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ネットフリックスのゲーム進出と熾烈なクラウドゲーム業界の行方

出典:Getty Images

ネットフリックス(NASDAQ:NFLX)は直近の第2四半期決算において、売上高とガイダンスはアナリスト予想を上回ったものの、EPSは下回る結果となりました。

決算発表後、ネットフリックスの株価は時間外取引で大きく下落(−8.29%)しましたが、その一方で大きな話題も作りました。

それがゲーム進出の発表です。

今後ネットフリックスはゲーム事業をオリジナル番組と同様に新たなカテゴリーとして育てていく野望を持っているのです。

また今回の発表の内容としては、ネットフリックスのゲームは追加料金なしでユーザーはプレイすることが出来るとのことです。

6月末時点での世界全体の有料会員数2億918万人に達しており、仮にゲーム事業が軌道に乗った場合に考えられる利点が2つあります。

1つは会員数増加の加速、もう一つが会員の離脱率の低下です。

会員数が安定すればするほどネットフリックスの経営基盤が強固となるため、ゲーム事業の成功はネットフリックスがさらにグローバル企業になるためのカギとなる可能性を秘めています。

そのためネットフリックスはEAスポーツやオキュラスのゲーム事業を統括するエグゼクティブであったマイク・ベルドゥ氏を自社へヘッドハンティングしており、ゲーム事業に対する本気度が伝わってきます。

そしてネットフリックスは今後1年以内にビデオゲーム事業を新たなコンテンツとして追加する計画です。

最初はApple Arcadeのような複数のゲームが楽しめるバンドルサービスのリリースを目指しています。

動画配信サービスの王者が豊富な資金力を武器に、いかにマネタイズしてゲーム事業に参画するのか、その動向に世界中の注目が集まっていることは間違いないでしょう。

カギはネットフリックス型の経営戦略にある

ネットフリックスの経営戦略のカギは「圧倒的資金力によるコンテンツの豊富さ」です。

従来のテレビ局の予算をはるかに超えており、ネットフリックスは自社で様々なコンテンツを世界中のクリエイターや制作会社と組むことで毎日新作が生まれる環境を作り出しています。

また俳優やアニメ業界としても、潤沢な資金だけでなく、ネットフリックスに放送することでグローバルに作品が拡散する可能性が高く、どちらもウィンウィンの関係になると言われています。

またそれだけに留まらず、ネットフリックスは日々のデータを解析し、今後同じドラマでもユーザー毎にいくつかシナリオの結末を用意する準備を進めています。

つまりユーザーにとってベストなドラマをネットフリックスが提供するようになる、ということです。

こうした面白さや付加価値を生み出しているのが、ネットフリックスならではの「人事方針」です。創業者のリード・ヘイスティング氏は人事について下記のような方針を示しています。

  • とびきり優秀な人材のみ採用する
  • 能力に疑問が生じた場合は直ぐに辞めてもらう
  • 組織の「能力密度」を最大限に高める
  • 上記3つを人事戦略とした上で、社内に「最高の人材」のみが集まっている状態にする
  • 社員に高収入で応える

こうしたネットフリックス独自の企業文化を徹底することで、圧倒的に働きやすい環境を作り続けているのです。

これこそ世界のエンタテイメントを変革しようとするネットフリックスの強みなと言えるでしょう。

とはいえ課題もあります。

例えばアニメにしてもネットフリックスのオリジナルは良くも悪くもネットフリックス内でしか発表できないため、製作会社が1番おすすめする内容やシナリオがアニメ化されているかは疑問です。

実際、同じ制作会社でもネットフリックスオリジナルドラマよりもそれ以外(他局や映画)で作られたアニメの方が評価が高いからです。

この辺の課題とどう向き合うのかも今後注目したいところです。

どんなゲームがネットフリックスから登場するのか

今後1年以内にストリーミングサービスでビデオゲームの提供を目指すネットフリックスですが、配信方法としては既存のプラットフォームor独自のゲームプラットフォームの構築、選択肢は2つあります。

現段階ではネットフリックス自身も開発戦略が決定していないとも言われています。

現状、グーグルやアマゾン、フェイスブックなどの巨大テック企業がゲーム市場に参入はしているもののビッグプレイヤーにはなっておらず、いかに既存のゲーム業界からシェアを奪うことが難しいのかが分かるかと思います。

ゲームの成功にはヒットするコンテンツやキャラクターが欠かせませんが、その点、ネットフリックスは面白い存在になる可能性を秘めています。

例えばネットフリックスのヒット作「ストレンジャー・シングス」は既にSteamやXboxなどで「ストレンジャーシングス3 ザ・ゲーム」が配信中です。

このゲームの配信時期はシーズン3と合わせられており、今後、ドラマとゲームがリンクしたネットフリックスにしかできない体験が生み出されるかもしれません。

仮にコンテンツ量が豊富なネットフリックスにゲームという柱ができた場合、ゲームとドラマの新しい組み合わせによるエンタテイメントが形成されるかもしれません。

ネットフリックスがいかにゲームをマネタイズするのか、今後、楽しみな展開が続きそうです。

熾烈なゲーム業界はこれからが面白い

ゲーム業界において従来からゲーム端末を引っ張っている企業といえば、任天堂「Switch」、ソニー「PlayStation」、マイクロソフト「X BOX」の3社でしたが、近年GAFAもクラウドゲームに参入しています。

つまり今後のゲーム業界の付加価値はハードからソフトへと移行しており、クラウドゲームのサブスクリプションが一般的になることは間違いありません。

例えばソニーの「PlayStation Now」や任天堂の「Nintendo Switch Online」、グーグルの「STADIA」など月額制で複数のゲームを楽しむことができます。

その他にも「xCloud(マイクロソフト)」、「Apple Arcade(Apple)」、「Luna(Amazon)」、「Facebook Gaming(Facebook)」、「GeForce NOW(NVIDIA)」など、テック企業を中心にクラウドゲームサービスが始まっています。

しかしアマゾンが自社で3本のPCゲームを発表しましたが、傘下にあるTwitch(ツイッチ)との連携が上手くいかずに失敗しているように、巨大ハイテク企業であってもゲーム業界では苦戦しており、仮にネットフリックスが成功した場合、業界再編のビックチェンジャーとなります。

ネットフリックスのゲーム参入にはそれだけ多くの可能性があると筆者は考えます。

ネットフリックスを含めたゲーム業界において、どの企業が勝ち抜くのかしばらく目が離せない展開が続くはずです。

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