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トップクラスのリターンを誇る、航空宇宙・防衛関連ETF「UFO」から選ぶ、優秀な銘柄3選

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コロナ禍の2020年に世界的に経済成長率が失速する中、世界の総軍事費用は1兆9,810億ドルと前年比プラス2.6%で過去最高を記録しており、また冷戦終結の宣言後の30年間で4割増加となり、世界全体の6割超を占める上位5カ国を筆頭に、軍拡競争が加速しています。

出所:ストックホルム国際平和研究所「World military spending, by region」

特に、近年は米中を筆頭に軍事闘争の舞台が無法地帯の宇宙へシフトしつつあり、今年2月には米航空宇宙局(NASA)の探査機が火星着陸に成功。

また中国も同5月に無人探査機の着陸と撮影を達成する等、宇宙探査をはじめとするビジネス拡大の機運が高まっています。

政府宇宙関連投資の上位国別割合(2019年)

上位5カ国 シェア 概要
米国 71% トランプ前大統領が宇宙軍(スペースフォース)創設を宣言し、NASAが有月面探査計画「アルテミス」を予定
中国 13% 30年には国家航天局(CNSA)主導で、火星からのサンプルリターンを実現し、米国に並ぶ「宇宙強国」を目指す
EU 9% 欧州宇宙機関(ESA)が月面での有人宇宙活動を支える月衛星の通信ネットワークを作る計画「ムーンライト」を予定

出所:Euroconsult、日経新聞の各種資料を基に筆者作成

そこで、今回は将来的に1兆ドルの市場規模が予想される「航空宇宙・防衛関連産業」をテーマに、その関連銘柄に投資するETFの中でも、直近のリターンがトップクラスの「UFO(Procure Space ETF)(NYSEMKT:UFO)」を対象に、その構成銘柄をご紹介致します。

Symbol Total Assets ($M) YTD Return 1 Year Return Expense Ratio Inception
UFO 129.0 19.54% 46.29% 0.75% 2019/4/11
ROKT 24.8 11.18% 32.33% 0.45% 2018/10/22
PPA 754.5 14.07% 28.19% 0.59% 2005/10/26
ITA 3,017.3 18.51% 26.60% 0.42% 2006/5/1
ARKX 630.9 2.85% N/A 0.75% 2021/3/30

出所:ETF.com.「Aerospace & Defense ETF Overview」を基に筆者作成

実際に、米新興運用会社の「ProcureAM」が手掛ける唯一の宇宙関連ETFの「UFO」はベンチマークである「S-Network Space Index」を通じて、ウェイトの80%以上を、衛星技術の活用といった宇宙関連産業からの収益が大半を占める約30社程度に配分しており、それらに投資すべき3つの理由を明記しています。

ライドシェアや料理宅配等の位置情報アプリの急成長で、衛星ナビゲーションの活用機会の増加
ロケットや衛星等の打上げコストの低下に伴い、衛星・観光・通信業界への参入障壁が低下かつ、市場規模の成長
米政府の宇宙軍(スペースフォース)創設を機に、航空宇宙・防衛企業への投資が加速

出所:ProcureAM「Three reasons to consider investing in the Space Economy」

出所:出所:BryceTech「2019 Global Space Economy at a Glance」を基に筆者作成

現状では、「高速大容量」「低遅延」「低コスト」といった衛星によるインターネット通信を見据えて、高度100Km圏を中心とした低軌道の「近い宇宙」が宇宙経済の中心とされていますが、調査会社ブライス・スペース・アンド・テクノロジーによると、世界の宇宙スタートアップへの投資額は世界屈指の起業家を筆頭に、19年に過去最高の57億ドルと前年比で6割増加と月や火星への有人飛行をターゲットに市場規模が拡大傾向にあります。

