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外国株の信用取引解禁に関する動きや理由、メリットについて解説

出典:Getty Images

米国株を中心に外国株への投資が活発になっています。

証券会社や投資信託で外国株に人気が集まっているのも珍しくありません。

そのためか、以前から噂されていた外国株の信用取引解禁が現実味を帯びてきました。

そこで今回は、外国株の信用取引解禁に関する動きや、解禁になったときのメリットについて解説します。

2022年に解禁予定の外国株の信用取引について

信用取引とは?

信用取引とは、証券会社に所有している現金や株式を担保として預け、資金や株式を証券会社から借りて売買する取引のことです。

自分の保有している資金よりも多くの資金で株式取引を始められ、市場に参加するのに株式を購入するのではなく、株式を売却することから始められるなどのメリットがあります。

一方、自分の保有している資金以上の資金や株式で取引を行うため、保有している資産以上の損失を出してしまう可能性があります。

外国株の信用取引解禁に関する動き

以前から、外国株の信用取引解禁に関する議論が証券業界を中心に進んでおりましたが、2021年5月14日に金融庁から外国株式の信用取引に関する内閣府令案が公表されました。

内閣府令案によると、2022年までの施行を目指し、外国株の信用取引に関する必要な保証金率は取引する株式時価の50%とするなどの予定です。

現在の国内株信用取引の必要な保証金率が30%なのに対して、50%というのは大きな割合と言えます。

信用取引の保証金率は証券会社から借りられる資金の上限を表しており、国内株式信用取引が30%ということは、保証金に対して約3倍までの資金や株式を借りられるということです。

外国株の信用取引に関する必要な保証金率が50%ということは、保証金に対して約2倍までの資金や株式を借りられます。

外国株の信用取引の保証金率が国内株よりも高いのは、米国株式に制限値幅が無いからだと推測されています。

米国株式市場には市場全体が下落した場合の緊急措置としてサーキットブレーカー制度はありますが、個々の株式がどのような値動きをしても、国内株のようにストップ高・ストップ安にはなりません。

信用取引は空売りが可能なため、ストップ高が掛からないと大損をするというケースもあります。

つまり、外国株は国内株よりもリスクがあるため、外国株信用取引の保証金率は50%と高い数値が予定されているのです。

ただし、上記の内容は記事執筆時点での発表です。

今後の動向によっては変更もあり得ます。

外国株の信用取引は禁止されていない

そもそも、外国株の信用取引を禁止するような規定はありません。

しかし、外国株の信用取引に関するルールも整備されていないので、多くの証券会社でも外国株の信用取引は行っておりません。

ただし、外国株の信用取引に似たような取引を国内で利用することは可能です。

CFD取引

信用取引のようにレバレッジをかけた取引や、売りから市場に参加したいなら、CFD(差金決済)取引を利用するという方法があります。

CFD取引は取引開始から終了時点に発生した差額分を決済する取引で、レバレッジをかけたり、ショートポジション(売り)から取引を始めたりできます。

外国株の信用取引を実質的に実現できる方法です。

ただし、CFDは先物取引と同じ投資方法とみなされます。

現物取引で発生した損益と通算することはできないというデメリットがあります。

海外のマージン口座

マージン口座とは、アメリカの証券会社で信用取引のできる口座の種類です。

必要入金額のハードルは高いですが、レバレッジをかけた取引やショートポジションを取れる、選べる銘柄が多いといったメリットがあります。

日本人でも口座を開設できますが、国内株の信用取引とはルールや内容が大きく異なります。

また、海外のマージン口座は損失を来年度に繰り越せない、確定申告の作業が煩雑になるといったデメリットがあります。

外国株の信用取引が解禁される理由

外国株の信用取引が解禁される理由は、米国株式を中心に海外への投資が日本の個人投資家の間で広まっているのが大きな理由です。

外国株信用取引の解禁に関する議論は以前から行われていましたが、外国株投資自体がマイナーだったので本格的な議論には至りませんでした。

しかし、2010年~2020年にかけて米国株への投資環境が整い、多くの個人投資家が参加するようになっています。

そのため、外国株の信用取引が解禁される動きが本格化しつつあるのです。

外国株の信用取引が解禁になった場合のメリット

外国株の信用取引が解禁になった場合の最大のメリットは、税制に関するルールが国内株信用取引と同じになる可能性があることです。

CFD取引やマージン口座は現行の制度だと、損益に対する税金の優遇はありません。

損失を出しても現物取引と損益通算ができず、繰り越すこともできません。

一方、国内株の信用取引は現物取引と同じルールとなっています。

現物取引と損益通算が可能で、損失を出した場合は3年間の繰越控除が受けられます。

また、外国株の信用取引に源泉徴収アリの特別口座を利用できれば、確定申告の手続きがある程度簡略化できます。

まとめ

以上が、外国株の信用取引解禁に関する解説になります。

外国株の信用取引が解禁になれば、参加するハードルが低くなり外国株市場が活発になると予想されています。

しかし、外国株は国内株よりもリスクがあり、米国株は値幅制限がないため一瞬で資産を使い果たしてしまう恐れもあります。

外国株の信用取引解禁は投資の選択肢を広げることになりますが、投資をする際は余剰資金の範囲でおこなうようにしましょう。

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