The Motley Fool

老後破産を迎えてしまう4つの原因は?老後破産の対処方法も解説

パソコンを眺めるアジア人夫婦
出典:Getty Images

老後に向けて貯蓄をしていても、きちんとしたシミュレーションや計画を立てていないと老後破産を迎えてしまう可能性があります。

実際、貯蓄をしているにもかかわらず、老後に入ってから年金だけでは生活できなくなり、生活保護を申し込む方の数は増えています。

そこで今回は、老後破産について解説します。

老後破産を迎えてしまう原因や対処方法についても合わせて解説します。

老後破産の定義

老後破産の定義は幾つかありますが、本記事では「定年後の年金生活において破産状態に陥ること」を指します。

実際、現役時代に貯めた貯蓄や退職金が不足し、寝金だけでは暮らせなくて破産状態になるケースが増えています。

厚生労働省の生活保護の被保護者調査によれば、生活保護受給者数およそ163万件以上のうち、およそ89万件(全体の54.8%)は高齢者世帯が占めています。

生活保護を開始した理由で最も多いのが「貯金など減少・喪失」で、「傷病による」が続きます。

つまり、老後破産は定年前の収入や定年後にもらえる年金額とは関係なく、誰でも発生するリスクがあるのです。

老後破産の4つの原因

老後破産に陥る原因は次の4つです。

  • 生活レベルを落とせない
  • 医療や介護の費用
  • 住宅ローンの返済
  • 子どもに関する費用

それぞれ、順番に解説します。

生活レベルを落とせない

老後破産が起きてしまう主な原因は、定年前の生活レベルを落とせないことです。

総務省統計局の「家計調査年報2019年」によると、40代以上の二人以上世帯の月間平均支出は次のようになっています。

  • 40~49歳…332,539円
  • 50~59歳…354,252円
  • 60~69歳…292,533円

一方、夫が会社員で妻が専業主婦の場合の年金月額平均受給額は218,469円です。

二人とも働いている場合でも、267,929円となります。

単純に比較しても、年金だけで定年前の生活水準を支えることは難しいです。

そのため、定年後に定期収入がある方は別ですが、大抵の場合は老後に備えて蓄えていた資産を切り崩して生活をしています。

結果、貯蓄が尽きてしまい、老後破産を迎えてしまうケースがあります。

医療や介護の費用

高齢者になると医療費や介護費用が増えていきます。

「家計調査年報2019年」によると、若者世代の保険医療費が月間平均8,580円に対して、65歳以上は月間平均15,965円に増加しています。

人によっては公的保険だけでは対応できず、さらに出費が嵩むケースがあります。

また、高齢者にとって介護費用は大きな負担となります。

厚生労働省の調査によれば、一人当たりの介護費用は月額平均172,600円です。

在宅介護をする場合でもデイケアのような介護予防サービスを利用すれば、介護費用はさらに嵩みます。

政府や自治体から介護給付など支給されていますが、介護給付だけで介護費用をすべて賄うのは難しいです。

やはり、老後の貯蓄や退職金を切り崩した結果、老後破産を迎えてしまうケースは珍しくありません。

住宅ローンの返済

一般的な住宅ローンの返済年数は35年です。

仮に30歳になって住宅を建てた場合、返済は65歳までに完了します。

しかし、国土交通省の住宅市場動向調査によると、中古を除き住宅を初めて購入した方の平均年齢は約38歳です。

仮に40歳で35年の住宅ローンを組んだ場合、返済し終わるのは75歳で、定年後になってしまいます。

年金受給者が住宅ローンを支払うのは、大きな負担と言えます。

また、銀行側は退職金により一括返済を前提とした住宅ローンを組む場合もあります。

しかし、退職金を老後の蓄えと考えている場合だと、一括で返済するのは難しいです。

結果として、住宅ローンを返済したことで老後破産を迎えてしまう場合があります。

子どもに関する費用

近年は晩婚化が進んでおり、定年を迎えた方の子どもが大学生というケースも珍しくありません。

厚生労働省の未就学児父母調査結果によれば、未就学児(小学校入学前の子供)の父親の平均年齢は37.3歳、40歳以上は全体の31.6%もあります。

少なくとも、子どもが18歳になったときに父親が52歳以上という割合は年々増加しているのです。

文部科学省の発表によれば、幼稚園から高校までの学習費は公立でも約540万円、私立だと約1,830万円もかかります。

大学も含めれば、2,000万円以上にもなります。

子どもの学費は年齢を重ねるにつれて増えていきます。

給与も同じように増えていけば対応できますが、増えなかった場合は老後の貯蓄に教育費として使用することもあります。

