The Motley Fool

市場規模を広げているSDGs債とは?国内のSDGs私募債についても解説

出典:Getty Images

近年はグリーン投資や脱炭素投資信託など、環境問題や社会的課題を解決するための事業に投資をするのが注目されています。

そこで今回は、市場規模を増やしつつあるSDGs債について解説します。

SDGs債とは?

SDGs債とは、SDGsに貢献することを目的とした事業の資金を調達するための債券の総称です。

SDGsは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、先進国と途上国が一緒になって達成すべき目標のことを指します。

最近ではメディアで取り上げられる頻度も高まり、大手企業を中心にSDGsを意識した取り組みや事業は必須となっています。

そのため、企業はSDGsに貢献するための事業を展開する資金として、SDGs債を発行するようになっています。

日本証券業協会によれば、日本国内で公募されたSDGs債の発行額・発行件数は年々高まっています。

  • 2016年:総額450億円…3件
  • 2017年:総額1,891億円…15件
  • 2018年:総額4,884億円…36件
  • 2019年:総額1兆2,139億円…83件
  • 2020年:総額2兆1,339億円…146件

2021年3月末時点で総額5,089億円・31件を突破しており、このままのペースなら前年を上回ると予想されています。

世界規模でみれば発行されているSDGs債の日本が占める割合は2019年時点で4%と低く、これから日本国内でSDGs債が増えていく余地があると言えます。

SDGs債の種類

SDGs債は大きく分けると次の3つの種類になります。

  • グリーンボンド
  • ソーシャルボンド
  • サステナビリティボンド

それぞれ、順番に解説します。

グリーンボンド

グリーンボンドとは、主に地球温暖化対策や、太陽光発電、バイオマス発電などの再生可能エネルギーなどに特化した事業の資金調達のために発行される債券のことです。

2008年に世界銀行グループの国際復興開発銀行が「グリーンボンド」という名称で発行したことから、環境分野への取り組みに特化した事業の債券の総称として用いられています。

日本ではESG投資の一環としても知られており、年々市場規模を伸ばしています。

グリーンボンドとは?仕組みとメリットを詳しく解説

ソーシャルボンド

ソーシャルボンドとは、主に社会的課題の解決を目的とした事業の資金調達のために発行される債券のことです。

ポイントは、ソーシャルボンドは社会的課題の解決を目的として発行することが条件となっていることで、第三者評価機関からソーシャルボンド原則の4つの要素に適合しているか審査されます。

日本では2021年6月25日に東京都が国内の地方自治体として初めてソーシャルボンドを発行することを条件決定しました。

発行額は300億円に対して、最終需要は約3,420億円となり、ソーシャルボンドやSDGs債の注目度の高さを表しています。

サステナビリティボンド

サステナビリティボンドは、環境課題と社会的課題の両方の解決を目的とした事業の資金調達のために発行される債券のことです。

つまり、グリーンボンドとソーシャルボンドの両方を兼ね備えたSDGs債になります。

2013年に初めて発行され、当時は政府系金融機関や地方自治体などの公共機関が発行事業体でした。

その後、商業系銀行や民間企業でも発行されるようになり、2020年に国内で発行されたサステナビリティボンドは総額4,435億円に上ります。

SDGs私募債とは?

一般的に、債券は広く投資家を募る公募債と、募集対象を限定して発行する私募債の2種類があります。

つまり、SDGs私募債とは、SDGsに貢献することを目的とした事業の資金調達を、少数の投資家に向けて発行する債券のことを指します。

日本の場合は発行事業体が発行したSDGs私募債を銀行が引き受けるため、個人投資家が購入することはできません。

しかし、SDGs私募債を発行した企業というのは、長期固定金利により安定した資金調達に成功した企業となるので、投資先を選定する際の材料となります。

SDGs私募債の種類

SDGs私募債は募集対象を限定しているので、SDGs公募債に比べて規制が緩やかなどのメリットがあります。

そのため、SDGs私募債は次の2種類に分類されます。

  • SDGs内容型私募債
  • SDGs寄付型私募債

それぞれ、順番に解説します。

SDGs内容型私募債

SDGs内容型私募債とは、調達資金の使途がSDGs達成に貢献できる事業、あるいはエコ認証などを取得している企業の運転資金と限定されています。

世界的に見ればSDGs債のグローバルスタンダードな内容で、金利の優遇もされています。

ただし、日本国内だと認知度は低く、一般的とは言えません。

SDGs寄付型私募債

SDGs寄付型私募債は、調達資金の使途が限定されていない私募債のことを指します。

債券発行手数料の一部をSDGsに貢献する活動をしている団体に寄付をすれば、残りの資金をどのように使用しても問題ありません。

日本ではSDGs私募債と言えば寄付型を指すのが一般的で、地方銀行ではSDGs関連団体を寄付先としたSDGs寄付型私募債の商品を扱っています。

個人投資家がSDGs債を購入するなら

SDGs債は広く投資家を集める債券ですが、多くは機関投資家向けの商品で、個人投資家向けの商品は少ないです。

もしも、SDGs債の購入を考えているなら、JICA債の購入を検討してみましょう。

独立行政法人国相協力機構(JICA)は開発途上国への国際協力を目的とした団体で、協力の中には低金利かつ返済期間の長い有償資金協力があります。

JICA債にて調達された資金は全額が有償資金協力業務に充当されるため、SDGs債を購入するのと同じ意味になります。

申込単位が10万円単位なので、個人投資家でも購入しやすい価格となっています。

まとめ

以上が、SDGs債の解説になります。

SDGs債は、環境課題や社会的課題を解決するための事業の資金を調達するために発行される債券で、目的によっていくつかの種類に分かれます。

日本ではSDGs寄付型私募債が人気を集めており、多くの企業が発行しています。

ただし、SDGs債は機関投資家を対象に発行していることが多いため、SDGs債に興味がある方はJICA債などを検討してみましょう。

フリーレポート配信

優良企業30社で構成されるダウ平均株価は、1世紀以上にわたり世界中でフォローされています。ダウ構成銘柄の長年の良好なパフォーマンスを考えると、市場参加者が注目するのはごく自然なことで、最近はこれから紹介するダウ4銘柄が注目されています。

著名投資家も注目の優良大型株4銘柄」はこちらからご覧ください。(メールアドレスの登録が必要です)

また、ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。

公式ツイッターアカウント公式フェイスブックアカウントをフォローする。

また、公式LINEアカウントの方では、投資初心者向けの情報を発信しています。
友だち追加

免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

最新記事