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マネーのべロシティ(流通速度)の変化が株価を動かす?ポストコロナのお金の流れに注目

出典:Getty Images

米国株や投資関連の話題で「マネーのベロシティ(Velocity)」という言葉が話題になっています。

概念は昔からあり、特に新しいキーワードではありません。

では何故、2021年になって注目されているのでしょうか。

今後、株式市場全体のトレンドで一体、どのような変化が訪れようとしているのかを「マネーのベロシティ」を通して具体的に解説していきます。

最近よく聞く「マネーのベロシティ」とは?

マネーのベロシティとは日本語になおすと「貨幣の流通速度」のことです。

日本には「金は天下の回り物」ということわざがあります。

お金は血液のように循環するものだと例える人もいます。

お金が活発に人から人に流れることで経済が回ります。

一方、財布の紐がかたく、誰もがお金を使わない状況が不景気です。

要するにお金が活発に人から人に流れている状況をマネーのベロシティが高い、お金の流れが滞っている状況をマネーのベロシティが低いと解釈すれば理解が早いでしょう。

では何故この言葉を最近よく見るのでしょうか。

それはコロナウイルスの感染拡大がマネーのベロシティに大きな影響を与えているからです。

外出できなくなり、観光産業にお金が落ちづらくなりました。

そして家に籠る人が増え、家でも楽しめる動画コンテンツや投資、E Cにお金が流れるようにはなったものの、お金の循環自体は鈍くなってしまいました。

米国の中央銀行、FRBが金融緩和を積極的にしたのは、お金の循環を無理にでもよくするためです。

しかし物理的に外に出づらい状況では、インドアでもできる経済活動にお金が流れていくのも無理はないでしょう。

ただ、ワクチンが出回りはじめると、ポストコロナのことを考えて投資をしなければいけなくなります。

つまりマネーのベロシティが変化する局面が差し迫っているからこそ、「マネーのベロシティ」という言葉をよく目にするようになったという訳です。

お金の循環が変わるとお金はどこに動く?

ポストコロナではお金の循環に変化が生まれるはずです。

コロナの間はウチに篭って楽しめる、意義のある経済活動にお金が回っていました。

米国ならば家にいながらスマホで気軽に投資できるロビンフッドが流行りました。

暗号通貨への投資も活発になりました。

ネット経由で楽しめるエンターテインメントにもお金が流れました。

ビットコインの価格上昇、NetflixやDisney +のような動画配信サービスを運営する銘柄や、Zoomのようなオンライン会議のサービスを提供する企業の株価も伸びました。

一方、お金が入ってこなくなった業界は宿泊業、飲食業、航空、カジノ、クルーズなどです。

しかしポストコロナでは反動でお金が入ってこなくなっていた産業にお金が流れるようになります。

マネーのベロシティが実体経済の中で活発に動くことを視野に入れる時期に、そろそろ入ってきていると考える投資家も増えています。

観光客を少しずつ受け入れはじめている国

世界に目を向けると、観光客の受け入れも少しずつ進んでいます。

例えば、日本人に人気のハワイでは、アメリカ本土と日本の渡航者を対象に事前検査プログラムを実施。

出発前72時間以内にハワイ州認定の医療機関で行ったPCR検査の陰性証明を提示すると、ハワイ到着後の10日間の自己隔離措置が免除されます。

観光立国のスペインでは外国人観光客誘致に向けたプロモーションキャンペーンがはじまっています。

2021年5月24日には日本とイギリスからの入国者を隔離、PCR検査の陰性証明書なしでの受け入れがはじまりました。

6月7日にはワクチン摂取の証明を受けた全世界の観光客の入国も認められます。

世界に先駆けて観光に力を入れている国や地域では、観光客受け入れを前倒ししており、今後も世界的に人の流れがコロナ前のように活発になる兆しが見られます。

国内旅行関連銘柄の株価が上昇

日本株でもエイチ・アイ・エス(9603)やエアトリ(6191)など海外旅行好きの間ではお馴染みの企業の株価が上昇しています。

エイチ・アイ・エスは5月末に年初来の高値を記録。

旅行予約サイトのエアトリも年初来から株価が2倍以上の上昇を見せています。

新型コロナウイルスの高齢者向けワクチン摂取が国内でも進んでいる影響で、旅行需要回復が見込まれているため、観光関連の銘柄が上昇しています。

エイチ・アイ・エスの株価は上昇したとはいえ、2021年6月現在ではまだ2,500円台です。

過去に4,000円台だったことを考えると、まだまだこれからかもしれません。

エアトリは既にコロナ前の株価の水準にまで持ちなおしています。

お金の流れに変化が起きる兆しが既にあり、マネーのベロシティの変化の兆しが見られます。

観光業へのお金の流れは分かりやすい事例ですが、今後低迷していた産業にもお金が巡ってくる可能性や実態経済の変化には備えておくべきでしょう。

ポストコロナ後に注目のレジャー関連のETF

ポストコロナで注目のETFをご紹介します。

例えば、インベスコ・ダイナミック・レジャー・アンド・エンターテインメントETFは、米国のレジャー・娯楽株をバスケットで購入できるETFです。

2020年の最安値から約2倍にまで価格が上昇しました。

コロナ前の水準にまで価格が回復しており、市場がレジャー関連に期待をしているのがよく分かる動きをしています。

USグローバル・ジェッツETFは、米国の航空会社をバスケットで購入できるETFです。

コロナ後の最安値から2倍にまで株価が戻っています。

お金がどの程度活発に動くのか、どこに動くのかを考えなければいけない局面になったことから、マネーのベロシティというキーワードが注目されるようになっています。

お金がどこからどこに動くのかを読み解くのは、株式投資の基本でもあります。

お金が過度に流れすぎているセクターは大きく下がりますし、過度に不足していたセクターにはお金が戻ってきています。

過度に売られた銘柄やセクターにも今後、株価回復のチャンスがありそうです。

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