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転換社債とは?複雑な金融商品のメリット・デメリットをわかりやすく解説

アベノミクスにより企業の業績は順調に拡大し、さらなる成長を目指し設備投資やM&Aなどを積極的に行う企業はこの数年間で格段に増えてきています。

そういった中で、企業の資金調達の手段もゼロ金利を背景に活発になってきましたが、どういった方法で資金調達をしたかによって市場の反応の善し悪しが決まることも多々あります。

そこで、今回は、資金調達手法の一つである転換社債の仕組み、メリット・デメリットなどについて具体的に解説していきたいと思います。

転換社債とは

転換社債は債券と株式両方の特性を備え持つ債券(社債)のことを言います。

正式名称は、転換社債型新株予約権付社債といいますが、業界用語ではCB(Convertible Bond)と呼ばれています。

債券としての性質を備えている一方、発行する企業の株価次第では株式に転換することができる債券のことであり、損失を限定的にしながら株式の値上がりを期待することができます。

転換社債の種類

転換社債の種類は、期間、利率、発行体などの組み合わせで様々な種類があります。

基本は株式の値上がりを狙いに行きますので、発行する企業の将来性、株価の割安・割高という観点から将来的に株式に転換できるであろう条件の債券を選択します。

転換社債の選び方

対象企業の株価が割安で成長性があるか。

株にはPBR(株価純資産倍率)やPER(株価収益率)、EPS(一株あたり当期純利益)など割高・割安・成長性を判断するさまざまな指標があります。

これらを用いて企業の選択をまずは行います。

債券の利回りの確認。

次に、債券自体の利回りを検討します。

現在の日本は低金利なので、ほとんどの転換社債は金利がほぼつきません。

しかし、今後市場金利が上昇する可能性もありますので、その時に注意すべき項目です。

転換社債のパリティ(理論価格)の確認

転換社債にもパリティと呼ばれる理論価格が存在します。

これを用いることにより、転換社債が割高か割安か判断します。

パリティは以下の計算式で求ることができます。

理論価格 = 株価 ÷ 転換価格 × 100

例えば、ある企業の転換社債で転換価格が1,000円、現在株価が1,100円のときのパリティは次のように計算します。

1100 ÷ 1000 × 100 = 110円

現在価格が110円を上回っているときは、社債としての価値以上に株式としての価値の側面が強く表れ、下回っているときは、社債としての側面が強く表れます。

保有している転換社債を社債のまま売却するか、株式に転換してその株式を売却するかの判断は、以下の関係から決定します。

パリティ価格<転換社債の時価なら社債のまま売却

パリティ価格>転換社債の時価なら株式として売却

ただし、株式に転換する場合には、売却時の取引コストや経過利息が受け取れないなどのことにも留意しなければいけません。

また、相場状況に応じて刻々と変わる部分になりますので、その都度売却するかどうかは慎重に検討しましょう。

転換社債のメリット

損失を限定することができる

転換社債は「株式」と「社債」両方の特徴を持っています。

発行企業の業績が悪く、株価が下がり続けたとしても、社債は額面で償還されるので、最低でも一定の金額が保証されることになります。

例えば、額面100万円のA社転換社債を110万円で買購入したとします。

転換価格が1000円であり、債券償還時この企業の株価が700円まで下げてしまったとすると、損が大きすぎるので株に転換することはできません。

しかし、債券の性質上額面は100万円で返ってくることになりますので、10万円の損失に限定することができるのです。

株の値上がりを期待できる

転換社債最大の魅力は、通常の債券とは違い株の値上がりを期待できることです。

株式が転換価格を上回ればその分、利益は通常の債券と比べて大きくなります。

利子を受け取ることができる

債券の目的は基本的に利子を受け取ることです。

しかし、新株予約権が付いている代わりに、利率は低く設定されています。

転換社債のデメリット

株価が下がれば損をする可能性がる

上記で解説した通り、株価が下がれば転換することができません。

その際は、購入価額と額面の差額が投資家の損失となります。

コールオプション条項

転換社債の発行には、付帯条項が付けられていることがあります。

コールオプション条項とは、株価が一定の価格を上回った場合、発行企業が任意に額面で償還できるというものです。

行使されると、投資家は値上がり益を受けることができません。

株価が大きく上がったとき、転換社債を持つ投資家は株式へ転換すれば利益を手にすることができます。

しかし、あまりに株価が上がりすぎると、発行企業は普通に増資したほうが多くの資金を調達できるので、コールオプション条項により早期償還を促すのです。

利率が低い

前述のとおり、新株予約権というメリットがある分、利率は普通の社債よりも低いです。

転換社債とワラント社債の違い

転換社債の場合は、社債に投資しているお金を株式と交換することができる、という意味であるのに対してワラント債の場合、通常の債券に加えて、ある一定の株を一定数量・一定価格で買える権利のことを言います。

つまり、ワラントの権利を行使し株式を購入する場合は、別途お金を払い込む必要がありますので、追加の資金がいらない転換社債とは似て異なるものです。

転換社債の購入方法

転換社債は、新規に発行される場合は主に証券会社を通じて「募集」が行われます。

転換社債は株式と同じ性質を持っていますので、二次市場は店頭取引ではなく、CB市場と呼ばれる取引市場で株式と同じように取引されています。

また、証券会社によっては取り扱いしていなかったり、手数料が割高な場合がありますので、必ず確認をしてください。

まとめ

上記で説明した通り、転換社債は損失を限定的にしながら株式の値上がりを期待方にとってはベストな商品だと思います。

一方で、早期償還になったり、株式が下がって損失を計上する場合がありますので、銘柄選択の際には市場平均と比べて割安かどうか、成長性のある企業か、売却タイミングとともに慎重に検討していきましょう。


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