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【米国株動向】規制上の問題に直面するドアダッシュの成長は持続可能か?

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、2021715日投稿記事より

ポイント

  • 急成長を遂げてきたドアダッシュの株価が52週高値から約34%下落しています(執筆時点)。
  • 料理宅配業務を担う配達員に対する同社の労働慣行は、規制当局からの厳しい精査を受けています。
  • 黒字化への明確な道筋は見えていません。

料理宅配プラットフォーム大手のドアダッシュ(NYSE:DASH)の2021年第1四半期の受注総額は前年同期比219%増と驚異的なペースで増加し、売上高は同198%と急増して10億8,000万ドルとなりました。

一方、昨年12月の新規株式公開(IPO)以降の株価上昇率は50%です(執筆時点)。

実は、株価は上場直後に急騰し、今年2月に52週高値を付けて以降、下落しています。

ウォール街がより高いバリュエーションは正当化されないと考えているのは明らかのようです。

理由は何でしょうか。

ドアダッシュの収益源は何か?

ドアダッシュの主な収益源は3つあります。

第1は、レストランが同社のプラットフォームを経由して提供するすべての料理の売上高に対して10~25%の割合で徴求する手数料です。

このコストは大部分が消費者に転嫁されます。

同社はレストランの代わりに配達員を採用するための費用や宅配サービス網を構築するためのコストを負担するため、これについては規制上の問題はありません。

第2は、サブスクリプションサービスであるDashPass(ダッシュパス)の会員から徴求する月額10ドルの会費です。このサービスを利用すると、12ドルを超える注文については配達料金が免除されます。

サービスをあまり利用しないユーザーが利用頻度の高いユーザーのコストを負担することになります。

第3は、同社が配達員を従業員としてではなくギグワーカー(独立した請負業者)として分類していることで生まれるコスト削減効果です。

こうしたビジネスモデルを取ることで、同社は最低賃金規制を遵守したり、医療給付金や業務関連経費および退職金などを支払ったりする義務を回避しており、多額の費用を節約しています。

現在、こうした労働者の処遇に対する規制当局の監視の目が厳しくなっています。

配達員の労働形態が論争の的に

独立請負業者の配達員を採用するというビジネスモデルでは、、経費の多くを請負人側が負担します。

例えば、配達員のバイクが配達途中でパンクした場合、タイヤ交換に時間がかかり、怒った注文主がチップを払わなかったとします。

新しいタイヤの費用、他の配達に費やされた可能性のある時間、支払われなかったチップ、燃料費、自営業税、医療費などが配達員の負担となる可能性があります。

このケースでは配達員の収支は実質的に赤字となるはずです。

こうしたビジネスモデルにおける労働者側の負担は、国民皆保険制度が機能しているカナダやオーストラリアなどの国ではやや軽減されますが、米国の大半の労働者にはそうした選択肢はありません。

ドアダッシュの配達員は従業員には分類されないため、ドアダッシュは健康保険に対する責任を負いません。

ドライバーが配達中に自動車事故に巻き込まれ、病院での治療が必要となった場合、労働者の負担はさらに増えます。

議会は、こうした問題への取り組みを始めています。2021年3月9日、連邦議会下院はギグワーカーに労働組合結成と労組活動の権利を与える「PRO Act」(プロ法)の法案を可決しました。

この法案が法制度化されるには上院を通過し、バイデン大統領によって署名される必要があります。

労働組合がギグワーカーの労働問題に対する直接的な答えとなるわけではありませんが、労働者とギグエコノミーに関与する企業の両方に影響を与える可能性が大いにあります。

ドアダッシュの2021年第1四半期の粗利益率は48%、純利益率はマイナス10%でした。

売上高が急増する一方で、損益の赤字幅はあまり改善しませんでした。

投資家は、労働者の権利が拡大すれば利益率はさらに縮小すると見ており、ドアダッシュのビジネスモデルが崩れる可能性があります。

こうしたリスクに直面しているのは他の料理宅配会社も同じですが、ドアダッシュの市場シェアは57%と大きいため、失うものも最も多くなります。

現在の株価は割高

以上のような不確実性を踏まえると、ドアダッシュは長期保有に適した銘柄とは言えません。

ビジネスモデルが、人件費を「積極的に削減」することに大きく依存しているからです。

世間的なイメージはよくありませんし、改善を求める議員から注目を集めています。

しかも、レストランでの会食が再開されるにつれて、同社の成長ペースは鈍化するはずです。

現在の14倍という株価売上高倍率(PSR)は高過ぎるように見えます(執筆時点)。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Zhiyuan Sunは、記事で言及されている株式を保有していません。モトリーフール米国本社は、記事で言及されている株式を保有していません。
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