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インフレ指標とは?インフレが株式投資に与える影響も解説

出典:Getty Images

アメリカやヨーロッパでは新型コロナのワクチンが普及したことにより、消費が回復しつつあります。

そのため、市場関係者は現在の金融政策がいつまで続くのかについて議論を重ねています。

特に米連邦準備理事会(FRB)の方針は日本経済にも大きな影響を及ぼすため、判断材料の一つとなるインフレ指標に注目が集まっています。

そこで今回はインフレ指標について解説します。

インフレとは?

インフレとはインフレーションの略称で、モノやサービスの価格が持続的に上昇することを意味します。

簡単に説明すると、1個100円だったパンが1年後に1個105円に上昇していれば、年5%のインフレが起きたと言えます。

モノやサービスの価格が上昇するということは、相対的に見れば現金の価値が下がることを意味します。

上記の場合、これまで100円で購入できたパンが1年後に100円では購入できなくなるため、結果として100円の価値が下がってしまったのです。

インフレが進んでしまうと、資産を現金のまま保有してもインフレ率に応じて価値が下がってしまうので、現金以外の資産に変えて資産価値を上げようとします。

株式や債券、不動産にお金が使われるため、企業は業績を上げようとして設備を拡充したり、雇用を増やしたりします

業績が上がれば労働者の給与が上がり、あるいは給与の高い企業へ転職するようになるので個人の消費が増えていき、さらにインフレが進むようになります。

つまり、インフレが続くことで経済は健全な成長を遂げる可能性があります。

注目されやすいインフレ指標は?

インフレ指標は、実際に物価が上昇しているかどうか判断する指標です。

インフレ指標は幾つかの種類がありますが、最も注目度の高いインフレ指標は消費者物価指数(CPI)です。

消費者物価指数は、総務省が毎月発表するインフレ指標で、食料品やエネルギー、住宅などのモノやサービスなどの物価の動きをまとめています。

日銀や経済の専門家がより注目するのは、消費者物価指数のコア・インフレ率になります。

コア・インフレ率は物価指数のなかで、一時的に変動しやすいモノやサービスを除いたインフレの上昇率のことを指します。

生鮮食品のように、時期や気温、雨量によって価格が変動するモノは、計測上のゆがみを生んでしまう恐れがあるため、日本では生鮮食品を取り除いたコア・インフレ率が重視されています。

なお、アメリカでは消費物価指数以外に、個人消費支出価格指数(PCE)も重要視されます。

個人消費支出価格指数は、アメリカのGDPの7割を占める個人支出の指標で、消費物価指数よりも多くの支出項目を盛り込んでいることもあり、米連邦準備理事会(FRB)が特に注目しています。

インフレが経済に与える影響

インフレは国の経済が健全的に成長しているかどうかを測る指標で、年間数パーセント程度上昇していくのが理想とされています。

しかし、インフレが過剰に進んでしまうとモノやサービスの価格が際限なく上昇し、消費者の負担が増してしまいます。

インフレが起きる原因として多いのが商品の原価やコストが上がることです。

例えば、原油価格が上昇すれば材料や商品を運搬する輸送費などのコストが上昇します。

増えた分のコストは値段に含まれて、結果として物価が上がってしまい、消費者の負担となり購買意欲を削ぐ可能性を招きます。

過剰なインフレは消費者の購買意欲を削ぐため、中央銀行は物価をコントロールしようとします。

物価をコントロールする手段として最も有名なのが、短期金利の引き上げです。

短期金利を引き上げると、企業の借入が消極的になり市場への通貨供給量が減少し、経済活動が低下し、物価を下げる効果を期待できます。

しかし、物価を下げるために短期金利を引き上げてしまうと、債券の価値に影響を及ぼします。

固定利付債は金利が購入した時点で金利が変わらないため、中央銀行が金利を引き上げてしまうと価格が下落してしまいます。

また、中央銀行が金利を引き上げなくてもインフレ率が上昇するのは債券にとって不利な状況と言えます。

例えば、元本価値10,000円の5年債を購入したとします。

インフレ率が年2%だった場合、5年後の債券の元本価値はインフレにより約9,039円まで低下します。

債券の利息がインフレ率を上回らないと、債券を購入しても損をしてしまう可能性があるのです。

このように、インフレは経済に対して様々な影響を与えます。

インフレが株式投資に与える影響

固定利付債に比べて、株式投資はインフレに強い資産と言われています。

上記でも触れましたが、インフレが進むと企業のコストが上昇し、増えた分のコストを販売価格に加えるようになります。

すると、売上高が上昇されるので、企業成績は上がり、株価が上がるきっかけとなります。

しかし、アメリカや日本ではインフレ率が上昇傾向にあると、株価が下がるのではないかという懸念もあります。

理由としては、インフレ率が2%を超えると中央銀行が金利引き締めのための政策をおこなうようになることと、物価が上昇していけば売上機会が減っていき、企業の売上が減ってしまう恐れがあるからです。

過去の消費者物価指数とS&P500指数を比べると、インフレ率が2%を超えると、将来的な株価のリターンが減っていく傾向にあります。

つまり、株式投資はある程度のインフレ時には株価が上昇するきっかけとなりますが、インフレ率が上昇しすぎると株価のリターンが鈍化してしまう可能性があります。

まとめ

適度なインフレは経済を健全に成長させる効果が期待できるため、各国の中央銀行がインフレ率をコントロールしようとしています。

インフレが続くと現金の価値は下がっていくため、物的証券である株式投資を始めるのはインフレ対策として有効です。

しかし、インフレが過熱しすぎると株価のリターンが少なくなる場合がある点には注意しましょう。

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