The Motley Fool

バークシャー・ハサウェイに最近起きた、環境関連の二つの出来事

出典:Motley Fool

バークシャー・ハサウェイ(NYSE:BRK.A)(NYSE:BRK.B)の今年の年次株主総会の際に、株主提案で提出された議事がありました。

気候変動リスクに関してどのようなリスクと対策を練っているのかを自己評価するレポートをバークシャー・グループとして公表する、という提案でした。

これに関して、バークシャー・ハサウェイの取締役会は、「気候変動対策」は非常に重要なテーマであることを認めつつも、バークシャー・グループの分散型構造を尊重し、傘下各社が個別にすべきものであり(実際そうしている)、グループ全体として、やる必要はないので、この株主提案に反対の推奨を出しました。

株主の議決権投票でも、取締役会の推奨通りに否決されました。

ESG問題、特に「E」に関連する気候変動対策に関して、こうした株主提案がバークシャーにも出されるようになってきています。

バークシャー傘下には、エネルギー企業、鉄道企業(石炭の輸送では全米で有数)、化学製品製造会社など、批判の対象になりやすい企業があります。

バフェットがその経営陣を信頼して買収しているので、対応はきちんとしていることは間違いないでしょう。

それでも想定外のことも起きるものです。

実際に6月の中旬、バークシャーの子会社であるルブリツォル(Lubrizol、2011年バークシャーが$9bil=約9900億円で買収)の更に子会社であるケムトゥール(Chemtool、1963年創業、2013年Lubrizolが買収)のイリノイ州のロックトン(Rockton)の工場で大爆発が起き、工場が数日間に渡り燃え、近隣住民が避難を余儀なくされました。

イリノイ州の環境保全庁は、州の司法長官に法的措置を取るように要請しています。

会社側は、「火災の原因の究明を行っている。燃えた化学製品からして、長期的な健康被害はないと考えられるが、短期的には通常の煙を吸った時のような軽い症状が出る可能性がある」と発表しています。

また、州や連邦政府の規制当局と協力して事態の解明と対応を図ると約束しています。

さらに、従業員の雇用を守ること、避難を余儀なくされた人には避難にかかるコスト(宿泊費など)を支払う、火災の片付けや工場の修復には地元の企業に発注する形で対応していくことを約束しています。

事故後の対応は、リスクマネジメント的にはきちんとしています。

ただ、環境団体からも注目された株主提案を否決した直後であったので、あまり、タイミングとしは宜しくないと言えるでしょう。(事故そのものは決して起きてほしくないのは当然ですが)

これが来年の株主総会に向けて、環境関連団体や機関投資家から厳しい注文を付けられるきっかけになりやすくなるかと思われます。

環境関連の対応については、機関投資家からの要求は、厳しくなることはあれ、弱まることはないので、バークシャーとしても対応せざるを得ない状況になっていくかと思います。

一つめの出来事は、バークシャーにとってマイナスの環境関連の出来事でした。

二つめは、バークシャー・エナジー傘下のパシフィコ―プ(PacifiCorp)の新たな取り組みです。

ビル・ゲイツも共同創業者になっているテラパワー(TerraPower)とパシフィコ―プが共同で、ワイオミング州の石炭火力発電所において、新なタイプの原子炉を作るというニュースです。

このテラパワーという会社は、自社を「原子力のイノベーション・カンパニー」と呼んでいます。

ここで使われるのは「ナトリウム原子力テクノロジー」(Natrium nuclear technology)と呼ばれるもので、GE Hitachi Nuclear Energy(GEと日立の原子力発電JV)が開発したものです。

安全性とコストの面で、従来の大型の原子炉を使った原子力発電に大きく優位に立つ技術です。

小規模モデュラー原子炉は、発電量は従来型に比べれば小さいですが、より安価にそしてより早く建設することができます。そして安全性にも優れています。

古くなった石炭火力発電所跡に設置していくので、新たな送電網を作る必要なく出来ることで全体としてのコスト削減に大きく貢献します。

また石炭火力から原子力への変更なので、二酸化炭素の削減にも大きく貢献します。

このプロジェクトでは、発電した電力を”molten salt-based energy storage system“(融解塩ベースのエネルギー貯蔵システム)に蓄え、必要に応じて送電する仕組みも取り入れられています。

このプロジェクトは、実用運転目的ではなく、デモンストレーション目的であり、ナトリウムテクノロジーを使った原子力発電の、デザイン、建設、そして操業などの特徴の検証を目的としています。

これは、米国エネルギー省の先進的原子炉デモンストレーション・プログラムの補助金$80mil(約88億円)を得て可能となったとのことです。

まだ具体的な場所の発表はされていませんが、火力発電所に代わる発電形態の一つとして期待されています。(原子力発電も再生可能エネルギーの一つとして扱われています)

バフェットがビル・ゲイツと親友であることは関係ないと思いますが、バークシャー・エナジーは、火力発電もまだやっていますが、太陽光・風力・水力・地熱など様々な再生可能エネルギーに取り組んでいます。

その一環として、先進的な原子力発電にも取り組んでいるようです。

バフェットの会社は、オールド・ビジネスばかりではありません。

原子力発電に関しては、様々な意見があるかと思いますが、世界では、このNatrium Nuclear Technology、小型モデュラー原子炉が次世代原子力発電として注目されています。

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