【今年実現予定の主な宇宙旅行】

創業者 ベンチャー

企業

創業年 21年商業化予定の宇宙ビジネス
ジェフ・ベゾス Blue Origin 2000年 7月に高度100km超の「サブオービタル飛行」で同社初の有人飛行へ
イーロン・マスク SpaceX 2002年 9月に民間の搭乗者4人が宇宙船「クルードラゴン」内(高度約540キロメートル)に3日間滞在
リチャード・ブランソン Virgin Galactic HD 2004年 5月に有人飛行試験で2年ぶり3回目の成功を機に、25万ドル/人で「サブオービタル飛行」を事業化

出所:各社HPを基に筆者作成

とりわけ、米アマゾン・ドット・コム創業者のベゾス氏、米テスラのマスクCEOや英起業家のブランソン氏率いる各スタートアップ企業が商業宇宙旅行の実現に向けて、年内にも有人宇宙飛行の初フライトを計画する等、彼らの中長期的な経営姿勢が注目されています。

それでは、今回は「UFO」を分析対象に、その構成銘柄上位20銘柄から直近1年間の株価リターンが最も高い3銘柄をご紹介致します。

【優秀銘柄】~UFO~

3-Year Average

Growth Rate

TTM TTM As of June 11th, 2021
Ticker Industry Revenue Operating Margin FCFM Trailing Return

(1-year)

1 ORBC Telecom Services -0.76% -0.10% 10.79% 160.44%
2 TRMB Scientific & Technical Instruments 5.85% 15.00% 21.40% 73.48%
3 4825 JP Specialty Business Services 7.28% 13.20% 8.90% 60.53%
4 GRMN Scientific & Technical Instruments 10.69% 25.60% 24.87% 46.01%
5 DISH Entertainment 2.49% 19.70% 7.53% 16.77%
6 SIRI Broadcasting 14.01% 23.20% 18.76% 9.70%
7 ETL FP Communication Equipment -4.72% 37.50% 57.00% 8.43%
8 LHX Aerospace & Defense 37.87% 11.20% 13.97% 6.27%
9 SESG FP Broadcasting -3.37% 16.60% 46.79% -6.14%
10 SATS Communication Equipment 0.04% 8.30% 3.08% -24.04%

出所:morningstar.com「Key Ratios」を基に作成

*FCFM:フリーキャッシュフロー・マージン

オーブコム

年間チャート

コメント

1993年創業の同社は産業用IOT(モノのインターネット)サービスにおける世界的なリーダーとして、企業の保有資産の可視性と運用効率の向上を念頭に、衛星や携帯電話によるシームレスな接続、独自のハードウェア、強力なアプリケーション等の幅広い資産監視・制御ソリューションを提供しており、サブスクリプション契約(定額課金)では米小売り最大手のウォルマート等の一流企業を含め、220万件に及ぶ多様な顧客基盤を有しています。

サービスの導入分野別では、売上げの過半数を占める陸上輸送を筆頭に、重機、海運、政府機関、天然資源と多岐に渡り、IOT機器の対象としては物流トラック、トレーラー、コンテナ、建機等の有形資産を中心に、25年以上の経験で培われた低軌道衛星とセルラー方式の基地局の通信技術を活かしたモニタリング及び、稼働分析サービスに定評があります。

現行の「4G(LTE)」から高速通信規格「5G」への移行に伴うIOT機器の普及を追い風に過去10年間における同社の業績推移では、売上高が年複利成長率21%かつ、営業キャッシュフローも同30%のペースで拡大しており、今後も次世代通信規格「6G」の導入が予想される2030年代に向けて、中長期的な増収トレンドの継続が期待されています。

直近の21年第1Q決算では、売上高が前年同期比3.8%減かつ、主に衛星の減損計上により約10万ドルの最終赤字となる一方で、売上げの約4割を占めるプロダクト事業では同四半期に87,000点のデバイス機器を出荷しており、アイゼンバーグCEO(最高経営責任者)によると、顧客需要がコロナ禍以前へ回復しつつあり、更に米投資会社「GI Partners」による買収が同社の株主価値の増加をもたらすと先行きに前向きな姿勢を見せています。

