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オーストラリアの経済が好調な理由は?オーストラリア経済を支える要因も解説

出典:Getty Images

新型コロナのワクチン接種が進んだことで、各国で経済の回復や好調が見られるようになっています。

なかでも、オーストラリアの経済の好調ぶりは他の先進国と比較しても優秀で、大きな注目を集めています。

そこで今回は、オーストラリアの経済が好調な理由を解説します。

オーストラリアの経済

オーストラリアの経済は2020年4月まで30年連続で景気後退が発生していません。

この場合の景気後退とは、GDP(実質国内総生産)が2四半期連続(半年)で対前期比が減少した場合のことを指すので、オーストラリアは長期にわたってGDPがプラス成長を続けていた国になります。

2008年に起きたリーマン・ショックの時もリセッション(2四半期連続の景気後退)を回避できた数少ない国です。

オーストラリア経済を支える要因

オーストラリアが30年近く経済を活性化できたのは次の要因が大きいです。

  • 中国の経済支援
  • 観光事業
  • 国内人口の増加

それぞれ、順番に解説します。

中国の経済支援

ここ10年以上のオーストラリア経済を支えてきた大きな要因は中国です。

中国は巨大経済圏構想「一帯一路」に基づいてアジア諸外国に対して対外援助を続けてきました。

オーストラリアも一帯一路構想に組み込まれており、中国はオーストラリア南東部ビクトリア州政府や北部準州政府に対して経済支援の代わりに、「港99年間賃借」などの契約を結んでいます。

また、オーストラリアは2000年代に入ってから資源や鉱山の開発が進み、アジアで鉄鉱石などの資源需要が増したこともあり、石炭・鉄の資源大国に成長しました。

オーストラリアがリーマン・ショックの影響を最小限に抑えられたのも、中国の天然資源需要があったからだと言われています。

このように2020年までは中国に依存する形ではありますが、オーストラリアは景気後退をせずに成長していったのです。

観光事業

オーストラリアは国連世界観光機関が発表している「国際観光収入ランキング(2019)」で第7位に入るほどのインバウンド先進国です。

注目すべきポイントは、観光客数に対して国際観光収入が多い点です。

下記は日本とオーストラリアの観光客数と国際観光収入を比較したものになります。

  • 日本…約3,188万人/約421億ドル
  • オーストラリア…約925万人/約450億ドル

オーストラリアの観光客数は日本の3分の1以下ですが、国際観光収入は日本を上回っています。

観光客1人あたり約4,900ドルの観光収入を得ていることになり、1人あたりの観光収入としては世界でもトップクラスです。

観光事業がGDPに占める割合は決して高いとは言えませんが、オーストラリアの経済を支える柱の一つと言えます。

国内人口の増加

日本の約20倍もの国土を持つオーストラリアは、2020年時点での総人口は約2580万人です。

GDP同様に国内人口も右肩上がりに増加しており、オーストラリアの経済活性化に役立っています。

国内人口が順調に増加している背景には、オーストラリアの年齢区分で最も多い20歳~34歳前後がベビーブーム世代であることと、国外から積極的に移民を受け入れていることが挙げられます。

オーストラリアは先進国のなかでも積極的に移民を迎え入れており、総人口は2050年までに約3,280万人まで増えると予想されています。

人口増加は労働力の増加に直結し経済成長をもたらすのは、過去の日本や中国が示してきました。

つまり、オーストラリア経済が過去30年間好調を維持できたのは、維持できるだけの要因が揃っていたからです。

2020年のオーストラリア経済

30年に渡り経済的に好調だったオーストラリアでしたが、2020年4月~6月の国内総生産は前期比7%減少となり、約30年ぶりにリセッション入りしたと発表しました。

四半期単位での落ち込みとしては過去に例がなく、1月~3月の国内総生産が前期比0.3%減だったことから、2四半期連続で前期比減となったのです。

新型コロナによる世界的な感染拡大が最たる原因ですが、2019年末から2020年初頭にかけて深刻な山火事が起きていたことも影響を受けています。

事態を重く見たオーストラリア政府は総額約20兆円もの経済支援を決定し、企業や家庭を支えようとしました。

しかし、手厚い経済支援策にもかかわらず、7月~9月にかけて企業の倒産は続き、失業率は7.5%と過去最高を記録しています。

2021年上半期のオーストラリア経済

30年に渡り好調を続けていたオーストラリア経済は、2020年に大きな打撃を被りました。

しかし、オーストラリア経済の落ち込みは当初予想していた8%に届いておらず、同時期のアメリカやイギリス、フランスに比べて突出している訳ではありません。

失業率も2020年7月がピークだったのか、以降は低下していき、2021年5月には5.1%までに回復しています。

2019年の失業率が5%台だったのを考えると、失業率に関しては2019年並みに回復したと言えます。

また、オーストラリアは2020年中に国境封鎖や国内の移動制限など厳しい規制を敷いていましたが、結果として中小都市の住宅需要が拡大し、ネット消費や外食が人気を集めています。

主力産業の鉱業は、アジアや中東で需要が増えたことで鉄鉱石の価格が高騰し、大きく伸びています。

オーストラリアの株式市場に目を向ければ、2021年5月10日に主要株価指数が史上最高値を更新し、企業の景況感も過去最高水準にまで達しています。

一方で、新型コロナに関連した経済支援は継続しており、労働人口の6割が何らかの支援を受けており、生活を安定させています。

また、オーストラリア準備銀行は事実上のゼロ金利政策を継続することを定例理事会で決定しています。

主力産業である鉱業が鉄鉱石価格高騰により収益を大きく伸ばしていることと、GDPの13%にあたる巨額な経済支援などが功を奏したのか、オーストラリア準備銀行は2021年の実質GDP成長率の予想を5.25%、2022年の予想を4%としています。

少なくとも、オーストラリアの経済好調は2022年まで続くと予想されているのです。

まとめ

以上が、オーストラリアの経済が好調な理由の解説にあります。

オーストラリアの経済は鉱業と観光業に加えて、他国から優秀な移民を迎えていたこともあり、好調を維持していました。

2020年は観光業と移民が失速しましたが、2020年後半から2021年にかけて資源の需要が高まるにつれ輸出額が増えていき、オーストラリアの経済は好調を迎えています。

海外に投資をする際は、オーストラリアも選択肢の一つに加えてみましょう。

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