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投資の元本割れ対策に用いられる優先劣後構造について

出典:Getty Images

不動産クラウドファンディングや、不動産証券化商品には優先劣後構造を取っている商品が存在します。

簡単に説明すれば投資家の元本割れ対策のことであり、この構造の投資商品は投資家に有利な構造です。

しかし、必ずしも元本を保証するものではなく、状況によっては元本割れのリスクもあるので注意が必要です。

この記事では優先劣後構造について詳しく解説します。

優先劣後構造とは

優先劣後構造とは、ある金融商品に対して優先部分と劣後部分を分ける仕組みを取っている商品のことを指します。

優先劣後構造を取っている投資の中で代表的なものには不動産クラウドファンディングがあります。

不動産クラウドファンディングは、不動産を対象にしたクラウドファンディングであり、事業者が実際の運用をおこない、複数の出資者を集める形式で投資を募集することによって、通常の不動産投資よりも少額から投資できる投資方法です。

優先劣後構造における優先部分はクラウドファンディングに投資する出資者であり、劣後部分はクラウドファンディングの事業者となり、それぞれ優先出資者と劣後出資者とも呼ばれます。

仮に不動産クラウドファンディングの運用において損失が発生した場合、劣後出資者であるクラウドファンディング事業者が損失を一定額まで負担します。

よって、優先劣後がない金融商品において、損失が発生した場合は出資者全員で損失を折半する形になるので平等に元本割れが発生しますが、優先劣後構造を取っている場合は優先出資者の投資家には一定額の損失が発生しても元本が減少しない仕組みです。

優先劣後構造は劣後割合が大きいほど投資家に有利

優先劣後構造は劣後割合が大きいほど投資家に有利になる仕組みです。

出資総額が5,000万円の投資において劣後出資者が負担する最大の損失額は、10%の場合は500万円、20%の場合は1,000万円になります。

10%の場合に600万円の損失が発生した場合は、500万円までしか負担しないので100万円の元本割れが発生します。

優先劣後構造の金融商品においても、劣後割合が低いほど元本割れのリスクが高まるといえるでしょう。

しかし、20%の場合に600万円の損失が発生しても負担する損失額は1,000万円であるため、元本割れは発生しません。

よって、設定される劣後割合が高いほど元本割れリスクが軽減されるため投資家に有利といえます。

優先劣後構造における劣後出資者のメリット

優先劣後構造の金融商品は投資家側から見れば元本割れ対策が整った魅力的な商品ですが、劣後出資者からすれば損失が増える仕組みとなっているので、メリットがないように見えます。

出資者だけが一方的にメリットを享受できる仕組みの金融商品は裏があると考えるのが自然であり、投資詐欺も疑ってかかるべきです。

優先劣後構造が採用されている不動産クラウドファンディングを例にメリットを考えると、銀行からの融資を受けるよりもクラウドファンディングで資金を調達する方が資金効率がよいと考えられるケースでは、出資者を多く募るために投資家に有利な条件で出資を受け付けることが考えられます。

さまざまな理由で銀行から融資を受けられない場合に、事業者がクラウドファンディングによる資金調達を考えることもあるでしょう。

また、事業者が不動産クラウドファンディング以外の不動産投資商品の顧客を探している場合は、不動産クラウドファンディングを通じて不動産投資に興味を持つ複数の投資家と接点を持つことで、将来的には大きな顧客になることを期待している場合もあります。

基本的には投資家に有利な条件で出資を求めることによって、資金を集めやすくすることが優先劣後構造における劣後出資者となる事業者のメリットです。

優先劣後構造自体は劣後出資者の事業者にとって利益が減少するデメリットのある構造であるため、優先劣後構造を取ることで得られる別のメリットがない場合はこのような形式で投資家を募集することは考えられません。

優先劣後構造で投資家を募集している金融商品への投資を検討するなら、事業者側のメリットも含めて考え、メリットが見えない場合は投資を見送ることが賢明です。

まとめ

あらゆる投資を考えたとき元本保証という言葉は魅力的に聞こえますが、元本保証という言葉は投資をする上で基本的には使用できない言葉です。

国債のようにリスクが非常に低い投資であっても、運営元が破綻した場合は元本を保証しない元本確保という言葉が使われるのが一般的になります。

投資の世界では元本確保も含めてさまざまな方法で元本割れの対策がおこなわれていますが、優先劣後構造も元本割れを対策する1つの方法です。

しかし、元本割れの対策をしているからといって短絡的に魅力的な金融商品とは考えず、事業者や運営元のメリットも考えながら、総合的に投資するべきかどうかを判断するようにしてください。

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