また、子どもが社会人になり結婚をして孫が生まれると、孫の教育費をお願いされることもあります。

孫への教育資金が目的なら最大1,500万まで贈与税が掛かりませんが、老後の貯蓄を切り崩してしまい、結果として老後破産を迎えてしまう可能性が増えます。

老後破産を引き起こさないための対処方法

老後破産を引き起こさないための対処方法は次の4つです。

  • 老後の貯蓄を増やす
  • 老後の支出を見直す
  • 老後の収入源を確保
  • 老後の資産を相談する

それぞれ、順番に解説します。

老後の貯蓄を増やす

老後破産を引き起こさないための対処方法として最も効果的なのは、老後の貯蓄を増やすことです。

「家計調査年報2019年」によれば、70歳以上の二人世帯以上の資産額は平均保有額が1,314万円、中央値が460万円です。

2019年に金融庁が指摘した「老後2,000万円」は、年金をもらった上で月額5.5万円ほど不足してしまうので、老後30年間で2,000万円は必要だという意味です。

これから先、もらえる年金が少なくなり、物価が上がったことを想定すると、不足分はさらに増えていくと予想されます。

そのため、早い時期からiDeCoやつみたてNISA、財形貯蓄制度などを利用して、老後の資産を増やすことが望ましいです。

また、資産に余裕があるなら、投資信託や株式投資も検討してみましょう。

ただし、iDeCoやつみたてNISA、投資信託などはすぐに使えない財産です。

いわゆる半凍結資産で、利用するには解約や売却などの手続きを踏まなければなりません。

場合によっては、購入時よりも目減りしていることもあります。

老後に向けて貯蓄する場合は、資産をどのように切り崩すのかスケジュールを組むことも大事です。

老後の支出を見直す

老後は現役時代に比べて収入が大きく減ります。

しかし、もらえる年金などの金額は今から調べてある程度の見通しを立てることができます。

まずは、定年後の人生を5年~10年単位で区切り、自分がどれだけの収入があるのか、どのように暮らしているのかをシミュレーションしてみましょう。

その際には加入している保険がどうなっているかも確認しましょう。

特に老後は医療費が段階的に増えていくので、加入している保険の内容は重要になります。

シミュレーションを組みたてて、収入に対して支出が上回っているようなら、支出を見直すべきです。

食費や雑費を切り詰め、住宅ローンや維持費が負担になるようなら引っ越しをする、生命保険を見直すなどをしましょう。

老後の収入源を確保

会社勤めをしている方は公的年金などが老後の主な収入源になりますが、公的年金以外に継続的に発生する収入源を確保しましょう。

例えば、民間の保険会社が扱う個人年金や、iDeCoなどは、老後の収入源として役立ちます。

現在の資産に余裕があるなら、不動産投資を始めるのも選択肢の一つです。

老後の資産を相談する

老後に向けて資産形成をする場合、一人だと知識や時間が不足して難しいです。

そのような場合は、老後の資産について相談できる窓口で、専門家に相談してみましょう。

例えば、ファイナンシャルプランナーは将来の資産形成に対するアドバイスが可能です。

金融機関や証券会社などの窓口では、老後の資産形成に関する相談を受け付けています。

また、老後破産になりそうな状況の時は、消費生活センターや地域包括支援センター、弁護士に相談するのも検討してみましょう。

まとめ

以上が、老後破産の解説になります。

老後破産は生活のランクを下げられない、老後の医療費・介護費が増えたなどの理由から、貯蓄や退職金が不足したことが原因です。

老後破産を避けるためには、老後を見据えた支出や収入のシミュレーションをして、不足分を補えるように投資や貯蓄をおこなうことが重要になります。

フリーレポート配信

今年に入り、ナスダックを中心に市場が乱高下する局面がありました。基本的には余裕資金で優良銘柄を長期保有するスタンスが有効ですが、一時的でも大きく資産を減らすことはどうしても避けたい投資家もいることでしょう。今後の市場の下落局面でも、値持ちがよさを期待できる米国株3銘柄を紹介します。

次の株式市場暴落に耐えうる3銘柄」はこちらからご覧ください。(メールアドレスの登録が必要です)

また、ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。

公式ツイッターアカウント公式フェイスブックアカウントをフォローする。

また、公式LINEアカウントの方では、投資初心者向けの情報を発信しています。
友だち追加

免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

最新記事