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【米国株決算】マスターカードの最新決算情報と今後の株価の推移

出典:Getty Images

マスターカード(NYSE:MA)は、アメリカの大手クレジットカード決済サービス企業です。

同社は直接的にサービスの提供は行わず、同社から権利を得たものがMastercardブランドのクレジットカードの発行や加盟店に関する業務を行っています。

本記事ではマスターカードが発表した最新決算である2021年第2四半期決算の情報と今後の株価の推移について見ていきます。

決算発表前における株価等のデータ

決算発表前日である7月28日における同社株価の始値は391.62ドル、終値は383.44ドルとなっており、約2%の下落となっています。

同社株価は上場以来上昇を続けており、コロナショック直前における高値は340ドル強となっていました。

コロナショックによる影響により同社株価は一時200ドル前後まで下落し、その後は緩やかに回復し、8月末頃にコロナショック直前の株価を更新しました。

以降は横ばいでの推移をしていましたが、2021年3月以降上昇傾向にあり360ドル-380ドルのレンジでの推移となっています。

マスターカードはS&P500の構成銘柄の一つであり、執筆時点での同社時価総額は3,872.82億ドルとなっています。

続いて同社の配当実績について見ていきます。なお日付は権利落ち日を記しています。

  • 2021/07/08…配当:0.44ドル(配当利回り:0.45%)
  • 2021/04/08…配当:0.44ドル(配当利回り:0.48%)
  • 2021/01/07…配当:0.44ドル(配当利回り:0.52%)
  • 2020/10/08…配当:0.4ドル(配当利回り:0.47%)
  • 2020/07/08…配当:0.4ドル(配当利回り:0.49%)

同社は株式配当を実施しているものの、その配当利回りは0.5%前後となっており、S&P500の平均配当利回りを大きく下回っています。

ただコロナ禍にありながらも、増配を行っている点は評価できると言えるでしょう。

最新決算情報について

概要

2021年第2四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 純売上高…45.28億ドル(前年同期比35.7%増)
  • 営業利益…23.41億ドル(前年同期比37.1%増)
  • 純利益…20.66億ドル(前年同期比45.4%増)
  • 希薄化後EPS…2.08ドル(前年同期比47.5%増)

アナリストらによる同社業績の事前予想では、売上高が43.6億ドル、non-GAAPベースでのEPSが1.74ドルとなっていました。

同社の実際の業績では、売上高は45.3億ドル、non-GAAPベースでのEPSが1.95ドルとなっていましたので、アナリストらによる事前予想を上回っていることが分かります。

全体的に、前年同期比で大幅な成長となっていますが、前年同期はパンデミックの影響から売上高などが落ち込み始めていたことを考慮に入れる必要があると思われます。

同社CEOが決算短信で発表したコメントは以下の通りです。

当四半期は、営業戦略の実行と米国内外の消費の継続的な回復に支えられ、堅調な増収増益を達成しました。

一方で、海外旅行はまだ回復の初期段階にあり、さらなるアップサイドの可能性を秘めています。

私たちは、事業の多様化と長期的な持続的成長のための投資に引き続き注力しています。

今回のEkata社の買収が完了したことで、当社のデジタル・アイデンティティ能力とお客様に提供する価値が向上したことを嬉しく思います。

Ekata社は、新規口座開設、即時発行、取引リスクチェックなど、複数の決済・非決済のユースケースをサポートし、大手デジタル商業機関、金融機関、旅行会社、デジタル通貨プラットフォームなど、幅広い顧客に利用されています。

また、同社は先日、ブロックチェーンを利用したNFT(非代替トークン)市場の活性化などを背景として、暗号通貨を取り扱う企業のサポートに特化したマスターカード・スタート・パス・プログラムを発表しました。

