The Motley Fool

ワクチン接種が進むと売られる銘柄があるかもしれない

出典:Getty Images

私事で恐縮ですが、7月下旬に職域で2回目のCOVID-19ワクチン接種を終えました。

セオリー通りならそろそろ自分に抗体ができているはずです。

思ったようには進捗していないのかもしれませんが、ワクチン接種をした人の人数が減るわけではないので、今後筆者と同様に2回の接種を終えた人が増えていくのだと思います。

可能な限り自宅で過ごすことを要請されてきたこの1年半余り。

様々な事情に振り回された方が少なくないと思いますが、マーケットも振り回された感があります。

特に日本株は、2021年に入ってから場所によっては断続的でいつ終わるのかわからない「緊急事態宣言」等に経営を左右されたサービス業が多く、結果として株価が左右された企業が少なくありません。

ここにきて変異株が猛威をふるっており、感染拡大終息が見えてこなくなってきましたが、それでもワクチン接種が進むことで少しずつ「COVID-19前」を取り戻していくと考えています。

今まで先延ばしにしてきた旅に出る、外食するといった機会が増えていくことで、関連企業の業績もCOVID-19前に近づいていくだろうと思っています。

人々の暮らし方に変化が出ているため、完全に戻ることはないかもしれません。とはいえ、業績が戻っていけば、株価が追随していくでしょう。

しかしながら、ワクチン接種が進むことで売られてしまう銘柄もあるのではないかと考えています。

筆者が考える代表的なそれが、外食産業のトリドールHD(3397)です。

まずは、COVID-19感染拡大前と比較するために2年のチャートを確認します。

出所:日本経済新聞社website

いわゆるコロナショックが2020年3月で、そのころの水準と比べると足元は株価が約2倍になっています。

もちろん何度か発令された緊急事態宣言の影響は受けた局面があり、上げ下げを繰り返す展開ではありますが、例えば東京は今年に入ってほぼ緊急事態宣言下にあるにも関わらず、今年に入ってからの株価は強いと言えます。

これはトリドールHDが外食産業とはいえ、売上高の影響を比較的受けにくい業態だったからだろうと考えます。

トリドールHDの傘下で一番売上高が大きい「丸亀製麺」は、

  • アルコールを提供しない
  • よって宴会目的で使われることはほぼなく、大人数での利用はもともとほとんどないので営業自粛も比較的少ない
  • うどん店は回転が速く、例えば家族での利用でも1組当たりの店舗滞留時間が比較的短いと考えられるし、個食ももともと多いと想定され、他の飲食店と比較すると感染リスクが少ないと考えられる
  • 緊急事態宣言が発令されていない大都市以外の地域にも店舗が多く、売上高の下支えになっている(筆者は地方暮らしですが、利用している丸亀製麺はいつも混んでいる印象です)
  • 持ち帰り需要を発掘した
  • 食べ方によるが、客単価が他のファーストフード等と比べて比較的低く、リピーターが多いと思われる

といった特徴があります。

加えて、3年ぐらい前から拡充し、長期保有優遇を設けた株主優待制度も株価の下支えになっている可能性があります。

また、7月にイギリスに欧州1号店をオープンしたことも株価には追い風になっているようです。

COVID-19が業績にポジティブだったとはいいがたいですが、相対的にはそれほどネガティブではなかったといえそうです。

そのトリドールHDが今後売られるのではと考える理由はシンプルで、消費者の財布の大きさに変化はない状況でワクチン接種が進むと、この1年半余りの間に出向けなかった外食店舗に足を運ぶ人が増えると考えていて、結果としてトリドールHDに落とされるお金が減るのではないかと想定しているからです。

株価が好調なことも、このような状況下ではいったん利益確定をもくろむ株主が多くなるのでは?と懸念させます。

直近決算期の有価証券報告書によれば、トリドールHD株は7割が個人等(下の図でいうところの「その他」のほとんど)に保有されています。

個人投資家の多くが株主優待券目当てだとして、いわゆるクロス取引参加者を除いた優待券目当ての投資家がどれだけホールドしていられるかが株価を左右しそうにも思えます。

ちなみに筆者はこの銘柄をすでに5年ぐらい持っています。

含み損だった時期もありましたが、年に2回届く優待券はありがたいですし、長期保有優遇株主になることも楽しみで、何も考えずホールドしていました。

多くの外食産業銘柄が無配に転じた前期に、トリドールHDは2021年3月期にわずかですが配当も出していたのもうれしかったです。

現在は筆者の簿価の約2倍になっています。

今のところ簿価が低いので当面売るつもりはありません。

株主優待制度が廃止されたらさすがに売るかもしれませんが。

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免責事項と開示事項 記事の作者、おせちーずは、トリドールHDを保有しています。一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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