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信用取引の逆日歩の影響で株価が上昇する理由

出典:Getty Images

逆日歩は信用取引の売り方が証券会社に対して負担するコストのことです。

信用取引の売り方のみが負担するコストであるため、買い方や、現物投資家には関係ないと考える方もいるかもしれません。

しかし、逆日歩の発生は株価に影響を与える可能性があります。

特に大きな逆日歩が発生した銘柄や、継続して逆日歩が発生した銘柄は短期的に株価が上昇しやすくなります。

この記事では信用取引の逆日歩が株価に与える影響について解説していきます。

特に信用取引の割合が多い銘柄を取引する場合は、株価の変動を読む材料の一つになりますので理解しておきましょう。

株式の信用取引における逆日歩とは?

信用取引の買い方が証券会社に支払う金利コストのことを日歩といいますが、売り方が支払うコストのことを逆日歩といいます。

逆日歩は品貸料とも呼ばれ、信用取引の売り方が証券会社に対して負担するコストのことです。

信用取引には制度信用取引と一般信用取引がありますが、逆日歩が発生するのは基本的に制度信用取引になります。

制度信用取引を利用して売り建てをおこなうと、証券会社は証券金融会社から貸株を調達しますが、不足していた場合は別の金融機関から調達する必要があります。

他の金融機関から貸株を調達するのにかかったコストを逆日歩として投資家に請求しているのです。

一方で、一般信用取引では信用取引できる銘柄は証券会社が決めており、証券会社と投資家だけで取引が完結します。

外部の機関から株を調達しなければ逆日歩はかかりません。

信用取引が活発化し、信用売り残高が信用買い残高を上回り、証券会社が証券金融会社から株を用意できなくなったときに逆日歩は発生するのです。

逆日歩で株価が上昇する理由

逆日歩の仕組みについて理解したところで、なぜ逆日歩の発生が株価の上昇要因になるのかを考えてみましょう。

高い逆日歩がつき、逆日歩が継続して続くと信用取引の売り方はコストを負担する必要があります。

売り方は信用取引のコストがかさむのを避けるために買戻しを開始します。

売り方の買戻しが増えれば、株価が上昇しやすくなります。

また、逆日歩が発生している銘柄では買い方が逆日歩を受け取れます。

逆日歩は売り方にはデメリットのある状態ですが、買い方にはメリットのある状態であるため逆日歩を目当てに信用買いが増えることも予想されます。

よって、逆日歩が発生すると信用取引において、売り方が損をしている状態かつ買い方が得をする状態になるので、株価の上昇要因の一つになる仕組みです。

もちろん、逆日歩の発生によって必ず株価が上昇するわけではありません。

逆日歩の発生した銘柄の株価が上昇したのであれば、このような要因で株価が上昇した可能性があります。

逆日歩が発生した銘柄を調べるには?

逆日歩が発生した銘柄を調べるには、日本証券金融会社の賃借取引情報を調べるのが確実です。

個別銘柄で発生した逆日歩の額や、品貸料率、品貸日数の閲覧ができます。逆日歩銘柄の情報を公開している証券会社もありますが、逆日歩を分析するうえで必要な情報がすべて載っているので、詳しく分析したい方は日本証券金融会社を利用するのがおすすめです。

逆日歩が発生したことが分かるのは、約定日の翌営業日以降になるので取引をする前に逆日歩が発生するかどうかは分かりません。

逆日歩が発生するかどうか予想を立てるうえでも分析が必要になります。

逆日歩を買いと見るかは取引に対する姿勢次第

逆日歩が発生した銘柄は株価が上昇しやすいと解説しましたが、株式投資には「逆日歩に買いなし」という言葉があります。

逆日歩の影響によって一時的に株価の上昇が期待できますが、売り方の多い銘柄は株価が下落することを予想している投資家が多い銘柄です。

よって、一時的に株価は上昇しても、その後は株価が急落するリスクもあるので逆日歩に買いはなしといわれます。

一方で、一時的であっても株価が上昇するので「逆日歩に売りなし」という言葉もあります。

相反する言葉が2つありますが、結局のところどちらが正しいのでしょうか。

逆日歩を買いと見るかどうかは投資に対する姿勢次第といえます。

短期的な取引をするなら、逆日歩が発生している銘柄を購入して上昇したときに売却すれば利益を上げることが可能です。

中長期投資を前提にするなら、逆日歩の影響で一時的に株価が上昇しても下落するリスクがあるので、長期的な株価の上昇にはつながりません。

仮に株価が割安で長期的に株価の上昇が期待できる銘柄であったとしても、短期的には株価が下落すると考えている投資家が多いのであれば、信用取引が落ち着くまで買いを控えるのもよいでしょう。

「逆日歩に買いなし」「逆日歩に売りなし」という言葉は投資家の方針によっても変わってくるので、逆日歩が株価に与える影響を理解して適切な取引を心がけるようにしましょう。

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