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急拡大する米国デジタルヘルス業界の活発な資金調達~注目の米国デジタルヘルス関連ETFとは?

出典:Getty Images

テクノロジーの進歩がヘルスケア業界に与える影響はますます大きくなってきています。

最新の医療テクノロジーの力を使って、これまで患者個人のデータに基づいたきめ細かな診断を可能にしたり、医療サービスが届かない遠隔地にもより早くて正確なサービスが提供される時代がすぐそこまできています。

今回は急拡大しているデジタルヘルス業界の現況と関連する米国デジタルヘルス関連のETFをご紹介していきます。

デジタルヘルスとは何か?

デジタルヘルスとは、AIやビッグデータといった最先端のデジタル技術を活用し、ヘルスケア・サービスをより高度で効率化されたものにすることです。

デジタルヘルスが進むと、病院内での診療や薬局での調剤が必要なくなってきます。

その代りとして、遠隔モニタリングによるオンライン在宅診療やオンライン薬局による服役指導や処方薬配送サービスが受けられるようになります。

しかも、これまでの医療の中心が治験データに基づくものだったのに対し、デジタルヘルス時代には患者個人の医療データによって、より高度で最適な治療が受けられることになります。

とりわけデジタルヘルスの到来によって、患者一人一人に最適な治療が難しかった、がんゲノム医療や遺伝子治療の発展にも大きな期待が寄せられています。

​​デジタルヘルスの種類

デジタルヘルスといっても、その種類は非常に多岐にわたります。

デジタルヘルス技術を大別すると、デジタルヘルス技術は、「遠隔医療」、「モバイルヘルス(mHealth)」、「ヘルスアナリティクス」、「健康情報技術」に分類できます。

遠隔医療は、インターネットなどの情報技術によって遠隔でリアルタイム診療が受けられる遠隔診療や患者個人の医療データに基づき、患者不在でもオフラインで診療が受けられる遠隔診察のことです。

モバイルヘルスは、携帯電話やタブレットなどのモバイル機器で診療が受けられるもので、ヘルスアナリティクスはAI技術などの活用で患者のヘルスデータを測定、分析、データ管理するものになります。

健康情報技術は、ヘルスITとも呼ばれており、患者の医療データを管理・保存したり、患者と医療機関や異なる医療機関どうしで共有して、患者個人によりマッチした医療サービスが受けられるようにするための情報技術です。

健康情報技術の例としては、電子医療記録(EHR)、電子処方箋、他の医療機関などで患者個人の医療データ共有に役立つ健康情報交換ツールなどが挙げられます。

デジタルヘルス市場の高い成長性

デジタルヘルス市場は、2020年には1,833億米ドルの市場規模でしたが、2021年末までにはおよそ2,012億4,000万米ドルにまで拡大すると予測されています。

これは年平均成長率(CAGR)で9.79%相当となり、新型コロナウィルスによるパンデミックで当初よりも成長スピードは遅くなったものの、確実に成長してきています。

さらに同市場の成長規模は、2025年末までにおよそ4,837億5,000万米ドル相当、CAGRにして24.52%にまで到達すると予測されています。

今後のデジタルヘルス市場の成長をさらに促進させると予測されているのが、世界各国政府による新型コロナウィルスへの取り組みです。

コロナウィルスのパンデミックによって、各国は遠隔診療ツールの活用などデジタルヘルスの活用を推進させたり、特別優遇措置を講じるなどの動きを見せてきています。

新型コロナウィルスが蔓延したことで、医師とのビデオ会議やIoT接続された医療機器などの遠隔医療やデジタルヘルスサービスは、パンデミックの際に病院や医院への危険な外出を避けるために不可欠なものとなり、結果として導入が加速しました。

この結果、テレヘルスの利用が130倍に増加したり、約8割の医療専門家によるデジタルヘルスリソースの活用が明らかとなりました。

米国の医療費請求総額のうち、2020年1月時点の遠隔医療関連の請求はわずか0.24%でしたが、その1年後には7%になっています。

こうした一連の動きはデジタルヘルス市場のさらなる拡大につながると期待されています。

活発な資金調達で勢いに乗るデジタルヘルス・ベンチャー企業

上記のような高い成長予測を裏付けるかのように、デジタルヘルス業界ではベンチャー企業の資金調達が活発に行なわれ、その規模が急劇に拡大しています。

デジタルヘルス関連企業の資金調達額は毎四半期ごとに記録的に伸びており、2021年の上半期の調達額が約147億米ドルと、すでに2020年の1年間でベンチャー企業が獲得した資金の総額を超えてきています。

さらに新型コロナウィルスのパンデミックがこの状況に拍車をかけました。

2021年第1四半期に獲得されたベンチャー企業の資金総額はおよそ67億米ドルに達し、過去最高となっています。

デジタルヘルス業界のスタートアップと資金調達の流れは、すでに黎明期を過ぎて後期成長期の段階とされています。

この流れは世界各国政府による新型コロナウィルスへの取り組みや医療専門家によるデジタルヘルスリソースの活用が増えると予測されることから、しばらくは追い風の状況が続きそうです。

