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【米国株動向】次のバークシャー・ハサウェイを探せ

出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、202153日投稿記事より

投資会社バークシャー・ハサウェイを率いるウォーレン・バフェット氏の投資手法は、自社の保険事業から得るフロート(保険加入者が払い込む保険料から保険支払いの準備金などを引いて残る余剰資金)で割安な銘柄を買うのが特長です。

ある報告は、同氏の運用パフォーマンス全体はこのバリュー(保険事業が生み出すキャッシュフローの価値)とレバレッジ(そのキャッシュフローを再投資するテコの力)という二つの要素で説明がつくとしています。

これまで同氏の手法を真似ようと、保険事業を始めたバリュー投資家もありますが、なかなか成功には至りません。

バフェット氏のビジネスモデルは非常に優れている一方で、前提となるのは保険事業が良好で、割安な銘柄への投資によるレバレッジが可能であることです。

ここでは、次世代のバークシャーとなり得る候補を3社見ていきます。

検討の基準は、運用リターンと、保険引受事業の利益を総合的に測る指標であるコンバインド・レシオです。

コンバインド・レシオは保険料収入と管理費及び支払い保険料の割合を示し、100%未満であれば事業が黒字であることを示します。

フェアファックス・ファイナンシャル・ホールディングス

保険・投資会社フェアファックス・ファイナンシャル・ホールディングス(OTC:FRFHF)を率いる会長兼最高経営責任者(CEO)のプレム・ワトサ氏は、「カナダのバフェット」として知られる人物です。

同氏がフェアファックスを引き継いだ1986年から2020まで、フェアファックスの1株当たり純資産は平均で年17.9%(年率換算)のペースで拡大してきました。

ワトサ氏は、以前はフロートを典型的なバリュー銘柄に投資する、正統派バフェットスタイルを踏襲してきました。

その後、方向転換して2008年の世界金融危機を前に巨額のヘッジを設定しました。

ヘッジ戦略はうまく機能しましたが、多くの投資家がワトサ氏のバリュー投資の腕が落ちることになったと指摘しています。

2011年から2016年の間の1株当たり純資産の平均成長率は年2.1%、その後は6.8%となりました。

2019年の株主への手紙の中で、過剰な空売りポジションによる損失額が20億ドルに迫る規模であることを嘆きました(ポジションは既に解消済み)。

フェアファックスの保険事業は、コンバインド・レシオが2006年以来、2017年を除いて100%を下回っており、つまり利益を出してきました。

保険事業の収益性は十分クリアしています。

しかし運用リターンについて、筆者はワトサ氏が過去の成功を取り戻すことができるかはわかりません。

マーケル

マーケル(NYSE:MKL)の運用資産残高は、この10年間で80億ドルから240億ドルと約3倍に成長しました。

この20年で同社の純資産額が大きく落ち込んだのは、2007年から2008年にかけての1度(19%減)で、その際も2009年までには2007年を超える水準に回復しました。

フェアファックス同様に市場の暴落をうまく吸収し、その後も市場をアウトパフォームしています。

2020年の株主への手紙の中で、同社経営陣は、自社の資金の使途の優先順位について、まずは既存の事業ラインの維持、次に新たな事業の買収、最後に市場での株式取得と自社株買いだと説明しており、自社株買いは割安に評価されていると判断した場合のみ実施するとしています。

コンバインド・レシオの推移によれば、過去10年で損失を出したのは2期のみとなっています。

2020年には保険契約の新規獲得数が過去最高を記録しました。

同年第2四半期には、パンデミック下で世界経済が厳しい状況にある中で黒字に復活しています。

マーケルは保険事業の収益性と運用成績の両方の基準を容易にクリアしています。

アレゲニー

「Y」の1文字から成るティッカーが示すように、アレゲニー(NYSE:Y)はこの3社の中で唯一、バフェット氏より歴史の長いビジネスです。

両者の息の長さの秘訣は保守的な保険事業の方針とバリュー投資戦略にありますが、アレゲニーはこの数年、問題を抱えています。

コンバインド・レシオは直近4年間のうち3年、100%を超えています。

同社によれば、これは尋常でない損失額によるもので、パンデミック以上の負荷になっているのが大西洋水域における活発なハリケーンの影響です。

さらに最近の損害保険の価値の上昇や湾岸開発も損失に拍車をかけたとしています

損失の主な源泉は同社の再保険事業です。

保険会社を相手にする再保険は、ひとたび大規模な災害などが起きれば損害保険会社からの保険金請求により大きな損失が生じます。

同社は傘下の再保険会社トランス・リーによる海岸域の損害保険の対象の選定力を強化しています。

また、トランス・リー単体のコンバインド・レシオは過去4年間、毎年100%を超えていますが、2012年にトランス・リーを買収して以降、アレゲニーとの総合では97.4%となっています。

こうした損失が足かせとなり、過去5年間の1株当たり純資産額の成長率は年平均5.1%程度となっています。

経営陣が示す調整後の数字(異常な水準の損失、運用不振による一度限りの損失を除く)でも8%程度で、他の2社と比べると運用リターンは見劣りします。

バークシャーの後継者となるのは

3社の比較では、フェアファックスのような不確実性がなく、アレゲニーより運用面でも保険事業の収益性でも勝っている点で、マーケルが次のバークシャーとして一番近い位置につけているでしょう。

4月にマーケルは自社株の買い戻しの再開を発表しています。

5月3日の株価を基準にした株価純資産倍率(PBR)は1.3倍で、過去5年間の平均1.51倍を下回っていますが、今後の上昇が期待できます。

同社経営陣同様、筆者も買いの機会と考えます。

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免責事項と開示事項 記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Mike Priceは、アレゲニー株、バークシャー・ハサウェイ(B株)、マーケル株を保有しています。モトリーフール米国本社は、バークシャー・ハサウェイ(B株)、マーケル株を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、フェアファックス・ファイナンシャル・ホールディングス株を推奨しています。モトリーフール米国本社は、バークシャー・ハサウェイ(B株)のオプションを保有しています(2023年1月の200ドルのロング・コール、2023年1月の200ドルのショート・プット、2021年6月の240ドルのショート・コール)。
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