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【米国株決算】アッヴィの2021年第2四半期決算と今後の株価の推移

出典:Getty Images

アッヴィ(NYSE:ABBV)はアメリカに本社を置く、各種医薬品の研究・開発・製造・販売を行うバイオ医薬品メーカーです。

2013年にアメリカの製薬会社であるアボット・ラボラトリーズから新薬事業が分社化する形で設立されました。

同社の製品は、リウマチや消火器系、皮膚などの慢性自己免疫疾患、C型肝炎ウイルス(HCV)とヒト免疫不全ウイルス(HIV)を含むウイルス感染症、血液癌を含む腫瘍、パーキンソン病やうつ病等の精神・神経疾患、並びに他の健康状態の治療に使われています。

主要な製品であるHUMIRA(アダリムマブ)は、世界80カ国で約37万人の患者さんに投与されている関節リウマチ治療薬です。

本記事ではアッヴィの最新決算情報である2020年第2四半期決算の情報と今後の株価の推移について見ていきます。

決算発表前における株価の推移

決算発表前である7月29日の始値は119.03ドルとなっており、午前中には118.03ドル付近まで下落しましたが、午後からは上昇し、終値は118.87ドルほぼ横ばいとなりました。

同社株価は2013年頃から上昇を続け、2018年1月頃に125.86ドルを付けましたが、その後は下落トレンドへ転換し、2019年8月頃には65ドル前後まで最高値から5割程度下落しました。

その後、再び上昇トレンドへ転換し、コロナショック直前では94ドル前後まで上昇しましたが、コロナショックの影響で2019年8月頃と同水準まで下落しました。

その後は2020年7月にかけて上昇し、100ドル前後の水準にまで回復しました。

しかし、その後は下落し10月末には80ドル付近まで値を落としました。

11月に入り急激に値を戻し、103ドルから110ドルの間で推移しました。

2021年4月から上昇傾向にあり、現在は118ドル前後で推移しています。

同社はS&P500の構成銘柄の一つであり、執筆時点における同社時価総額は2,054.12億となっています。

ここで同社の配当利回りについて見ていきます。

日付は権利落ち日を記しています。

  • 2021年07月14日…配当:1.3ドル(配当利回り:4.37%)
  • 2021年04月14日…配当:1.3ドル(配当利回り:4.50%)
  • 2021年01月14日…配当:1.3ドル(配当利回り:4.79%)
  • 2020年10月14日…配当:1.18ドル(配当利回り:5.86%)
  • 2020年07月14日…配当:1.18ドル(配当利回り:5.14%)

同社はアボット・ラボラトリーズ社から分社化された会社で、前身のアボット・ラボラトリーズ社から現在まで48年連続増配を続けており、2019年から配当利回りは5%前後をキープしています。

また2021年1月から1.3ドルと約10%の増配となるなど、非常に配当が魅力的な銘柄となっています。

最新決算情報について

概要

2021年第2四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 純売上高…139.59億ドル(前年同期比+19%)
  • 営業利益…44.41億ドル(前年同期比+490%)
  • 同社に帰属する純利益(GAAP)…7.66億ドル(前年同期比+15.04億ドル)
  • 同社に帰属する純利益(non-GAAP)…55.56億ドル(前年同期比+43%)
  • 希薄化後一株当たり純利益…0.42ドル(前年同期比+0.88ドル)
  • 調整済希薄化後一株当たり純利益…3.11ドル(前値同期比+33%)

この決算情報を発表するにあたって同社が発表したコメントは以下の通りです。

アッヴィは当四半期も好調で、当社の事業はポートフォリオ全体で非常に好調を維持しており、アッヴィの新しい免疫学関連資産は当四半期に合計で10億ドル以上の売上に貢献しました。

