The Motley Fool

ネット証券で活発化している25歳以下の株式売買手数料の無料化について

出典:Getty Images

2021年4月20日から大手証券会社のSBI証券が25歳以下の国内現物株式の売買手数料を無料にしました。

SBI証券の発表に続く形で、松井証券、岡三オンライン証券も5月6日から手数料の無料化が開始しています。

ネット証券の手数料争いは近年激化しており、2020年10月1日にはSBI証券のアクティブプランにおいて1日の約定代金が300万円(現物・信用の合計)まで無料化しました。

この記事ではネット証券で活発化している25歳以下の株式売買手数料の無料化と、手数料の低価格化による証券会社への影響について考察していきます。

25歳以下に対する株式売買手数料の無料化の詳細

SBI証券が打ち出した25歳以下に対する株式売買手数料の無料化は、20歳未満の場合は未成年口座での取引しかできないので、対象となるのは正確には20歳以上~25歳以下になります。

また、発生した売買手数料は一度支払ってからキャッシュバックする形です。

20歳未満でも未成年口座を開設できますが、未成年口座の場合は月額1万円を上限にキャッシュバックすることになります。

25歳以下で手数料が無料と聞いて取引を始めて、手数料が差し引かれたことに驚いた方もいるかもしれません。

無料化と聞くと誤解するかもしれませんが、25歳以下で売買手数料が発生した場合も一度支払って、キャッシュバックを受けることで実質無料という形を取っているのです。

手数料を支払えば一時的に使えるお金は少なくなるので、アクティブに投資をしたい方にはこの形式はデメリットになります。

また、SBI証券以外で25歳以下の株式売買手数料を無料化した証券会社は下記の通りです。(執筆時点)

  • 松井証券
  • 岡三オンライン証券
  • com証券
  • auカブコム証券(2021年7月19日から開始)

岡三オンライン証券・DMM.com証券・auカブコム証券もSBI証券にならう形で手数料無料化を実施しているため、未成年口座のキャッシュバック額に制限がないことを除いて違いはありません。

しかし、松井証券はキャッシュバックではなく、最初から手数料を無料化しています。

また、SBI証券を含めて現物取引のみが対象ですが、松井証券は信用取引の売買手数料も無料化の対象です。

現状では松井証券のみがSBI証券と比較して、手数料の無料化に大きな差別化ができている状況といえます。

2021年7月時点における25歳以下売買手数料無料化の現状は以上です。

証券会社間の手数料の低価格化競争は激化していますが、今回の手数料無料化は若年層の顧客を増やす狙いがあったと考えられます。

手数料無料化によって証券会社にどのような変化をもたらすのか考察していきます。

手数料の低価格化は証券会社にどのような変化をもたらすのか

手数料の無料化は現在投資に興味を持っている若年層を取り込む効果が期待できます。

しかし、手数料は証券会社にとって重要な収益になるため、低価格にするほど収益の低下につながります。

手数料が低価格化するほど証券会社は売買手数料に依存しない収益構造を作ることが重要になってきます。

また、SBI証券の2021年3月期の決算資料によると、主要証券会社の収益構成比における手数料の割合は下記の通りです。

証券会社 委託手数料率
SBI証券 32.2%
松井証券 63.1%
auカブコム証券 29.3%
楽天証券 38.5%
マネックス証券 46.0%
野村証券 20.3%

参考:株式会社SBI証券 決算説明資料 ~ 2021年3月期 第1四半期 ~

証券会社の収益に占める委託手数料の割合は高く、現在の時点では欠かせない収益源であることが分かります。

証券会社の収益は、委託手数料、金融収益、引受・募集売出手数料、トレーディング損益、その他の収益の大きく分けて5つに分類可能です。

SBI証券はトレーディング損益が34.2%であるため、委託手数料よりも収益割合が高く、auカブコム証券は収益の54.7%が金融収益となっており手数料への依存率が低いです。

野村証券はネット証券とは異なり、対面での営業がメインで高い手数料構造となっていますが、2021年の収益は手数料ビジネスではなく、トレーディング損益がメインとなっています。

米国のように日本国内の証券会社の手数料が低価格化していくためには、手数料ビジネス以外の安定した収益の確保が問題になるでしょう。

まとめ

25歳以下に対する株式売買手数料の無料化は、将来に渡って長く利用してくれる顧客を得ることを考えるとメリットの大きい施策であるといえます。

手数料の低価格化競争の中で証券会社が生き残るためには、手数料に依存しないビジネスモデルを形成できるのかが問題となるでしょう。

今後もSBI証券などの大手ネット証券を筆頭に手数料の低価格化が続いていくと考えられますが、現状は日本株に対する手数料優遇が中心であるため、外国株に対する手数料優遇も期待したいところです。

また、2021年7月時点で25歳以下の方が株式を売買するのであれば、キャッシュバックであるか、完全無料化であるかに注意すれば問題なく利用できる制度になっているので、対象の方は有効活用していきましょう。

フリーレポート配信

優良企業30社で構成されるダウ平均株価は、1世紀以上にわたり世界中でフォローされています。ダウ構成銘柄の長年の良好なパフォーマンスを考えると、市場参加者が注目するのはごく自然なことで、最近はこれから紹介するダウ4銘柄が注目されています。

著名投資家も注目の優良大型株4銘柄」はこちらからご覧ください。(メールアドレスの登録が必要です)

また、ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。

公式ツイッターアカウント公式フェイスブックアカウントをフォローする。

また、公式LINEアカウントの方では、投資初心者向けの情報を発信しています。
友だち追加

免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

最新記事