今後は同分野に関わる7つスタートアップ企業とともにデジタル資産分野に関わっていくことになります。

詳細

続いて同社の2021年第2四半期決算をセグメント別に見ていきます。

まずは地域別での決済総額(GDV)について見ていきます。

  • APMEA…5,270億ドル(前年同期比0%増)
  • カナダ…540億ドル(前年同期比4%増)
  • ヨーロッパ…5,940億ドル(前年同期比7%増)
  • ラテンアメリカ…1,110億ドル(前年同期比3%増)
  • アメリカ…6,190億ドル(前年同期比8%増)
  • 全世界…1兆9,040億ドル(前年同期比3%増)

APMEAとはアジア・太平洋・中東・アフリカのことを指します。

続いて地域別での支払取引件数について見ていきます。

  • APMEA…76.32億件数(前年同期比29.7%増)
  • カナダ…7.51億件数(前年同期比31.2%増)
  • ヨーロッパ…134.89億件数(前年同期比49.0%増)
  • ラテンアメリカ…34.30億件数(前年同期比46.6%増)
  • アメリカ…88.19億件数(前年同期比27.1%増)
  • 全世界…341.21億件数(前年同期比37.6%増)

決済総額は全世界で前年同期から38.3%増加した1兆9,040億ドルとなっており、支払い取引件数は全世界で前年同期から37.6%増加した341.21億ドルとなっています。

決済総額と支払取引件数の増減率からの差から、カナダ・アメリカでは比較的大口の買い物が増加、その他の地域では比較的小口の買い物が増加していることが分かります。

これは前四半期からも同じ傾向が読み取れます。

アメリカは特に、給付金などの政策が手厚く実施されているため、大口の買い物につながった可能性が考えられるのではないでしょうか。

また、クロスボーダーでの現地通貨ベースでの決済総額は前年同期比で11%の増加となっています。

決算発表後における株価の推移

決算発表直後である7月29日における同社株価の始値は、前日終値である383.44ドルから約1%上昇した387.50ドルとなっています。

日中を通して前日終値よりやや高い水準で推移を続けましたので、最終的には、終値が388.81ドルとなっています。

これは前日終値から約1.5%の上昇となっています。

前四半期には、第2四半期以降の投資費用を中心としたコスト拡大が行われることがアナウンスされ、恐らくこの発表を原因として、株価がわずかに下落しました。

実際に、今四半期決算を見てみると、投資キャッシュフローが大きく減少しています。また、広告費用中心に営業費用も大幅に拡大しています。

一方で、業績に関しては前年同期比で40%を超える成長も見せています。

もっとも、あくまでも前年同期の業績がパンデミックの影響を受けていることなどを考慮する必要はあると考えられますが、総合的にみて、前四半期では難色を示された投資拡大などについて投資家たちに受け入れられたと言えるのではないでしょうか。

同社カードの決済総額や支払い取引件数が順調に回復していることも株価上昇の要因の一つといえるでしょう。

投資拡大に関しては、マスターカード・スタート・パス・プログラムやEtaka社の買収完了などに充てられていると考えられます。

これらを通じて、同社は、デジタル、サイバーセキュリティ、データ分析、B2B、マルチレールソリューションなどといった分野への足掛かりにしていくと考えられ、今後も投資拡大が続いていくことが予想されます。

最後に、同社株価の今後について考察していきます。

同社が現在新しく取り組んでいるデジタルに関連した分野群は、今後ますます活性化していくことが期待される分野となっています。

特に、ブロックチェーン技術を応用したNFTアート市場などは、投資対象として大きな成長の余地があると言えます。パンデミックから回復し、人々の移動・外出などが活発化する中で同社業績も今後ますます堅調に推移していくことが予想されます。

ですので、新しい分野への投資を拡大することは、長期的にみて、同社の成長戦略として優れた結果をもたらしてくれるのではないでしょうか。

同社株価はコロナショックから回復して以降、全体としては堅調な推移を続けており、今後もじわじわと上昇していくことが予想されます。

参考元:

Mastercard Incorporated Reports Second-Quarter 2021 Financial Results

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