グローバルXeドック(遠隔医療&デジタルヘルス) ETF

デジタルヘルス市場で期待されている高い成長性の恩恵を資産運用において受けるには、個別銘柄よりもETFの利用が有効になります。

というのもデジタルヘルス市場は専門性が高く、大小様々な規模の企業が無数に存在するため、よほどの知識がないと銘柄選定が非常に困難だからです。

今回ご紹介する「グローバルXeドック(遠隔医療&デジタルヘルス) ETF」は、デジタルヘルス市場に特化したファンドであるため、デジタルヘルス市場の成長を効率よく取り込みたい場合には検討の余地がありそうです。

ファンド名 グローバルXeドック(遠隔医療&デジタルヘルス) ETF(EDOC)
直近1年の上昇率 0.00%(運用開始日2020年7月29日)
純資産総額 7億366万米ドル
経費率 0.68%
年間配当利回り なし
ベンチマーク Solactive Telemedicine & Digital Health Index
上場市場 米国 ナスダック
ファンド運用開始日 2020年7月29日
運用会社 グローバルX

セクター別構成比率(2021年7月27日時点)

セクター 構成比率
ヘルスケア Healthcare 94.82%
情報技術 Technology  4.27%
金融 Financial Services  0.91%

組入上位10銘柄(総資産の43.81%相当、2021年7月27日時点)

保有資産構成 ティッカー 保有比率
Illumina Inc ILMN 4.85%
Agilent Technologies Inc A 4.56%
Omnicell Inc OMCL 4.42%
Laboratory Corp of America Holdings LH 4.36%
Cerner Corp CERN 4.34%
Ping An Healthcare And Technology Co Ltd Ordinary Shares 01833 4.31%
Nuance Communications Inc NUAN 4.26%
M3 Inc 2413 4.25%
Tandem Diabetes Care Inc TNDM 4.24%
UnitedHealth Group Inc UNH 4.22%

グローバルXeドックETF(Global X Telemedicine & Digital Health ETF、以下EDOC)は、Global X社によって運用されている、Solactive Telemedicine & Digital Health Indexをベンチマークとしたパッシブ型ETFです。

このインデックスは、遠隔医療とデジタルヘルスの分野で最大の利益を享受できるような上場企業の銘柄でエクスポージャーの提供がされるように設計されています。

EDOCでは、世界中の遠隔医療やデジタルヘルス関連企業から、4つに分類されたテーマに基づいて運用銘柄が選定されます。

この4つのテーマとは、「遠隔医療」、「ヘルスケア・アナリティクス」、「コネクテッド・ヘルスケア・デバイス」、「管理のデジタル化」です。

これら4つのキーワードに関連する事業の売上割合が高い企業銘柄を関連キーワード検索アルゴリズムによって抽出して、およそ40銘柄から構成されるポートフォリオに組み込まれます。

こうして抽出された銘柄の組入比率は、浮動株時価総額(市場で売買される可能性が高い浮動株のみで算出される時価総額)をベースに決定されていきます。

組入銘柄の入れ替えやリバランスは、毎年5月と11月の年2回実施されます。

2021年7月27日時点での組入上位10銘柄のうちの上位5銘柄を簡単にご紹介していきます。

上位5銘柄はいずれも、米国のデジタルヘルス関連企業です。

最初のイルミナは、遺伝的変異や遺伝子機能の大規模解析をおこなうツールやシステムの開発や製造、販売を行なっている会社です。

アジレント・テクノロジーズは、米国の電子計測機器メーカーで、化学分析機器やバイオ分析機器の製造と販売をおこなっています。

オムニセルは、医薬品や投薬の管理を効率化するための医療関連サービス会社で、ラボラトリー・コーポレイション・オブ・アメリカ・ホールディングスは、HIV検査や遺伝子診断といった検査サービスを手掛けています。

サーナーは、電子カルテや医療情報技術といった医療情報サービスを総合的に提供する会社です。

組入上位5銘柄を見るだけでも、先ほどお伝えしたデジタルヘルスの様々な分野で事業運営されている会社に上手く運用が分散されていることがわかります。

尚、運用元の米国Global X社は、2008年に創業されたETF専業という珍しい運用会社です。

2021年5月末時点での運用純資産総額は、330億米ドル(およそ3.6兆円)で、時代の先駆けとなりそうなテーマ型ETFを数多く運用しています。

日本にも子会社のGlobal X Japanが2019年9月に設立されており、これも日本で唯一のETF専業運用会社となっています。

ロボティクス&AI、バイオ&メドテック、ゲーム&アニメといったテーマ型ETFを東証にも上場させています。

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