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「MSCI ACWI」の定期見直しで、インデックス投資の合理性を改めて認識する

出典:Getty Images

以前、MSCI定期見直しについての記事を書かせていただきました。

約半年後のために知っておきたいMSCI定期見直し

近年、標準指数からの日本株の除外が顕著であるという趣旨でした。

では、他国の状況はいったいどうなのかを調べてみました。

ソースはブラックロックが組成、運用しているiShares MSCI ACWI ETFです。

日々構成銘柄リストを更新してくれているありがたいETFです。

今年5月の定期見直しは5/27に実施されました。

よって、5/26と5/27のiShares MSCI ACWI ETFの構成銘柄を比較することで国別の違いが明らかになると考えました。

結果は以下の表のとおりです。

細かい変化を無視すると、目立つのはカナダ、台湾、中国、米国の銘柄数の増加と日本の銘柄数の減少です。

今年5月の定期見直しで、日本株は29銘柄の除外が発表されていました。

今回のこの記事における比較では22銘柄の減少でしたので、27日を待たずに一部の銘柄は売られていたか、そもそも持たれていない銘柄があったということが想像されます。

インデックス連動資金と言えども、銘柄数が多いMSCI ACWI連動であれば完全法(インデックス採用銘柄とウェイトをインデックスに完全一致させる)で運用されていないかもしれないということでしょう。

いずれにせよ、銘柄数だけで判断するならば、日本は他国の採用銘柄数の増加を引き受けて減った形になっています。

もちろん意図的ではなく、結果を以て指数のルールに基づいて見直した結果です。

前回の記事で言及したように、MSCI標準指数は採用している国の時価総額の85%をカバーすることを標ぼうしています。

一方で、近年日本株は除外銘柄の方が多いことを考慮すると、世界の中での日本株のウェイトが徐々に小さくなっていることを意味しています。

この事実は個別株投資に大いにインプリケーションがあるように思います。(筆者としては非常に残念ですが)

日本株だけをユニバースにしていると、世界のインデックスにビハインドするということを示しているとも思いますので。

頭では理解していたことを改めて認識させられました。

一方、採用銘柄数が増えている中国、米国はポジティブな勢いがある企業が増えていると言えそうです。

国別のアセットアロケーションを考えながら投資している人にも参考になる定期見直しではないでしょうか。

ちなみに、中国は標準指数に占めるウェイトが高いものの、新興国にカテゴライズされています。

これは、先進国か新興国かを判断する条件が必ずしも時価総額だけではなく、例えば外国からの投資のしやすさ等、ほかの指標もあるからでしょう。

話を元に戻して今回の見直しの結果は、いわゆるインデックス投資の合理性を改めて感じる事実でもあります。

客観的に浮動株ベースの時価総額が成長している銘柄を淡々と採用し、そうでない銘柄を除外した結果、マーケットで勢いがある銘柄で構成されたインデックスが構成されていると考えられるからです。

一般ニュースで取り上げられる株式市場はインデックスの値ですから、その値が成長しているというのは世間に対してもいい印象になるでしょう。

インデックス投資が合理的なことをわかってはいても、日本の個別株に投資している投資家は少なくないでしょう。

そんな投資家が「負けない」日本株投資をするためには、インデックスイベントを無視するわけにはいかないということを示唆しているように感じました。

よって、先週の記事でも言及しましたが、定期的な保有銘柄との照らし合わせを実施することをお勧めしたいです。

iShares MSCI ACWI ETFの「組入状況」で構成銘柄をダウンロードし、日本株のみにフィルタをかけます。

参考:ブラックロック iシェアーズ MSCI ACWI ETF

ETFにおけるウェイトが高い順に並んでいるので、下の方に載っている銘柄は浮動株ベースの時価総額が小さい銘柄ということになります。

この銘柄を他国の時価総額下位銘柄と定期的に照らし合わせることで、当該国の立ち位置がわかることになります。

個人的には現時点でのMSCI標準指数における日本株の採用銘柄が約260であることを鑑みると、事実上TOPIX500採用銘柄であっても日本株のユニバースとしてふさわしくないものが半分ぐらいはあるだろうと言う推定になり、インデックスイベントに左右されないような運用をするための日本株のユニバースは事実上TOPIX100+アルファぐらいになるのかなと考えます。

このMSCIの定期見直しは今までも年に2回ありましたが、筆者の場合たいていいつも除外銘柄を持っていることが少なく、客観的に考察することはありませんでした。

今回簡易的にでも俯瞰してみることで改めて認識したことが少なからずありました。

今後もウォッチしていきたいと思います。

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