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【米国株決算】シスコ・システムズの決算から見る今後の株価の推移

出典:Getty Images

シスコ・システムズ(NASDAQ:CSCO)はアメリカに本社を置く、世界最大のコンピューターネットワーク機器開発会社です。

主要製品としては、LANスイッチ、サービス統合型ルータ、WANルータ、セキュリティーアプライアンス・ソフトウェア、ワイヤレスを含むネットワーク製品、クラウド製品などが挙げられます。

競合他社としては、シスコ・システムズの元経営幹部がCEOを務めるアリスタ・ネットワークスやファーウェイなどが挙げられます。

今回は、シスコ・システムズの最新決算である2021年第3四半期決算について見ていきます。

決算発表前における株価等のデータ

決算発表直前である5/19における同社株価の始値は51.88ドル、終値は52.47ドルとなっていました。

2000年頃に80ドル前後の高値を記録した後は、10年ほど20ドル前後で横ばいでの推移をしていましたが、2013年頃から上昇に転じ、2019年の夏頃には50ドル後半にまで上昇しました。

その後2020年初頭にかけてはやや落ち着き、40ドル後半で推移していましたが、コロナショックの影響を受け、2月下旬から3月下旬まで下落を続け、52週安値である32.40ドルとなりました。

その後同社の株価は回復傾向にあったものの、第1四半期決算の業績見通しを引き下げたことにより、8月半ばに大幅な下落を経験しました。

その後は軟調な推移が続き、同社株価は一時35ドル前後まで下落しました。

その後同社株価は回復し、2021年に入ってからも強く伸びており、現在は52ドル前後で推移しています。

シスコ・システムズはNYダウ工業株30種やS&P500の構成銘柄の一つとなっています。

執筆時時点での同社時価総額は2,233億ドルとなっていました。

続いてシスコ・システムズの配当実績について見ていきます。

なお日付は権利落ち日を記しています。

  • 2021/04/05…配当:0.37ドル(配当利回り:2.82%)
  • 2021/01/04…配当:0.36ドル(配当利回り:2.94%)
  • 2020/10/01…配当:0.36ドル(配当利回り:3.25%)
  • 2020/07/02…配当:0.36ドル(配当利回り:3.60%)
  • 2020/04/02…配当:0.36ドル(配当利回り:3.00%)

配当利回りは3%前後となっており、同社の連続増配年数は11年となっています。

配当性向もそれほど高くなく、増配余力は残されていると言えるでしょう。

比較的安定した配当実績を誇っていると言え、今後も増配の可能性は残されていると言えるのではないでしょうか。

最新決算情報

概要

2021年第3四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 売上高…128.03億ドル(前年同期比7%増)
  • 営業利益…47.2億ドル(前年同期比8%増)
  • 純利益…28.63億ドル(前年同期比3%増)
  • 希薄化後EPS…0.68ドル(前年同期比7%増)

同社が発表した2021年第3四半期決算における売上高は、アナリスト予想平均の125.6億ドルを上回りました。

一部項目を除いたベースの一株利益は0.83ドルであり、アナリスト予想平均の0.82ドルを上回りました。

同社CEOが決算短信で発表したコメントは以下の通りです。

シスコは事業全体で需要が旺盛で、素晴らしい四半期となりました。

お客様がハイブリッドワーク、デジタルトランスフォーメーション、クラウドの導入を加速し、当社のサブスクリプションベースの製品が引き続き堅調に推移する中、当社の戦略と次の回復局面をリードする能力に自信を持っています。

また、同社CFOが発表したコメントは以下の通りです。

製品の受注が好調で、売上、純利益、EPSが堅調に推移しました。

イノベーションへの投資や、より多くのソフトウェア提供やサブスクリプションへのシフトを加速させたことにより、繰延収益、残存する履行義務、より高いレベルの経常収益が2桁の伸びを示しました。

詳細

続いて同社決算についてセグメント別に見ていきます。

製品カテゴリー別売上高

  • 製品合計…128.03億ドル(前年同期比7%増)
  • インフラ・プラットフォーム…68.32億ドル(前年同期比6%増)
  • アプリケーション…14.26億ドル(前年同期比5%増)
  • セキュリティ…8.76億ドル(前年同期比13%増)
  • その他製品…0.06億ドル(前年同期比34%減)
  • サービス…36.64億ドル(前年同期比8%増)

地域別売上高

  • アメリカ地域…72.62億ドル(前年同期比2%増)
  • EMEA…34.83億ドル(前年同期比11%増)
  • APJC…20.57億ドル(前年同期比19%増)

製品別の売上高について見ていくと、その他の製品を除くすべてのカテゴリーで増収となっています。

注目すべきはセキュリティ製品です。

新型コロナウイルスによる働き方の変化により、ビデオ会議システムやサイバーセキュリティ―対策製品なおどの持続的な需要が増大したことが同部門の売上を押し上げました。

同社CFOであるヘレン氏はソフトウェア事業の売上高について、今四半期の売上高は83億ドルでこのうち8割が経常的またはサブスクリプションによるものであると指摘し、今後12カ月を通して140億ドルを超える見込みだとしています。

2021年第4四半期決算見通し

最後に同社が発表した2021年第4四半期決算の見通しについて見ていきます。

売上高は前年同期から6から8%の増加、non-GGAPベースのEPSは0.81から0.83ドルになるとの見通しを発表しました。

売上高は129億ドルから131憶ドルとなる見込みで、アナリスト予想平均は128億ドルであることから、予想を上回っています。

ただ、EPSについては、アナリストの予想平均が0.85ドルで、同社の0.81から0.83ドルとの見通しは予想を下回りました。

決算発表後における株価の推移

決算発表翌日である5/20における同社株価の始値は、前日終値である52.47ドルから4%下落した50.41ドルとなっていました。

開場後力強く伸び、お昼には52.6ドル前後と前日の水準を超えました。

その後は動きがおとなしくなり、終値は52.85ドルと結果的には前日から上昇しました。

同社株価が一時下落した要因として、第4四半期の見通しにおいて売上高が増加する一方で利益が減少するとの発表があったことがあげられます。

同社はネットワーキング・サービスとソフトウェアのプロバイダーとして自社の再構築を図っており、実際、新型コロナウイルスの影響で同社のソフトウェア製品が好調となっていますが、依然として収益の多くをハードウェア販売に頼っています。

今後も需要が増加すると見込まれている一方で、世界的な半導体不足によって半導体の確保に苦戦を強いられることになり、部品コスト増加が同社の利益を圧迫すると見込まれています。

同社株価の下落は多くが時間外での取引によるもので、開場後は今回の良好な決算を受けて値を戻したと思われます。

最後に同社の今後について考察していきます。

新型コロナウイルスワクチンの普及に従い、在宅勤務からオフィス勤務に戻る人が増加し、ビデオ会議システムやVPNなどの需要が低迷する可能性があります。

デジタル化の動きは進んでいくと思われますが、多くの人がオフィス勤務等に戻ることが予想されるため、ソフトウェア関連の成長は落ち着く可能性があります。

一方で、同社の主力カテゴリーであるハードウェア製品は、大企業や政府機関向けの高額製品が多く、コロナパンデミックの影響で縮小していた各企業による設備投資が回復していけば、大きく伸びると考えられます。

変異株の登場などで、コロナウイルスに関して今後どうなるかは不透明な部分が多いですが、同社の業績は安定的に成長していくと予想できそうです。

ただ、投資家間においても半導体不足やコロナなどに対する評価が割れているため、同社株価に関しては50ドルをひとつの基準として推移しそうです。

参考元:

Cisco Reports Third Quarter Earnings

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