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企業の資金調達の方法は?資金調達をする理由や株価に与える影響も解説

出典:Getty Images

企業経営には資金が必要ですが、常に資金を確保できている企業というのは少ないです。

そのため多くの企業が資金調達を実行しており、実行した理由や結果によっては株価に影響を与えています。

そこで今回は、企業の資金調達の方法について解説します。

企業が資金調達をする理由や株価への影響についても合わせて解説します。

企業が資金調達をする理由

企業の資金調達とは、企業経営に必要な運転資金や設備資金などを外部から調達する行為です。

企業が資金調達をする主な理由は次の通りになります。

  • 運転資金を確保するため
  • 新規事業を始めるため
  • 現在の事業を拡大するため
  • 会社の信用力を増やすため

それぞれ、順番に解説します。

運転資金を確保するため

企業が資金調達をする理由として最も多いのが、運転資金の確保です。

企業が活動を行なえば、人件費や原材料費、仕入れ代など様々な必要経費が発生します。

業態にもよりますが、モノやサービスを売ってすぐに売上が手に入るとは限りません。

入金よりも出金(支払い)が先に来るケースは珍しくなく、企業は運転資金から必要経費の支払いをします。

そのため、企業は一定の運転資金を用意しておく必要があります。

最近では黒字経営をしているのに倒産してしまう「黒字倒産」も増えています。

業績が黒字なのに倒産をしてしまうのは、運転資金が尽きてしまい、支払いをするだけの体力が無くなってしまったからです。

このように運転資金が少ない、あるいは足りない場合は企業が倒産するケースもあるため、企業は運転資金を確保するために資金調達をします。

運転資金を求めて資金調達をする場合は、自社の資産が少なくなっている、あるいは売上が減ってきているなどの経営の悪化が予想されます。

調達した資金の額や内容によっては株価に大きな影響を与える可能性があります。

新規事業を始めるため

企業が資金調達をする理由に、新規事業を始めるための資金を確保することも上げられます。

自社の資産だけで新規事業を始めるのが理想的に思えますが、上記でも説明したように運転資金が少ないと円滑な企業経営が難しくなります。

そこで、企業は新規事業を始めるのに必要な資金を調達し、自社の資金を減らさないようにします。

調達した資金は主に、新規事業を立ち上げるために必要な人件費や開発費、設備費に使用され、成功すれば企業全体の売り上げを向上させます。

そのため、新規事業のための資金調達に成功すると株価が上がりやすい傾向にあります。

一方で、新規事業が必ず成功するとは限りません。

失敗すれば調達した資金の返済が経営を悪化させ、株価に影響を与えます。

現在の事業を拡大するため

新規事業を立ち上げるのとは別に、現在の事業を拡大するために資金調達をするケースもあります。

例えば、販路を国内から海外に広げる、海外に工場を建設する、人員を増やして生産量を増やすなど、主要な事業の売上を向上させるのが資金調達をする目的です。

新規事業と同様に、自社の資産だけで事業を拡大できれば理想的ですが、運転資金を減らすのは企業が嫌がり、必要な資金を貯めるのは時間が掛かります。

資金調達に成功すれば、ライバル企業が成長したり、資金力のある大手が参加したりする前に、企業を成長させシェアを獲得できます。

自社の資産が大きくなるのを待つよりも、よそから資金調達をする方が効率的です。

会社の信用力を増やす

資金調達に成功するということは、一種のステータスであり、会社の信用力を増やす結果になります。

金融機関にとって、事業内容や売上以上に気になるのが返済実績です。

返済実績が無い企業を信用するのは難しく、融資額が多いほど融資をするのを渋る傾向にあります。

そのため、会社の信用力を増やすためにあえて資金調達をするケースというのは少なからずあります。

また、有名な投資家やCEOから資金調達に成功したというニュースは、事業内容を認められたという意味を持ちます。

そのため、資金調達成功のニュースは好材料とみなされ、株価が上がりやすいです。

企業が資金調達をする方法

企業が資金調達をする方法は大きく分けて3種類に分類されます。

  • デット・ファイナンス
  • エクイティ・ファイナンス