トリンブル

コメント

米測量機器大手の同社は創業以来40年超に渡って、GPSをはじめとするポジショニングと3次元(3D)情報のクラウド上での統合管理やデータ分析等を手掛けるソフトウェア、ハードウェア、各種専門サービスが、目的に応じた製品から企業のライフサイクルソリューションまで、150ヵ国以上の農業、建設、地理空間、輸送・物流などの幅広い業界で採用されており、これまでの特許の累計取得数は2,000件超に及ぶ世界的なテクノロジー企業です。

経営資源を最も集中させるコア事業としては、建設現場で3Dの設計モデルを駆使して建機の稼働を制御しながら工程の進捗管理を効率か、また農業や輸送分野ではリアルタイムで農作物、道路、車両等の状況を把握する事で、最適な農耕計画及び、輸送手段を可能にしており、新興分野においても森林、鉄道、水道・電力といった公益事業の現場でICT(情報通信技術)を用いて、各種業務のデジタル化といった顧客需要を多方面から支えています。

セグメント別では売上げ全体の約4割を占める「Buildings & Infrastructure」を筆頭に、主に測量、エンジニアリング、政府、土地管理向けの「Geopatial」、農業、林業、公益向けの「Resources & Utilities」と「Transportation」の4部門を軸に、足元ではサブスクリプションとソフトウェア(SaaS)事業の売上げが過半数を超えた事で、3期連続で営業利益率2桁台を維持する等、収益基盤をより強固にしつつあります。

20年通期は売上高が前年比4%の減収となるも、年間経常収益が3期連続の増収を達成する中、純利益と営業キャッシュフローがいずれも二桁台の増加となり、潤沢な手元資金をてこに売上高の1割弱をデータ分析やクラウドといったSaaS関連の研究開発に資本を投下かつ、主要3部門を補強するべく買収9件を実施する等、攻めの経営姿勢が注目されています。

ウェザーニューズ

年間チャート

コメント

1986年創業の同社は日本発の民間気象情報会社として、独自の観測・感測ネットワークから得られる気象データと、海外20拠点をベースに各国の官営気象データによる全世界の気象データベースを駆使して、「全世界78億人の情報交信台」という経営ミッションを念頭に、個人向けには「ウェザーニュース」といったスマホアプリを軸に、また法人向けには気象予測に基づく問題解決型の各種コンテンツの研究開発から販売提供を手掛けています。

売上げの6割弱を稼ぐ主力の法人向けには、船舶や航空機、鉄道や道路の安全・効率運行等を支援する航海・航空・陸上気象情報を、また電力・ガス会社や小売業の需要予測等を支援する環境気象サービスなどを提供しており、直近では航空会社向けの火山灰の拡散予測に加えて、人工知能(AI)で衛星画像を分析し、小規模な火山噴火を迅速に検知するシステムを開発する等、活火山の多い東南アジア地域を中心に海外売上げの増加が予想されます。

業績面では、通期で3期連続の増収増益を維持しており、直近発表の21年第3Qで売上高が前年同期比3.5%増かつ、純利益も同22%増となり、コロナ禍の外出制限が影響し航空・航海気象情報サービスの売上げが落ち込む一方で、テレビCMやネット広告の強化で個人利用者が増え、利用料と広告収入が伸びた事で、サービスのトールゲート化(継続的利益収入)に繋がり、5年ぶりの営業利益率20%台回復に向けて収益率の改善が期待されています。

IoT(モノのインターネット)で注目銘柄3選

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スマホやPCだけでなく、家電、自動車、産業機器といったモノのインターネット化、いわゆるIoTが急速に進んでいます。インターネットに接続されている「モノ」は人口よりも多く、拡大を続けるデバイスから得られるデータや自動化には、大きな付加価値が生まれるものと期待されています。

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