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宇宙開発時代の幕開け。注目の宇宙関連銘柄を解説

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7月11日に宇宙遊覧飛行をした「ヴァージン・ギャラクティック(NYSE:SPCE)」などヴァージングループを創業したリチャード・ブランソンは、世界の注目が注がれる中で開発を進めていたロケット船「ユニティ」に搭乗し見事に成功させました。

このニュースで重要なポイントは70歳という高齢でも宇宙旅行が可能であることを実証したことです。

これにより、将来は幅広い世代の人々が宇宙へ行ける時代が到来することを確信させました。

この日に急遽飛んだ理由としては、7月20日にアマゾンの創始者ジェフ・ベゾスが有人宇宙飛行を目的に創設した宇宙ベンチャー「ブルー・オリジン」の宇宙船で宇宙に行く計画を発表し、それを受けて急遽ブランソンは宇宙へと旅立つことを決断したようです。

今後の注目としては「ブルー・オリジン」が無事に宇宙飛行を成功させることと、イーロン・マスク率いるスペースXの子会社で、衛星インターネットサービスを開始した「スターリンク」がIPO間近ではないかとの憶測が強まっていることです。

いずれにせよ2021年は民間企業による宇宙開発時代が本格化した年と位置付けて良いでしょう。

注目の宇宙関連銘柄

ヴァージン・ギャラクティック

2019年10月にニューヨーク証券取引所へ「宇宙旅行会社」としては世界初の上場を果たしました。

宇宙空間で数分間の無重力体験ができる宇宙観光ツアーの事業化を目指しています。

具体的には宇宙船を飛行機で一定の高度まで持っていき、そこから切り離して大気圏を超えていきます。

この切り離しの部分でこれまで何度も失敗をしてきましたが、技術改善しFAA(連邦航空局)の承認を得られたことで今回の成功へと繋がりました。

この結果を受けてヴァージン・ギャラクティックの株価もプレマーケットで+6%上昇しています。

しかしフライトを成功させた直後に自社株5億ドルを売却し、それを受けて売りが売りを呼び、株価は−17.29%下落しました。

【米国株動向】ヴァージン・ギャラクティックが資金調達を計画。株価は下落

フライト成功直後の「売り」により、企業のブランドイメージをどれだけ保てるのか、しばらく注視した方が良いでしょう。

執筆時点の株価40.69ドル、配当はありません。

ロッキード・マーチン

1995年にロッキード社とマーチン・マリエッタ社が合併して現在のロッキード・マーチン社(NYSE:LMT)が誕生しました。

航空宇宙産業開発製造において世界最大の売上高を上げています。

現在はGM(ゼネラル・モーターズ)と共同でNASAの有人月調査「アルテミス計画」に向けた次世代月面車の開発が進められています。

また最新鋭ステルス戦闘機であるF-22やF-35の開発・製造を行なっています。

また同社には「スカンクワークス」と呼ばれる先進開発計画における選抜極秘チームがあり、ここで様々な傑作が誕生しています。

日本との関わりも深く、日本向け製品としてはF-35、ブラックホーク、シーホークなどが製造されています。

執筆時点の株価379.07ドル、配当利回り2.71%です。

ノースロップ・グラマン

1994年にノースロップ社がグラマン社を買収して現在のノースロップ・グラマン社(NYSE:NOC)が誕生しましした。

アポロ計画において人類最初の月面着陸の際の着陸船を製造したことでも知られています。

現在はアマゾン創業者ジェフ・ベゾスの「ブルーオリジン」が主導するNASAの有人月調査船を開発するメンバーにも選定されています。

ノースロップ・グラマンが展開する宇宙事業としては、巡航ミサイル打ち上げの監視やミサイルの打ち落とし警戒システムなどの安全保障から打ち上げロケット、有人飛行、商業用人工衛星・軍艦など、軍需に関わる幅広い分野をカバーしていることも特徴です。

また売上高の約80%以上が主要顧客の米国政府であることから、契約が切れない限り安定した売上高が約束されています。

執筆時点の株価370.33ドル、配当利回り1.68%です。

ボーイング

ボーイング(NYSE:BA)は米国唯一の大型旅客機メーカーであり、世界最大の航空宇宙機器の開発・製造をする会社です。民間旅客機(787ドリームライナー)、最新鋭空中給油輸送機(KC-46ペガサス)、商用有人宇宙船(CST-100スターライナー)など、軍用機からミサイル、宇宙機器などの研究開発と製造を行なっています。

