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半導体をめぐる米中、影響を受けそうな関連銘柄

出典:Getty Images

未だ、世界では深刻な半導体不足が続いており、様々な分野に広く影響を及ぼしています。

5Gスマートフォン、高性能パソコン、自動車、家電製品、産業機器の分野などで半導体需要は拡大を続けており、今や「半導体」は世界のハイテク産業にとって欠かせない存在となっています。

さて、話は遡り2年前の2019年5月、米国は中国通信機器大手の「ファーウェイ」に対し制裁を強化し、中国大手企業「ファーウェイ」をエンティティリスト(米商務省が指定する禁輸リスト)に入れ、その翌年2020年には中国大手半導体メーカーである「SMIC」も同様にこの「エンティティリスト」に加えました。

また、2019年だけで米政府が何らかの理由で制裁を科した中国企業の数は、実に129社にも及んでおり、米中貿易摩擦は激化して行きました。

2021年3月末にファーウェイが発表した財務報告書からは、2019年には19%あった売上高成長率が翌年の2020年には約4%まで下落したことが分かりました。

この報告書から米国から課せられた制裁が、ファーウェイの売上高成長率に大きく影響したという事は明確であり、同時に欧州での売り上げが激減したことも要因として挙げられます。

その際、中国も国家を挙げて自国の半導体産業を支援するため「国家集積回路産業投資基金」を設立、また地方政府でも半導体産業向け基金を設立し、大規模な設備投資を行って来ました。

さて、米国トランプ前政権が行ったこれらの中国企業に対する制裁、その意図は一体何だったのでしょうか?

その答えこそが、先月米国議会上院にて可決された法案「アメリカ技術革新・競争法案」の中枢であり、その目的は中国に対する米国ハイテク産業の強化です。

この法案は、半導体の国内生産強化やAI(人工知能)次世代通信ネットワークなどへの研究開発やサプライチェーンの構築等へ対し、5年間で2,500億ドル、日本円にして約27兆円の国家予算を投じるというものです。

この2,500億ドルの国家予算のうち、半導体設備投資と研究開発への支援とし、補助金に520億ドル、そして米国内での工場建設、又は米国内に研究開発拠点を置く企業に対し、390億ドルの補助金が割り当てられます。

そしてここ最近、世界の大手半導体メーカーが挙って進めているのが半導体の大型設備投資です。

米半導体チップ製造大手のインテル(NASDAQ:INTC)、世界最大の半導体メーカーである台湾企業TSMC(NYSE:TSM)、韓国大手企業サムスン電子など、各国を代表するデバイス企業が大型設備投資を続けています。

TSMCは今年2021年からの3年間で約1,000億ドルを投資する予定であり、同社は昨年、前トランプ政権の強い要望に応える形で米国アリゾナ州に半導体工場を建設する計画を発表しています。

米国国外の企業であっても、工場や研究施設の拠点を米国内に移すことで、米上院が可決した新法案の恩恵を受けることが出来ます。

米大手インテル、そして台湾のTSMCと韓国のサムスン電子も米国内において新工場建設を計画しています。

その際、これらの企業を米政府が直接支援すると見られています。

バイデン政権下での半導体支援政策は、米国のハイテク産業をさらに強化し、今後も続く半導体関連企業の大型設備投資を下支えすることで、米国ハイテク産業の更なる成長を私たちは今後も期待できるのではないでしょうか?

半導体関連企業の紹介

半導体ファンドリー

  • 台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(NYSE:TSM)
  • ユナイテッド・マイクロ・エレクトロニクス

ロジック半導体

メモリ

  • マイクロン・テクノロジー(NASDAQ:MU)
  • サムスン電子

半導体製造装置メーカー

EDA・ エレクトリック・デザイン・オートメーション

  • シノプシス(NASDAQ:SNPS)
  • メンター・グラフィックス
  • ケイデンス・デザイン・システムズ

最後に、中国側の意志とは

先日7月1日、中国北京の天安門広場で行われた「中国共産党創設100周年を祝う式典」にて、習近平国家主席は、強い言葉を使い「中国を抑圧する者は打倒される」と述べ「彼らは大きな鋼鉄の壁に頭をぶつけ、流血に直面するだろう」と発言しています。

共産党指導部は米国の政策を繰り返し非難し、さらに習近平国家主席は「中国に対するいじめ、抑圧、征服を決して許さない」と警告しています。

また、米中対立の争点である台湾については「中国は統一へのゆるぎない誓いを維持している」と述べました。

昨年、世界的な新型コロナウイルス感染によるパンデミックが起き、サプライチェーンの乱れが起きました。

そこで私たちは、中国依存であること、また半導体に関しては、世界が台湾依存であることを認識しました。

トランプ前政権は、世界最大の半導体メーカーである台湾企業TSMCの工場を米国に誘致することに成功しましたが「中国共産党創設100周年を祝う式典」にて、中国習近平国家主席が見せた「中国統一」への強い意志、そして強い言葉での米国に対する警告、そしてバイデン政権も中国に対し強硬な姿勢である点から、ハイテク産業の分野においても、米中の動向に今後も注目せざるを得ないのだと強く感じました。

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免責事項と開示事項 記事の作者、コージンスキ祐華は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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