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欧米ヘルスケア銘柄の最新業績(2021年Q1):アストラゼネカと高配当株メルク

出典:Getty Images

新型コロナウイルスによるパンデミックにおいて、世界での感染者数は再び増加しつつあります。

同時に、パンデミックを収束させるためにコロナワクチンの接種が各国で行われていますが、コロナワクチンに強い様々なコロナ変異株が出現しているため、状況は複雑になってきています。

したがって、まだヘルスケア企業の役割は重要であるため、株投資の際にはヘルスケア銘柄に注目するべきです。

特に注目するべきは、コロナワクチンの開発や提供に成功している製薬企業です。

しかし、最近のニュースとして、コロナワクチンの普及を促進することを目的とした、コロナワクチン特許の権利放棄の話が浮上しているのが気になります。

まだ議論の最中のようですが、実際に特許を手放すことになれば、それらの製薬企業の業績は大幅に減少する可能性があります。

このことから、コロナワクチンに直接携わっていないヘルスケア企業に着目しておくのも有効な戦略と言えるでしょう。

今回の記事では、注目するべきヘルスケア企業であるアストラゼネカ(NYSE:AZN)とメルク(NYSE:MRK)の最新業績や最新コロナ対応などについて解説します。

ちなみにメルクは高配当株として知られています。

アストラゼネカ:業績が好調でコロナワクチン販売も順調

最初にアストラゼネカについて解説していきます。

アストラゼネカのコロナワクチンの状況

アストラゼネカはオックスフォード大学と提携して、コロナワクチンの開発に成功しました。

同社のワクチンで気になる点は副作用です。

特定の年齢層あるいは特定の年齢層の女性が同社のワクチンを接種を受けた場合、血栓が生じて死亡してしまったケースが少ないながらも発生してしまいました。

そのため、一部の地域あるいは国は、同社のワクチンの採用あるいは供給を停止しました。

一方で、同社のコロナワクチンは、南アフリカ株に対して効果が低いという報告がありますが、インド株には90%以上の効果率があるとされています。

アストラゼネカはこれらの新しい状況に対応するために、コロナワクチンの改良を行なっています。

例え同社のコロナワクチンの売り上げが下がっても、以下で解説するように他の医薬品の売り上げが順調であるため、それほど心配する必要はなさそうです。

アストラゼネカとは

アストラゼネカは、スウェーデンのアストラABとイギリスのゼネカグループが合併して設立されたため、スウェーデンとイギリスの製薬企業です。

ちなみに、米国のナスダックにも上場されています。

売り上げは世界の製薬企業ランキングでは上位にランクされていますが、今回のコロナ需要を契機にそのランクは上がる可能性があります。

同社の部門は、がん、循環器・腎・代謝、呼吸器・免疫に分かれていますが、最も高い売り上げを得ているのはがんの治療薬です。

好調なアストラゼネカの業績

アストラゼネカの2021年第1四半期(Q1)の決算報告書は今年の4月30日に発表されました。

同社のQ1の業績は、前年同期比で売り上げと営業利益ともに順調でした。具体的な数字や原因などは以下の通りです。

  • トータルの売上高:15%増(2021年Q1: 73.2億ドル、2020年Q1: 63.5億ドル)
  • 営業利益:55%増(2021年Q1: 18.9億ドル、2020年Q1: 12.2億ドル)

売上高15%増の主な要因は、がん治療薬などの新しい治療薬の売り上げが増加したことです。

地域あるいは国ごとで見てみると、特に中国とヨーロッパでの売り上げが大きく伸びました。

同社のコロナワクチンは、去年の12月頃から販売が開始されているため、今回の売り上げにはまだ含まれていません。

ただ、同社のコロナワクチンの売り上げは順調に伸びているため、同社の今年の業績は大きく伸びることが期待できます。

メルクの最新業績

次にメルクについて解説していきます。

メルクはコロナ治療薬を開発中

メルクは、米国のスタートアップ企業であるリッジバック・バイオセラピューティクス(Ridgeback Biotherapeutics)と提携して、コロナ治療薬の開発を進めています。

パンデミックが長引いておりかつすぐに収束しそうにないので、コロナ治療薬もまだ重要であると考えることができます。

例えば、効果的なコロナ治療薬により医療システムの崩壊を防ぐことができます。

同社の治療薬は外来患者用の治療薬であり、まもなく臨床試験のフェーズ3に移行する予定です。

また、臨床試験で得られたデータは医学会で発表される予定です。

メルク(Merck & Co.)とは

メルク(Merck & Co.)は米国の大手製薬企業であり、ドイツのメルクとは異なるので注意が必要です。

両社は元々一つのドイツ製薬企業でしたが、1917年の第一次世界大戦において米国政府により分社化され、米国のメルクが設立されました。

同社の売り上げ規模は世界の製薬企業ランキングで5位にランクされており(2020年)、かつムーディーズなどの格付け会社から高い評価を得ています。

また、製薬だけでなく獣医関連の市場にも参入しています。

メルクの業績は順調

メルクの2021年第1 四半期(Q1)の決算報告書は、今年の4月29日に発表されました。

2021年の年間の売り上げと純利益の前年同期比(2020年Q1)は以下の通りです。

ほぼ変わらないという結果になっていますが、決しては悪くはないでしょう。

具体的な数字や原因などを以下に解説していきます。

  • 売上高:約0%増加(2021年Q1: 120.8億ドル、2020年Q1: 120.5億ドル)
  • 純利益:GAAPでは1%減少(2021年Q1: 31.7億ドル、2020年Q1: 32.1億ドル)

同社によれば、パンデミックの影響を受けたとのことですが、それでも大きな下落はなく順調に業績レベルを維持できています。

したがって、特に心配する必要はなさそうです。

今後の動向

アストラゼネカとメルクの業績やコロナ対応について解説しました。

両社とも業績は順調で、特にアストラゼネカの伸び率は非常に高くさらに大きく伸びていく可能性があります。

そもそも新型コロナウイルスは変異しやすいRNAウイルスなので、新たな変異株が今後も発生し、それによってパンデミックの状況が複雑になってくる可能性があります。

したがって、ヘルスケア銘柄の役割はますます重要になってくるでしょう。

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免責事項と開示事項 記事の作者、小田茂和は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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