  • アセット・ファイナンス

それぞれ、順番に解説します。

デッド・ファイナンス

デッド・ファイナンスは、金融機関や投資家などから資金を借り入れる資金調達の方法です。

「デッド」は借金・負債を意味しており、いずれ返さなければなりません。

借金・負債のため、バランスシートでは負債の部に入り、調達した資金は他人資本と呼びます。

デッド・ファイナンスのメリットは、ほかの資金調達方法に比べて選択肢が豊富ということです。

  • 銀行や金融機関
  • 日本政策金融公庫
  • 自治体
  • ビジネスローン
  • 社債

上記はデッド・ファイナンスの調達先の一例で、選択肢が多いのでほかの方法に比べて資金を調達できる可能性が高いです。

また、借金の利息は税務上の損金として扱われるので、節税効果もあります。

デッド・ファイナンスのデメリットは、借金・負債のため返済期限や償還期限を迎えたら返済する義務があるということです。

将来的に返済義務があり、返済できなければ倒産になるというリスクを抱えています。

また、他人資本が増えてしまうと自己資本比率が下がってしまいます。

結果、金融機関や投資家から資金力が無いと判断されやすくなります。

エクイティ・ファイナンス

エクイティ・ファイナンスは、株式を発行して資金調達をする方法です。

「エクイティ」が株式を意味しており、バランスシートでは資本の部に入り、調達した資金は自己資本と呼ばれます。

主に、次の資金調達方法がエクイティ・ファイナンスに分類されます。

  • 公募や私募による普通株式発行
  • 転換社債型新株引受権付社債
  • 優先株

エクイティ・ファイナンスのメリットは、原則として調達した資金の返済義務が発生しないということです。

また、自己資本の割合が増えるためバランスシートが改善されるというメリットもあります。

一方で、エクイティ・ファイナンスにより株式が増えると、一株当たりの価値の希薄化が起きてしまい、株主が不利益を被る可能性があります。

そのため、エクイティ・ファイナンスを実施した際は、売り圧力が強まって株価が下がる傾向にあります。

また、株式を増やすことで機関投資家や投資ファンドが経営に介入する可能性も増えるため、経営方針の変化や経営陣の退陣など、トラブルを招く場合もあります。

アセット・ファイナンス

アセット・ファイナンスは、企業が保有する資産を売却、あるいは資産の生み出すキャッシュフローを返済原資として融資を受けるなどの資金調達方法です。

主に、次の資金調達方法がアセット・ファイナンスに分類されます。

  • 不動産ファイナンス
  • 動産担保融資
  • ファクタリング
  • 知的財産の売却

アセット・ファイナンスのポイントは、一定の価値がある資産を売却・担保とするため、企業の信用力が低くても資金調達に成功しやすいことです。

また、資産の売却はバランスシートのオフバランス化に繋がるので、財務の健全化という効果も期待できます。

一方で、アセット・ファイナンスはその時点で「キャッシュを生み出せる資産」を保有していないと実行できないというデメリットがあります。

ほかにも、キャッシュフローを生み出す資産を売却するほど経営が悪化しているというイメージが付きやすいため、株価が下がりやすい傾向にあります。

資金調達が株価に与える影響

企業が資金調達をした場合、株価に大きな影響を与えますが、資金調達の方法や目的によってどのような影響を与えるかは異なります。

例えば、既存株主が不利益になる資金調達をした場合は、株価が下がる傾向にあります。

一方で、新規事業や既存の事業拡大のための資金調達は業績を伸ばす期待感から株価が上がりやすい傾向にあります。

このように資金調達の方法や目的によって株価が上昇・下落するかは異なりますので、企業が資金調達をする場合は目的や方法までしっかりと確認するのをおすすめします。

まとめ

資金調達の方法は大きく分けて3種類あり、資金調達をする目的や企業の状況に応じて選択肢が異なります。

資金調達をする目的が新規事業や事業の拡大なら好材料となって市場に影響を与えます。

しかし、既存株主が不利益を被る、あるいは業績が苦しいのではないかと思えてしまう資金調達方法だと悪材料となります。

投資している企業が資金調達をした場合は、資金調達をした目的や結果を確認しましょう。

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