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ランサムウェア感染問題で注目される、サイバーセキュリティ関連米国株

出典:Getty Images

2020年、日本の有名ゲームメーカー「カプコン」がサイバー犯罪集団「Ragnar Locker」のサイバー攻撃を受け、システム障害が発生しました。

個人情報が流出し「身代金」を請求されましたが、支払い拒否をしたことがニュースになりました。

他にも大手ゼネコンの鹿島建設、光学機器のHOYAの子会社がサイバー攻撃を受けています。

サイバー犯罪は世界的な問題となっています。

米国の石油パイプライン企業コロニアルパイプライが、サイバー犯罪集団「DarkSide」のサイバー攻撃を受け、500万ドルの「身代金」を支払ったことがニュースになりました。

コロナウイルス感染拡大の影響から、世界的に在宅ワークが進む中、リモートワークの環境が急拡大したもののサイバーセキュリティーがうまく浸透せずに脆弱性が各地で露呈しています。

このような背景から米国でもセキュリティー関連銘柄が注目のテーマ株となっています。

サイバー犯罪集団とランサムウェア

サイバーセキュリティの世界で最近よく聞く用語が「ランサムウェア」です。

ランサムウェアとは、標的とするシステムのプロセスを停止させてデータを暗号化するマルウェア(悪意のあるソフト)です。

現在、ランサムウェアを扱うサイバー犯罪はビジネスとなっており、罠を仕掛ける前にターゲット企業の財務状況を入念に調べ、払える身代金の額を算出します。

信用を重視し、身代金を支払った企業の情報は流出させないことは徹底する一方で、身代金を拒否した企業の情報は容赦なく公開します。

そして身代金の一部はさらなるサイバー攻撃の関連投資にまわされ、サイバー犯罪集団はますます拡大していくのです。

サイバー犯罪集団はより「洗練」された組織となって拡大を続けており、企業側もサイバーセキュリティの重要性を無視できない情勢となってしまいました。

クラウドストライク

クラウドストライク(NASDAQ:CRWD)は新世代型のサイバーセキュリティシステムの構築で注目されている企業です。

クラウドストライクはEDRと呼ばれる新しいセキュリティシステムを構築します。

EDRは不審者がネットワーク環境内で悪意のある活動をしていないかを常時監視することで、侵入後の攻撃を検知・無効化する新しいタイプのセキュリティシステムです。

現在のマルウェアは高度化しており、侵入を100%防ぐことはできないという発想のもとで、侵入されても検知・無害化、さらに同じパターンの攻撃を学習して防御策をとります。

ビジネスモデルはSaaS型のサブスクリプション型ですが、クラウドストライクの強みはクライアント数が増えるほど攻撃パターンへの対処法が確立していくことです。

さらに、顧客が大手企業や官公庁などの予算をもっている組織が多いことも強みです。

営業利益に関しては赤字続きですが、売上高は通念で右肩上がりに急成長中。

2021年と2020年では売上高は+80%以上です。

営業CFも2020年からは黒字転換しています。

オクタ

オクタ(NASDAQ:OKTA)はIDaaSと呼ばれる「Identity as a Service」と呼ばれるサービスを提供するクラウド時代の新しいサービスを提供する企業です。

クラウド型のサービスが増える中、ユーザーはそれぞれのサービスのIDとパスワードを記憶することがとても煩雑になりました。

特に企業では在宅ワークなどで社員がクラウドサービスを活用することが増え、IDの管理はセキュリティ対策にも直結する重要な問題となりました。

一方、プラットホームの管理者も、増え続けるIDとパスワードの管理が負担となっています。

オクタはそのようなログイン・パスワードまわりの問題を解決するという意味でサイバーセキュリティー銘柄のひとつに数えられています。

オクタの売上高は毎年右肩上がりに成長しています。

2021年と2020年では前年比+40%以上の売上高の上昇を見せています。

一方で営業利益に関しては赤字が拡大しています。

投資キャッシュフローは赤字ですが、営業キャッシュフローはこの数年で黒字化しています。

ビジネスモデルはSaaS型のサブスクリプションですが、一度企業の中でログインの管理をオクタに任せると気軽に乗り換えという訳にもいかないため、解約されづらいという強みがあります。

ゼットスケーラー

ゼットスケーラー(NASDAQ:ZS)は在宅勤務を導入する企業から人気の高いクラウド型セキュリティーサービスを提供する企業です。

日本でもソフトバンクが仲立ちして提供しています。

ユーザーごとに詳細な設定ができることが特徴で、例えばビジネスツールであるMicrosoft365へのアクセスは保証するものの、YouTubeへのアクセスは30%程度制限をかけるといった設定ができます。

また、許可されたユーザーのみが特定のアプリケーションに入れるといった詳細な設定が可能です。

クラウドストライクと比較されますが、ゼットスケーラーはデータセンターへの安全な接続を可能にするセキュリティを提供しています。

一方、クラウドストライクはクラウド空間での不審者の挙動を検知するところに強みがあります。

ゼットスケーラーとクラウドストライクは業務提携の関係にあり、ゼットスケーラーが検知した脅威がクラウドストライクに同期されるといった形で強いパートナーシップを結んでいます。

2020年と2019年比較では営業キャッシュフローは赤字が続いていますが、前年比で42%以上の増加。

売上は堅調に右肩上がりで伸び続けています。

サイバーセキュリティー関連のETF「BUG」

「BUG」は日本の大手ネット証券からでも投資しやすいサイバーセキュリティー関連のETFです。

構成銘柄には組み込み比率の高い順からクラウドストライク、パロアルトネットワークス、ゼットスケーラー、フォーティネット、オクタと続きます。

日本株ではトレンドマイクロも「BUG」の投資先となっています。

サイバーセキュリティー関連銘柄の動向全体を見る場合や、個別銘柄を探す際には、「BUG」の動向や構成銘柄を確認してみるのもおすすめです。

またサイバーセキュリティー関連全般に分散投資する際にも、「BUG」は使いやすいETFなので、ETF派は「BUG」そのものを買ってしまうのも手です。

現代社会は企業、個人共にサイバー攻撃の脅威にさらされており、今後もサイバーセキュリティ関連の銘柄には注目が集まりそうです。

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免責事項と開示事項 記事の作者、田守正彦は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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