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スーパーサイクルとは?シリコンや銅の価格が上昇している理由を解説

出典:Getty Images

コモディティ市場が価格上昇傾向に入ると、スーパーサイクルという言葉が飛び交うようになります。

特に、原油市場はスーパーサイクルが発生しやすく、過去の相場を分析するとスーパーサイクルと呼べる期間が複数回ありました。

そこで今回は、スーパーサイクルとは、どのような経済用語なのか解説します。

2021年に入り、シリコンや銅の分野でスーパーサイクルが起きているのではないかと言われる理由も合わせて解説します。

スーパーサイクルとは?

スーパーサイクルとは、相場の景気循環のうち、一定の周期で発生する価格上昇のことを指す経済用語です。

過去には冷戦からの復興や1970年代のオイルショック、1997年のアジア経済危機の後に起きた価格上昇がスーパーサイクルだと言われています。

例えば、2000年代はブラジルやロシア、インド、中国、南アフリカの経済が急成長したことにより、石油や石炭、非鉄金属などの資源が供給不足となって相場が急騰しました。

実際、ロンドン金属取引所の銅の価格は2001年時点で1トン当たり1,578ドルだったのが、2011年には8,828ドルまで上昇しました。

しかし、2011年~2016年にかけて銅の価格は下落していき、2016年の時点で4867ドルまで下がりました。

背景には中国が資源消費のインフラ型高度経済成長から脱出したため、銅の需要が下がり、結果として供給不足が解消されたことが上げられます。

この状況を2013年に指摘したファンドマネージャーのスタンレー・ドラッケンミラー氏の発言により「スーパーサイクル」という単語が注目されるようになりました。

シリコン分野のスーパーサイクル

2020年頃からスーパーサイクルという単語が再び注目されるようになったのは、いくつかの市場で価格上昇が長く続いているからです。

例えば、シリコン(半導体)の売上高を指数化すると年々上昇傾向にあります。

特に2017年~2018年は世界半導体製造装置販売額が500億ドルを始めて突破し、スーパーサイクルに入るのではないかと議論が起きました。

このときの売上高上昇はAI(人口知能)やIoT(モノのインターネット化)に関する分野の技術革新が著しく、関連した製品がいくつも販売されたことが大きいです。

一方で、シリコン分野は技術革新のスピードが著しいため、約4年おきに景気循環が繰り返される「シリコンサイクル」が発生しやすいです。

そのため、当時の好調ぶりはシリコンサイクルではないかという指摘もありました。

しかし、2020年に入るとシリコンの需要はさらに増しており、現在はスーパーサイクルに突入したと指摘する専門家が増えています。

理由は幾つかありますが、一番の要因は5Gの普及です。現在の5G分野はアメリカと中国がシェア獲得に乗り出しており、日本も遅れる形ですが5Gの普及率を高めています。

結果、世界中で5Gに対応したスマートフォンの需要やデータセンター投資が増加したことで、シリコン分野は成長が持続するスーパーサイクルに入ってきた可能性があると専門家は分析しているのです。

しかし、急激な需要増加により半導体は供給不足に陥っています。

2020年はコロナの影響により生産ラインの見直しを迫られており、急激な需要増加に対応できず、どのメーカーも生産数を急激に増やすことはできませんでした。

日本の半導体メーカーも受注が増え売上高を伸ばしていますが、生産が追い付かないほどの受注が続いているとコメントを出しています。

世界最大の半導体受託メーカーTSMCは2021年4月1日に3年間で1,000億ドルの設備投資を行なう計画を発表しました。

また、日本のソニーグループと合弁で熊本県に半導体製造工場を建設する計画も浮上しています。

このように、供給不足を解消するためにメーカーも動いていますが、すぐに解決する見通しは立っておらず、スーパーサイクルがしばらく続くのではないかという根拠となっています。

スーパーサイクルは金融緩和が原因?

シリコン分野のスーパーサイクルは、5GやIoT分野の成長と新しい商品、サービスの普及が要因と考えられます。

一方で、2020年春から価格が上昇している銅やニッケル、コバルトなどの金属資源価値が上昇したのはスーパーサイクルではなく、各国の金融緩和政策による金あまりが原因ではないかとも言われています。

確かに、上記の貴金属資源の価値は急騰しています。

例えば、2016年に1トン当たり4,867ドルまで下がっていた銅は、2021年4月時点で9,324ドルまで上昇しています。

下落傾向にあった銅が2011年の高値を、2020年4月からの1年間で上回るという結果だけを切り取れば金融緩和政策の影響だとも考えられます。

ただし、銅に関しては別の要因も考えられます。

銅は電気自動車やEV充電スタンド、風力タービンなど、グリーンエネルギー関連の製品に多く使用されます。

アメリカのバイデン大統領は選挙の時からグリーンエネルギー分野に力を入れることを明言しており、関連した企業の株価に影響を与えています。

現在のトレンドと照らし合わせると、少なくとも銅の価格が上昇しているのは金融緩和政策による金あまりだけだとは考えにくいです。

まとめ

以上が、スーパーサイクルの解説です。

スーパーサイクルは一定の周期で発生する価格の上昇相場のことを指しており、長期化しやすい傾向にあります。

2020年~2021年にかけて、5GやIoTに関連したシリコン(半導体)や、グリーンエネルギー関連の銅、アルミ、銀、プラチナなどの価値が高まっています。そのため、専門家のなかには現在の状況がスーパーサイクルだと指摘する方もいます。

確かに、過去のスーパーサイクルと似通った状況ですが、今回の状況は複数の要因が絡んだ結果だとも言えます。

そのため、価格上昇が唐突に終わってしまう可能性も否定できません。

コモディティ市場や関連した分野に投資をする場合は、その点に注意しましょう。

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