが使用しているグローバル会社です。

創業は2011年、ペンシルバニア州ピッツバーグでコンピューターサイエンスの博士号を持つルイス・フォン・アンとセベリン・ハッカーの2人によって誕生しました。

創業のきっかけは元々教育コンテンツのビジネスに興味を持っていたことに加えて「世界には外国語の学習をする人が18億人も存在し、外国語を習得すると年収もアップする」という共通項が世界中にあることに創業者の2人は注目しました。

つまり外国語を習得すると一つの国や言語圏に縛られる事なく働くチャンスを得られるというわけです。

またデュオリンゴのミッションは「最良の教育を世界中の人々に届け、普遍化させること」です。

その為、貧富に関係なくスマホ上で最高の教育プラットフォームを提供し続けており、デュオリンゴの企業の本質としては教育を軸としたプラットフォームを提供するテクノロジー企業です。

デュオリンゴのビジネス展開

「デュオリンゴしよう」といえば言語学習アプリと認識されるほど企業名が浸透しており、これはグーグルの「ググる」と同じように企業名が代名詞化していることは大きな強みです。なぜなら

特にインターネットの世界では「ウィナー・テイクス・オール」と言って、ビジネス上の勝者総取りの現象が顕著に現れるからです。その点、デュオリンゴは他社を圧倒しています。

現在、デュオリンゴの総ダウンロード数は5億回を超えており、月間のアクティブユーザーは約4,000万人、プレミアム版ユーザーは約180万人です。

約5%近くのユーザーが課金をしてデュオリンゴを利用していることになります。

ビジネスモデルとしてはフリーミアムモデルと広告料を組み合わせています。

つまり、無料版で様々な試行錯誤を繰り返し、そこで得た知見をプレミアム版(サブスクリプション)にフィードバックしている事が伺えます。

現在、総売上高に占める約73%がサブスクリプションからの収益です。また粗利益は72%と高い収益率を上げています。

デュオリンゴは言語学習サービスに留まらず、2016年には「デュオリンゴ・イングリッシュ・テスト」というオンライン上で行う英語テストも実施しています。

このテストは現在までにスタンフォード大学やイェール大学、コロンビア大学など米国のトップ大学の多くでも採用されており、米国へ留学志望の方にとっては馴染みのあるサービスとして浸透しつつあります。

デュオリンゴのここが面白い

2013年度のApple社が選ぶベストアプリにデュオリンゴは選ばれました。

冒頭でデュオリンゴの本質はテクノロジー企業と言いましたが、学習ペースもユーザーから集めたデータを科学的に分析しているので、ユーザーとしても継続学習がしやすい環境設計となっています。

実際に使用してみると1日5分からゲーム感覚で学習ができることに加えて、リーディングとリスニングの問題が交互にやってくるのでほとんど飽きる事がありません。

またリーグ形式のランキングがゲームに近い感覚でハマるユーザーも多いはずです。

ちなみにこのリーグの階層は10段階に分かれており、1番上のダイヤモンドから1番下のブロンズまであり、ランキングの参加者の国籍や学んでいる言語もバラバラであることに加えて、ランキングは1週間(月~日)の入れ替え制です。

レッスンをするごとにポイントが加算されてランキングも目まぐるしく変動するので、隙間時間にデュオリンゴでレッスンしたくなる、そんな魅力があるのです。

筆者自身もデュオリンゴとランキングシステムにハマっています。

ゲーム性とデュオリンゴのアルゴリズムによって、間違えた問題の復習も楽しく学習できる設計が素晴らしいと思います。

場合によってはマンツーマンレッスン以上の体験が出来ると感じるユーザーも多いでしょう。

デュオリンゴの将来性

デュオリンゴの2020年度の売上高は1.61億ドルでした、その中でサブスクリプションの売上高は1.18億ドルとなり、粗利益は1.16億ドルでした。

デュオリンゴが狙う言語学習アプリ市場は世界で約6兆1,000億円という巨大マーケットです。

今後、世界人口が増加することとインドやアフリカなどの国々がさらに経済的に豊かになると、必然的に言語を学ぶ人が増加するはずです。

その点、デュオリンゴはAppleとGoogleのアプリにおいて言語学習のダウンロード数1位であるため、今後さらに売上高も成長していくことが予想されます。

デュオリンゴがいかに期待されているのか、それは出資しているVC(ベンチャー・キャピタル)の顔ぶれを調べると、NewView Capital、Union Square Venture、KPCB、General Atlanticという名門会社が株式の5%以上を保有しており、これも個人投資家にとって安心感を与える好材料と言えるでしょう。

おわりに 良いストーリーと四半期決算

デュオリンゴが優れているのは様々な言語が学べる多様性です。

現在、日本語版では英語、中国語、韓国語、フランス語の4種類の言語を学ぶ事ができます。

デュオリンゴ全体では28言語の話者に対して94言語の学習コースが用意されており、初めての言語学習だけでなく、ある程度言語に精通したバイリンガルが新たな言語習得に向けてトリリンガルを目指す場合、外国語で外国語を学ぶ場合など、様々な状況に応じて役に立つはずです。

ネット環境さえあれば全ての人にチャンスがあり、貧富の差が教育格差に繋がらない社会を目指すデュオリンゴのミッションには多くの人が共感するのではないでしょうか。

ただし、今年注目のIPOであり良いストーリーを持つ企業だからこそ、投資家として大事なことは四半期決算でしっかりとデュオリンゴがアナリスト予想を超えていけるのかという点です。

好決算を出し続けられる会社であれば、将来のテンバガー候補として「デュオリンゴ」はさらに世界中の投資家から注目が注がれるようになると思います。

免責事項と開示事項 記事の作者、鈴木林太郎は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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