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有価証券報告書のGC注記(疑義注記)とは? 重要事象等との違いも解説

出典:Getty Images

企業が公開する有価証券報告書や決算書を読んで、企業の財務状況や今後の動向を自分なりに分析するのは株式投資をする上で大事なことになります。

しかし、有価証券報告書などは企業会計の基準に基づいて作成されるため、読んでいると分からない用語や文章が出てきます。

これらの用語のなかには、会社の状況やリスクを一目で理解できる用語もあるため、覚えておくと役立ちます。

そこで今回は、有価証券報告書に記載されるGC注記について解説します。

GC注記が付くことの影響や重要事象等との違いも合わせて解説します。

GC注記とは?

GC注記とは、Going Concern(ゴーイング・コンサーン)の頭文字を取った略称で、「継続企業の前提に関する注記」を省略した用語になります。

同様の略称に疑義注記があります。

まず、企業というのは将来にわたって継続的に事業をおこなうもの、という前提があり、その前提があるから投資家たちは投資をします。

しかし、倒産リスクのある企業はこの前提に反するため、投資家たちに知らせる必要があるというルールが定められています。

つまり、GC注記とは、倒産するリスクが高まっている企業に対して、有価証券報告書などで注意を促すルールのことを指します。

GC注記は経営者の自己評価

有価証券報告書や財務諸表などは、企業が継続して事業をおこなうことを前提として作成されています。

仮に企業が清算(売却や譲渡、廃業)をするつもりなら、資産の評価額が異なってしまう可能性があります。

そこで、経営者は財務諸表を作成するにあたり、企業が決算日から少なくとも1年間存続できるかどうかを自己で評価することが求められています。

GC注記を付けるのは株式会社の場合、会社計算規則第98条第1第1号に定められています。

また、株式会社以外にも医療法人や公益法人でも継続企業の前提に関する事項が必要とされています。

もし、1年間事業活動が継続できないような重要な問題がある場合、その問題の内容と企業が事業を継続する前提で財務諸表が作成されていることを注記します。

注記する内容は次の事柄になります

  • 継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在する旨及びその内容
  • 当該事象又は状況を解消し、又は改善するための対応策
  • 重要な不確実性が認められる旨及びその理由
  • 財務諸表は継続企業を前提として作成されており、当該重要な不確実性の影響を財務諸表に反映していない旨

公認会計士は財務諸表を確認し、GC注記が必要かどうかを判断し、必要だと判断し記載されている場合は監査報告書で追記情報として注意喚起をします。

GC注記が付く事柄

有価証券報告書にGC注記が付く状況になる要因として、以下の事柄が考えられます。

  • 財務指標関係
  • 財務活動関係
  • 営業活動関係
  • その他

それぞれ、順番に解説します。

財務指標関係

財務指標関係の事柄は、主に売上高の減少や営業損失、営業キャッシュフローのマイナスが続くことです。

重要な営業損失が発生した場合や、債務超過に陥った場合もGC注記が付く事柄になります。

財務活動関係

財務活動関係の事柄は、主に営業債務の返済や、社債等の償還の困難性といった、債務の返済関連のことです。

新たな資金を調達できない、売却を予定している重要な資産が処分できないといった場合もGC注記が付きます。

営業活動関係

営業活動関係の事柄は、主に仕入先からの信頼を失い、取引の継続ができなくなるなどの、営業活動全般に関する内容です。

社会リスクやカントリーリスクにより重要な市場が喪失した、事業活動に不可欠な権利が失効し、人材が流出したなどもGC注記が付く事柄です。

その他

その他は上記3つに該当せず、しかし企業の倒産リスクが高い事柄を指します。

例えば、裁判に負けて巨額な損害賠償金を支払うことになった、あるいは不祥事によりブランドイメージが著しく悪化するなどが該当します。

GC注記が付いたことの影響

GC注記が付いた企業は倒産リスクの高い企業になります。

そのため、GC注記が付いた企業は倒産リスクが懸念され、株式が売られて株価が下がる傾向があります。

また、GC注記が付き、上場廃止基準に抵触した株式は管理銘柄や整理銘柄に指定され、一定期間後に上場廃止になるケースもあります。

一方で、GC注記が外れたことが理由で株価が急上昇するケースもあります。

例えば、2017年2月に東芝が発表した2017年3月期第3四半期決算でGC注記が付きました。

原発事業の不正会計などで巨額の減損損失が発生し、純資産が大きく減ったことなどが、GC注記が付いた理由になります。

GC注記が付いたというニュースを受けて、東芝の株価は大幅に下落。一時は倒産も秒読みではないかと囁かれましたが、子会社を売却し債務超過を解消したことでGC注記が外れました。

GC注記が外れたことで、一時は1,780円まで下がっていた株価が、半年で2倍近い3,470円まで上昇。現在も東芝は上場を維持しています。

GC注記と重要事象等は意味が異なる

決算報告書や財務諸表で「継続企業の前提に関する」から始まる注意喚起には、次の2種類があります。

  • 継続企業の前提に関する注記(GC注記)
  • 継続企業の前提に関する重要事象等

違いは「注記」と「重要事象等」の部分で、注記の場合は倒産リスクが発生し解決する目途が立っていない場合を指します。

重要事象等の場合は、倒産リスクが発生したが、解決する目途が立っている場合を指します。

つまり、重要事象等の場合だと倒産リスクはあるが解決する方法が見つかっているので危険性は少なく、注記が付く場合は倒産リスクが高く解決策も財務諸表の段階では決まっていないという意味になります。

「継続企業の前提に関する」で始まる注意喚起を見つけた場合は、注記なのか重要事象等なのか、しっかりと確認をしましょう。

なお、GC注記や重要事象等は企業が発表する有価証券報告書や財務諸表で確認するほかに、証券会社や四季報などでも情報が公開されています。

まとめ

以上が、GC注記の解説になります。

GC注記は企業が事業を継続できない可能性があることを知らせる注意喚起で、疑義注記とも表記されます。

GC注記が付いた企業は倒産するリスクがあるため、株価が下がりやすくなります。

GC注記が付いた企業や関連した企業に投資をしている場合はポートフォリオを見直すべきです。

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