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航空産業はワクチン接種によって持ち直すのか?大手4社の現状を比較

出典:Getty Images

2020年は航空産業にとって壊滅的な打撃を与える年となりました。

世界中の航空業界が大きな損失を受け、歴史的な赤字を出してしまいましたが、今年はどうなるのでしょうか?

あのバフェットでさえも去年には航空株をすべて売却してしまいました。

投資家達の間ではいつ航空株を買えばいいのかと話題になっています。

今は赤字を出していますが、ワクチンの接種により、人々が外出するようになると航空産業は復活するのかを考えて行きたいと思います。

現在の航空産業

今の大手航空会社の株価は比較的安定しています。

デルタ航空(NYSE:DAL)、ユナイテッド・エアラインズ(NASDAQ:UAL)、アメリカン航空(NASDAQ:AAL)、サウスウエスト航空(NYSE:LUV)の大手四社の株価は、大きく下落した2020年の夏頃に比べて現在は大幅に上昇し、高値付近で推移しています。

しかし、業績をみると営業利益で赤字を出しているなど決算が良いわけではなく、今後の人々の流動性を見越して業績とは関係なしに株価が上昇していると考えています。

もしもワクチンの摂取による流動性の増加が本格的になるので有れば、更に株価は上昇すると思いますが、いくつかの懸念事項も存在しています。

個別銘柄毎にそれを見ていきましょう

デルタ航空

売上高が約41億ドルとなり、前年同月比と比べると約60%の減少です。

純損失は約11億ドルで、前年同期は7億の黒字でした。

数字で見ると売上が大きく減少しています。

デルタ航空は70%を国内線の運行が占めています。旅行事業が売上の9割なので、大きな痛手となっています。

しかし株価は上昇しており、安定しています。理由としては、ワクチン接種を見込んでの需要回復を織り込んで上昇にしていることが考えられます。

現在のような状態が続くのならば、下落する可能性もあるので、今後の動き次第で投資を検討すべき銘柄となっています。

また、2020年に資金調達をしましたが、それを返済できるのかが問題となっています。

業績が上を向いてきたとしても、最終利益が圧迫されるのと返済に利益が当てられるため、株主への還元があまり期待できなくなると思います。

ユナイテッド航空

2021年の1月から3月期の決算は最終損益で13億5,700万ドルの赤字となっており、前年同月比の17億400万ドルの赤字に比べて少しだけ上向きになりました。

しかし去年から一年を通して赤字となっているため、油断はできない状況です。

主力である旅客収入が23億ドルで、前年同月比で67%の減少が響いており、こちらも国内路線の売上の低迷が影響しています。

大きな赤字を出す決算内容であっても株価は低迷せず、去年の夏にあった大きな下落から再び上昇の兆しを見せています。

それでも去年の高値まで株価は戻っていないため、慎重な投資が求められる状況には変わりません。

コロナ前の水準ですと、デルタ航空についで業績が良く、自己資本比率などを見ても他の3社の中では高い水準で安定しているので、安定感を求めるのであれば、他社に比べて投資がしやすいかと考えています。

サウスウェスト航空

こちらも大きな変化はなく赤字を出しています。

特にサウスウェスト航空は今まで堅調な経営を続けていた中で、1972年以来の赤字を2020年に出してしまいました。

一部の報道によりますと、2021年の夏に向けてパイロット200人前後と客室乗務員2,700前後を復帰させる方針が伝えられています。

社員第一主義を掲げていたサウスウェスト航空ですが、2020年は社員の解雇等があったため、当初の主義を取り戻そうとしている事は大変喜ばしいことです。

決算説明会の発表でも「6月末までにキャッシュの喪失が止まることが見込まれ、夏のフライトは2019年水準まで回復している」と述べられました。

サウスウェスト航空は今年で運行開始から50周年を迎えます。そのため格安のチケットを販売して夏に向けて再興を図ろうとしています。

コロナ前は売上が他の3社に比べて低かったため、航空産業の需要回復に合わせて他社の顧客を取ることができるのであれば、高い利益を生み出す可能性もあります。伸びしろに重きを置くのであればこちらの銘柄と考えます。

株価も他の航空会社とは違い比較的安定した水準で推移しています。

航空産業に投資をするのであれば、比較的安定している銘柄と言えるでしょう。

アメリカン航空

最終損益で12億5,000万ドルの赤字を出しています。

しかし前年同月比が22億4,000万ドルの赤字となっていましたので、赤字は大幅に圧縮できています。

こちらもワクチンの接種拡大を受けて顧客の回復が見込めるとして株価は前年の底値より上昇しています。

しかし、懸念すべき部分としては、他の航空会社に比べ対応が後手に回っている点です。

パイロットなどを呼び戻すにしてもサウスウェスト程計画的な人員増加計画が報道されているわけでもないため、需要に対してどれほどの回復が見込めるのかはわかりません。

時期としても秋以降とし、さらに運賃の値上げをする事はできないと発表しているので、今年は苦しい一年となると考えています。

恐らくアメリカン航空は他の航空会社の中で最も危険な水準だと考えています。

債務超過を考えなければなりませんし、借入金の額も2020年では約298億ドルと最も大きな数字が出ています。

コントロールできない債務超過であるならば、経営は破綻寸前かと予想されますので、危険度が高い航空企業です。

株価は2020年度の底値からは上昇はしていますが、未だに前年の高値が遠い状況となっていますので、今後の上昇は難しいと考えます。

追い打ちとなっているのが、2018年からのダウントレンドのチャートをしていますので、大きなサプライズが見込めないのあれば、無理に投資をすべき銘柄であるとは考えにくいです。

まとめ

去年は悲惨な事になった航空産業ですが、ワクチン接種によって今後の需要が改善され、コロナ前までの業績に戻るのかが焦点になって来ます。

バークシャー・ハサウェイの株主総会で、バフェットもこのような航空産業はまだ買えないと発言しています。

この業界に新規で投資をすること自体がかなりリスキーなものとなっている事は明白です。

去年はバフェットが航空銘柄を売った事が話題になりましたが、その後、バフェットが航空銘柄を売ったことは間違いとも言われました。

先行きが全くわからない以上、できるだけ慎重に投資をすべき銘柄なのは間違いありません。

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