執筆時点の株価228.20ドル、配当利回りはありません。

アストラ・スペース

アストラ・スペースの特徴は小型の人工衛星による低コストかつ低軌道のコンパクトな打ち上げを実現させることです。

将来的には1日1回の打ち上げを可能にすることを目標としています。

宇宙事業の中では荷物などの「運送」に特化しており、他の宇宙開発会社よりも地味ではありますが、小回りの効く存在として活躍することが期待されています。

執筆時点の株価14.04ドル、配当利回りはありません。

スペースX(非上場)

2002年にイーロン・マスクによって設立された航空・宇宙開発会社です。

創業時から掲げるミッションである「火星移住構想」から軸がブレないように、火星輸送船が往来するようになるまでIPOする予定はないようです。

貨物宇宙船「ドラゴン」や衛星インターネットアクセスを提供する「スターリンク」を開発しており、子会社となる「スターリンク」に関してはIPOする可能性があります。

そのほかにもロケットの「ファルコン」や複数のロケットエンジンを開発しています。

現在の宇宙開発競争の中でもトップを走る企業といえるでしょう。

アルテミス計画

NASAのプロジェクト「アルテミス計画」は2024年に有人月面着陸、2028年までに月面基地の建設を開始することを目指しています。

かつてのアポロ計画と異なるのは国際パートナーとともに推進して行くことです。

2019年には立て続けにカナダ宇宙庁(CSA)、JAXA、欧州宇宙機関(ESA)の参画が決定しています。

これにより将来、日本人宇宙飛行士の月面着陸が見られるかもしれません。

また2020年7月には文部科学省とNASAによる「JEDI(月探査協力に関する文部科学省と米航空宇宙局の共同宣言)」が署名されました。

日本との具体的な協力内容としては、JAXAとトヨタが月面調査用の有人与圧ローバ「LUNARA CRUISER(ルナ・クルーザー)」の研究開発が実施されます。

またアルテミス計画のミッションに欠かせないのが宇宙飛行士や貨物を月の軌道上に送る「オリオン宇宙船」です。

これは地球低軌道上の輸送を想定しており、乗員4名となる予定です。

製造・開発の主な担当は先述した「ロッキード・マーチン」です。

このオリオン宇宙船を打ち上げる役割を担うのが「SLSロケット」です。

エンジン担当はスペースシャトルと同じく「エアロジェット・ロケットダイン」ですが、ロッキード・マーチンが44億ドル(約4,550億円)で買収したことから、全て「ロッキード・マーチン」が担当することとなりました。

アルテミス計画は3つの段階にミッションを分類しています。

  • ミッション1:SLSロケットとオリオン宇宙船により地球と月の間を無人飛行で往来させる試験を実施しています。期間は最大42日間になる予定です。
  • ミッション2:SLSロケットとオリオン宇宙船を有人飛行による実験を行います。期間は10日間を想定。2022年に打ち上げ予定です。
  • ミッション3:2024年を目標に進めている有人月面着陸です。オリオン宇宙船で月の軌道に乗った後、今度はスペースXの「スターシップ」に乗り換え、月面着陸を目指すこととなります。この着陸部分に関してはスペースXの他にもブルーオリジン(ロッキードマーチン、ノースロップグラマンと連携)なども応募していましたが、スペースXが選ばれました。

このようにアルテミス計画には様々な国や企業が関わっており、宇宙時代が本格的に始動している事が分かるのではないでしょうか。

おわりに

もはや宇宙空間は地球と分けるのではなく、既に地球と地続きのような存在になっていると考えた方が良いでしょう。

今後も経済圏が地球から宇宙へとさらに拡張していき、それに伴い人類の技術は飛躍的に進歩していくことは間違いないはずです。

今回取り上げた宇宙関連銘柄以外にも、例えばGAFAMを中心にハイテク企業も宇宙への参画を進めており、宇宙空間はすでにビックデータなどのインターネット空間として利用されています。

21世紀は宇宙との関わりがこれまで以上に密接になることは間違いありません。

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