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欧州(スイス)大手製薬企業の最新業績:ノバルティスとロシュ

出典:Getty Images

新型コロナウイルスの感染者数が再び上昇している国はありますが、世界全体ではパンデミックの状況は落ち着いて来ています。

しかし、例えば、日本でオリンピックとパラリンピックが開催されれば、感染状況は悪化する可能性があります。

したがって、今年中に収束する感じではなさそうです。

このような状況であるため、ヘルスケア企業(製薬やバイテク企業)の役割はまだ重要です。

特に、コロナワクチンやコロナ治療薬、コロナ検査関連製品を提供しているヘルスケア企業に注目して投資を検討するべきです。

最も重要でかつ大きいヘルスケア市場は米国ですが、グローバルレベルで重要かつ大きいヘルスケア企業は米国だけでなくヨーロッパにも結構あります。

そこで、今回の記事ではスイスのグローバル大手製薬企業であるノバルティス(NYSE:NVS)とロシュ(OTC:RHHBY)の最新業績や最新情報について解説していきます。

ノバルティスの業績やパンデミック対応は順調

最初に、スイスの大手製薬企業であるノバルティスの最新業績などについて解説していきます。

ノバルティスのパンデミックへの対応

ノバルティスは、スイスの製薬企業であるMolecular Partnersと提携して、2つのコロナ治療薬を開発しています(MP0420とMP0423)。

これらの治療薬の臨床試験は順調に進んでおり、現在は臨床試験のフェーズ2と3の段階です(フェーズ3が最終段階)。

他には、ファイザーのコロナワクチンの製造請負やドイツの製薬企業であるCureVacのコロナワクチン開発のサポートも行なっています。

ノバルティスとは

ノバルティスは、ニューヨーク証券取引所とスイス証券取引所に上場されているスイスのグローバル大手製薬企業です。

同社が取り組んでいる疾患領域は、がんや神経疾患、皮膚疾患、心臓疾患、免疫疾患です。

売上で比較した世界の製薬企業ランキングでは5位にランクされています。

また、格付け会社からも高い評価を得ており、例えばフィッチからAA-という高評価を得ています(長期格付け)。

直近の同社の株価はまだコロナショックから完全に回復していませんが、逆にこれは購入するチャンスと捉えることができるかもしれません。

ノバルティスの業績は順調

ノバルティスの2021年の第1四半期(Q1)の決算報告書は今年の4月27日に発表されました。

前年同期比で見てみると、全体的にはそれほど問題なさそうです。

以下に、具体的な数字や原因などについて説明します。

  • トータルの売上高:1%増加(2021年Q1: 124.1億ドル、2020年Q1: 122.8億ドル)
  • 純利益:5%減少(2021年Q1: 20.5億ドル、2020年Q1: 21.7億ドル)

今期では心臓疾患やがんの治療薬の売り上げが好調であり、それらが売り上げに大きく貢献しました。

ただし、一部でパンデミックの影響を受け、純利益と営業利益がやや減少してしまいました。

売上高のレベルが維持されていることやパンデミックはいつか収束するので、この問題は短期的といえるでしょう。

ロシュはコロナ検査関連製品の売り上げが大幅増

次に、スイスのグローバル大手製薬企業であるロシュについて解説していきます。

今期での主な特徴は、特にコロナ検査関連製品の売り上げが大きく伸びたことです。

ロシュのパンデミックへの対応

パンデミックへの対応として、ロシュはコロナ検査のキットや関連製品を開発・販売を行っています。

現時点では18種類のコロナ検査ソリューションを提供しています。

その中には15分で検査ができる抗原テストも含まれます。

パンデミックの状況を把握するためにはコロナ検査が欠かせないので、この需要は少なくとも1−2年は続くのではないかと思います。

後述しますが、同社はこのコロナ検査製品で大きな売り上げを得ています。

ロシュとは

ロシュの正式社名はエフ・ホフマン・ラ・ロシュであり、スイスのグローバル大手製薬企業です。

スイス証券取引所のみに上場されています。

同社には製薬部門と診断部門があり、製薬部門の売り上げの方が多くを占めています。

同様に、世界の製薬企業ランキングでは常に上位にランクされており、格付け会社であるムーディーズやフィッチから高い評価を得ています。

ここ数年の同社の業績は上昇傾向にありますが、後述するように製薬部門が伸び悩んでいるようなので、この点に気をつける必要がありそうです。

ロシュの業績も順調

ロシュの2021年の第1 四半期(Q1)の決算報告書は、今年の4月21日に発表されました。

今回は純利益や営業利益は発表されませんでしたが、売上のレベルは何とか維持されているという感じです。

以下に具体的な数字や原因について述べます。

ちなみにロシュの決算報告書は、スイスフラン(CHF)で記述されています。

  • 売上高:1%減少(2021年Q1: 149.3億スイスフラン、2020年Q1: 151.4億スイスフラン)

製薬部門と診断部門の前年同期比の売り上げは、各々14%減および50%増でした。

したがって、今期の売上高減少の主な要因は製薬部門の売上の減少です。

同社によれば、この減少の原因はパンデミックの影響に加えて、競合他社が販売しているバイオシミラー医薬品(特許が切れた医薬品で安い値段で販売可能)による競争の激化とのことです。

つまり、パンデミックが収束してもこの部門が抱えている問題は残ることになります。

とはいえ、新しい医薬品の売り上げは結構伸びているので、それほど心配する必要はないかもしれません。

一方で、診断部門は大きく伸びましたが、この主な要因はコロナ検査関連製品の売り上げ大幅増です。

今後の見通し

スイスのグローバル大手製薬企業であるノバルティスとロシュの最新業績や最新情報について解説しました。

両社ともパンデミックにうまく対応できており、結果として業績は順調です。

したがって、2021年の両者の業績はさらに成長することが期待でき、これらの銘柄の購入を検討する価値がありそうです。

現時点では両社ともパンデミックによる需要の減退の影響をいくらか受けていますが、これは一時的なものなのでそれほど心配する必要はないでしょう。

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免責事項と開示事項 記事の作者、小田茂和は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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