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アマゾンがBig Commerceと提携。Shopify優勢のEC業界に変革が起きるか

出典:Getty Images

Big Commerce(ビッグコマース)(NASDAQ:BIGC)とAmazon(NASDAQ:AMZN)の提携が発表されました。

この提携は、今後ECの世界に大きな影響を及ぼす可能性があります。

企業から直接、ネットモールなどを介さずに消費者に商品を販売することをD2Cといいます。

D2CといえばAmazonキラーとして有名なShopify(NYSE:SHOP)や、電子決済企業スクエア(NYSE:SQ)のEC機能がアメリカではよく知られています。

Big CommerceもShopifyほどではありませんが、米国では存在感のあるEC構築SaaSです。

Big CommerceはShopifyの後を追うポジションでしたが、Amazonとの提携で生まれ変わる可能性があります。

そこで本記事では注目のEC企業Big Commerceについて解説します。

Big Commerceとは?

Big CommerceはECサイトを構築するプラットホームです。

2009年に設立された企業で、アメリカのテキサスに本社を構えています。

日本のソフトバンクが出資している会社としても知られています。

Shopifyと同じビジネスモデルで、立場的には完全に競合となります。

収益のモデルもShopifyと同様で、利用者(売主)から月額のサブスクリプション料を取るものです。

強みはマーケティングや決済手段などが豊富で、ECに必要な売るしくみまでも含まれていることです。

しかし、この強みは残念ながらShopifyと被っています。

Shopifyも単なるECサイト構築だけでなく、マーケティングに必要な機能も豊富な決済手段もあります。

Big Commerceにある機能は、Shopifyにも、細かい違いはあっても、ほぼあると思って良いでしょう。

株価に関してもShopifyが右肩上がりの上昇をしているのに対して、Big Commerceは2020年のIPOから高値を更新できず、株価は底うねりの状況です。

Shopifyの後追いのSaaS企業という印象を投資家はもってしまうのではないでしょうか。

もちろんBig Commerceが悪いわけではありません。

Shopifyなどの既存の企業もBig Commerceと同様に優れており、なかなか甲乙をつけづらいのです。

海外YouTubeでもShopifyとよく比較されるBig Commerce

YouTubeでShopifyとBig Commerceと検索してみると、海外ではどちらが使いやすいECサイト構築サービスなのかが活発に議論されているのが分かります。

投資家にとっては些細なことでも、実務で使う人達にとっては重要な細かい仕様や違いについて比較しています。

ただ、実務で使う人達から見ても機能的にはどちらも大差はないようです。

ただShopifyにはユーザーやフリーの開発者を巻きこむ強固なエコシステムの強みがあります。

Shopifyはサイト構築代行者やアプリ開発者にフレンドリーな仕組みを採用しています。

例えば、Shopifyでサイトを構築したらストアのサブスクリプションの一部がサイト構築者に入るなどの仕組みがあります。

そのためユーザーやサードパーティーが積極的にShopifyの開発を進めていきます。

その影響もあってか、Shopifyは開発スピードが早く、ユーザー数もBigCommerceを大きく上回っています。

日本でもShopifyの名前は聞いたことがあっても、Big Commerceは知らない人が多いのではないでしょうか。

Big CommerceがAmazonと提携。利用者の恩恵は?

Big CommerceもECサイト構築サービスとしては十分に優れていますが、Shopifyの後を追う立場です。

しかし2021年7月にBig CommerceがAmazonと提携するニュースが発表されました。

内容はBig Commerceの利用者がAmazonのMCFを、Amazonに出店してなくても利用できるというものです。

MCFはAmazonの物流部分、つまり商品の保管から届けるまでのロジスティックの部分のことです。

商品保管、梱包、集荷、在庫管理、出荷指示などAmazonのもつ物流サービスを、Big Commerceのユーザーが使えるようになります。

EC事業はサイトを作って終わりではありません。

決済してから商品を届けるまでの一連の流れまでがワンセットです。

今回のAmazonとの提携でBig CommerceはShopifyにはないロジスティック部分の強みが生まれました。

ECサイトそのものよりも、届けるまでの物流システムに魅力を感じる人がBig Commerceを積極的に選ぶということも今後出てくるかもしれません。

そうなれば利用者は増え、サブスクリプションの収益も増えていきます。

Big Commerceは欧州進出を加速

Amazonとの提携だけでなく、Big Commerce社はヨーロッパにも事業を展開することを発表しました。

既に展開しているイギリス以外のフランス、イタリア、オランダへの拡大です。

Shopifyは既にほぼ全世界に進出しているのに対して、Big Commerceにはこれから開拓する市場があります。

そしてBig CommerceがIPOされたのは2020年です。

まだまだ相場としては若い段階です。

一方、Shopifyは人気銘柄で割高感を感じる投資家もいるかもしれません。

Big Commerceの決算はコンセンサスを上回ってきている

Big Commerceの売上高は年々上昇しています。

特に2020年はEC産業自体が好調で売上を大きく伸ばしました。

直近の決算も市場のコンセンサスを上回ってきています。

例えば、2021年5月の決算ではEPSの予測も-12セントが−4セント、売上高も予想が約4,200万USDだったのに対して、4,600万USD以上となっています。

そしてBig CommerceはShopifyに比べて株価的にはまだ伸びていない銘柄です。

だからこそ相場が若いうちに買えば、投資としてはShopify以上にリターンが見込める展開も考えられます。

Shopifyが優勢だったが、EC系SaaSの競争激化か

ShopifyがECサイト構築系のSaaSの中では大きくリードしています。

しかし、ECサイトを構築できるサービスは本当に沢山あります。

Big Commerce以外にもWoo Commerce、Wix、スクエアなど、本当に様々なEC構築サービスがあります。日本ならBASEも有名です。

さらに既存の小売業のコストコ、ウォルマートもECに積極的に参入しています。

特にウォルマートはスーパーのイメージが強いのですが、オムニチャネル化でEC事業を強化して、今や世界有数のEC企業になったと言われています。

EC業界は流れがはやく、普段からニュースを追っていかないと情報が古くなる業界です。

EC市場全体がパンデミックの影響で伸びたことから、EC関連の銘柄には追い風が吹いていました。

しかし、今後はEC関連銘柄同士のシェア争いが激しくなっていくかもしれません。

そのため既成概念にとらわれることなく、EC関連のサービスはどこに勢いがあるのか投資をするならしっかり把握しておくべきです。

Amazonキラーと呼ばれたShopifyが、Amazonと手を組んだBig Commerceと今後どのようなシェア争いをしていくのかに注目しましょう。

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