アラガン社との統合も非常に順調に進んでおり、神経科学分野と美容分野の両方のポートフォリオが2桁の連続成長を遂げています。

当社の事業の勢いに基づき、2021年通期のEPSガイダンスを引き上げ、アッヴィは長期的に非常に有利な立場にあると考えています。

詳細

以下はセグメント別純売上高の推移です。

  • 総売上高…139.59億ドル(前年同期比+19%)
  • 免疫セグメント…61.20億ドル(前年同期比+13.8%)
  • 血液腫瘍セグメント…18.16億ドル(前年同期比+13.2%)
  • 美容セグメント…14.34億ドル(前年同期比-)
  • 神経科学セグメント…14.59億ドル(前年同期比+29.6%)
  • アイケアセグメント…9.19億ドル(前年同期比+24.1%)
  • 婦人医療セグメント…1.91億ドル(前年同期比▲17%)
  • その他…13.80億ドル(前年同期比+9.7%)

免疫セグメントのHUMIRA(アダリムマブ)の売上高は、前年同期比で3.6%増加した50.68憶ドルとなりました。

米国では42.57億ドルとなりましたが、海外ではバイオシミラーの競合により前年同期比で12.6%ほど減少した8.11億ドルとなりました。

血液腫瘍セグメントのイムブルビカの売上高は前年同期から7.2%増加した13.81億ドルとなり、米国内では10.99億ドルで海外では2.82億ドルとなりました。

Venclexta(慢性リンパ性白血病治療薬)は、前年同期比で38.3%も増加した4.35億ドルとなっています。

神経科学セグメントのVraylar(統合失調症治療薬)は前年同期比で25.8%増加した4.32億ドルとなり、片頭痛治療薬であるUbrelvy(ウヴロゲパント)の売上高は1.26億ドルとなっています。

また、その他のセグメントは、C型肝炎治療薬のMavyret、膵消化酵素補充剤のCreon、便秘型過敏性腸症候群(IBS-C)の薬であるLinzess/Constella、甲状腺機能低下症の薬であるSynthroidで構成されています。

決算発表後における株価の推移

決算発表後にあたる7月30日における同社株価の始値は119ドルとなりました。

取引が開始してすぐに117ドルまで下落し、午前中に一度117ドルを割り込みました。

その後一時は値を戻しましたが、再び下落し、終値は116.30ドルとなりました。

同社は予想を上回る優れた業績ではありましたが、株価が下落した要因として2021年通年見通しを下方修正したことがあげられます。

増収増益を達成し、非常に好調な数字を出しましたが、通年見通しだけは良くないものでした。

GAAPベースの希薄化後EPSを7.27ドルから7.47ドルの従来の数字から6.04ドルから6.14ドルに下方修正しました。

ただ、調整後の希薄化後EPSは12.37ドルから12.57ドルの従来の数字から12.52ドルから12.62ドルへと引き上げました。

アメリカにおける大ヒット免疫抑制剤「ヒュミラ」売上高がバイオシミラー医薬品の競合により減少し、さらに6つのバイオシミラー医薬品が2023年の米国発売に向けて規制当局に承認されたことにより、同社にとって脅威となっています。

ヒュミラは現在同社収益の4割を占めており、同製品の競争激化は同社の収益に大きな影響を与えることになります。

アラガンの買収が完了し、同社のポートフォリオが強化され、特に美容部門では14億ドルの売上を達成しました。

ヒュミラの低迷を補うことを期待されていた関節リウマチ治療薬Rinvoqの売上高は、数ヶ月における規制の影響もあり3.78億ドルに留まりました。

主力製品であるヒュミラの限界が見え始めてきた中で、他のセグメントの成長がまだ追いついていないことが懸念されます。

まだアメリカ国内では優位性を保っているものの安心はできません。

競争が激しくなり、ヒュミラの売上高が低迷するに従い株価が大きく変動することが十分に予想できます。

打開するにはさらなる一手が必要なのかもしれません。

参照元:

AbbVie Reports Second-Quarter 2021 Financial Results

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