The Motley Fool

【米国株決算】ファイザーの2021年第1四半期決算と今後の株価の推移について

出典:Getty Images

ファイザー(NYSE:PFE)は米国の大手医薬品メーカーです。

環器系、中枢神経系、鎮痛・抗炎症系、筋骨格系、感染症、泌尿器系、眼科系、ガン、内分泌系、ワクチンの薬剤などの研究開発や、製造及び販売を行っています。

近年では、ドイツのバイオンテックとともに、新型コロナウイルスのワクチンを早期開発し、世界中に供給を開始したことで非常に注目を集めています。

本記事では、ファイザーの最新の決算情報である、2021年第1四半期決算と今後の株価の推移について見たいと思います。

株価について

決算発表直前の同社株価について確認します。

5月3日の始値は39.06ドルであり、終値は39.83ドルとなりました。

1996年頃に1桁ドル台であった株価は、2000年頃まで大きく上昇しています。

2000年7月には50ドル近い値で高値を記録しています。

その後は乱高下を繰り返しながらも、2009年頃に10ドル台まで徐々に下落します。

近年では2018年45ドルの高値を記録しており、この時を山場にして、現在は30ドルから40ドルの間を上下しながら推移しています。

続いて、同社の配当実績について確認したいと思います。

日付は権利落ち日となっています。

  • 2021年5月6日…配当:0.39ドル(配当利回り:4.04%)
  • 2021年1月28日…配当:0.39ドル(配当利回り:4.00%)
  • 2020年11月5日…配当:0.38ドル(配当利回り:3.88%)
  • 2020年7月30日…配当:0.38ドル(配当利回り:4.19%)
  • 2020年5月7日…配当:0.38ドル(配当利回り:4.64%)
  • 2020年1月30日…配当:0.38ドル(配当利回り:4.27%)
  • 同社は12年連続で増配を行っています。

昨年からの増配率は2.6%と高くないものの、配当利回りは4%を超え、高水準な配当銘柄と言えます。

また当四半期における配当性向は45%となります。

近年では連続で増配を行っている同社ですが、今後も増配余力があり、なおかつ株主への還元も評価できると思います。

最新決算情報

同社が発表した2021年第1四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 売上高…145.82億ドル(前年同期比45%増)
  • 純利益…48.77億ドル(前年同期比45%増)
  • 希薄化後EPS…0.86ドル(前年同期比44%増)

同社がバイオンテックと共同開発をしている新型コロナウイルスワクチンBNT162b2は、35億ドルの収益となっており、これを除くと収益の増加は約8%増となります。

non-GAAPベースの希薄化後EPSは0.93ドルで、売上高とともに予想を上回る結果となりました。

当決算における同社の業績は非常に好調であることが伺えますが、新型コロナウイルスのワクチンによる収益が大きく影響していることが伺えます。

また同社幹部は、新型コロナウイルスのワクチンによる業績を除く業績について次のように言及しています。

この四半期において、事業の堅調な収益成長が続いています。

2025年末までに少なくとも6%の収益によるCAFR(年平均成長率)を上手くサポートしています。

成長予測では、新型コロナウイルスのワクチンによる売り上げの寄与は引き続き除外されます。

コメントにより、新型コロナウイルスのワクチンを除く業績についても、堅調な見通しを立てていることが伺えますが、逆に今後は新型コロナウイルスのワクチンが業績に大きく影響することが示唆されています。

新型コロナウイルスのワクチンについて同社のCEOによると、決算発表直前の5月3日までに約4億3,000万回分のワクチンを世界91か国に出荷していることや、米国において現在緊急使用許可の下で供給しているワクチンの完全認証を、今月中に求める方針を明らかにしています。

また、新型コロナウイルスのワクチンの手法となるmRNAについて、同社がリーダーとして浮上しており、mRNA手法の技術について幅広い機会の模索を行っているという見解を示しています。

詳細情報

セグメント別の業績について確認します。

  • ワクチン…48.94億ドル(前年同期比-比較なし)
  • 腫瘍…28.62億ドル(前年同期比18%増)
  • 内科…25.94億ドル(前年同期比11%増)
  • 病院…23.43億ドル(前年同期比12%増)
  • 炎症と免疫…10.65億ドル(前年同期比9%増)
  • 気象疾患…8.24億ドル(前年同期比29%増)
  • 総売上…145.82億ドル

セグメント別の売上に関して、以前より大幅に増加したワクチンのセグメントでは前年との比較は行われておりません。

ワクチンセグメントでは前述したように、新型コロナウイルスのmRNAワクチンであるBNT162b2の収益である35億ドルを含んでいます。

またBNT162b2では、共同開発を行っているバイオンテックと50%の粗利益分割をしていることを明らかにしています。

当決算より業績セグメントとして分類されていた、アップジョン事業は非継続事業として再分類されています。

mRNAワクチンの供給により、大きな収益変化が見られますが、ワクチンを除く業績についても、それぞれ増益となっており、堅調な結果であることが伺えます。

続いて同社が公表している通年の業績ガイダンスについて確認します。

  • 売上高…705億ドル-725億ドル(前回発表594億ドル-614億ドル)
  • 調整後希薄化後EPS…3.55-3.65ドル(前回発表3.10ドル-3.20ドル)

売上高、希薄化後EPSについて、どちらにおいても業績の見通しを大きく拡大していることが伺えます。

新型コロナウイルスのmRNAワクチンBNT162b2による増益を大きく見込むものとなっているため、同社はそれぞれを分けた業績予想についても公表しています。

  • BNT162b2の売上高…260億ドル(前回発表150億ドル)
  • BNT162b2を除く売上高…446億ドル-466億ドル(前回発表444億ドル-464億ドル)

BNT162b2の売上高について、90億ドル引き上げるといったことから、2021年の通年の業績に大きく影響することが予想されます。

同社は2021年におけるBNT162b2の収益について、約16億回分を計上していますが、現在も尚供給に向けて国家と交渉を行っているため、今後の動向が注目されます。

決算発表を受けて

2021年第1四半期決算発表では大幅な増益を達成し、今後の見通しについてもワクチンの売上予想を大きく引き上げるなど、好調な決算結果となりました。

決算発表後の5月4日の株価について確認します。

5月4日の始値は39.73ドルとなり、終値は39.95ドルとなりました。

決算発表直前である5月3日の終値である39.83ドルに対して、発表直後は下落していますが、翌日の5月4日には40.12ドルの高値を記録するなど株価が上昇していることが伺えます。

株価上昇の要因として、やはり新型コロナウイルスのワクチンによる業績や見通しが明らかになったことが考えられます。

新型コロナウイルスのワクチンを除く事業においても堅調な業績を達成していますが、当決算を詳らかにすると今後ワクチンによる収益が主力となっていくことが予想されます。

同社とバイオンテックが共同開発しているmRNAワクチンBNT162b2は95%の高い発症予防効果を得たことで注目を大きく集めていますが、同社は今後さらなる安定性の向上を目指す見解を示しています。

またワクチンの供給についてEU圏への2億回分の追加供給や、2022年にイスラエルの供給、2022年から2023年に向け1億2500万回分のカナダへの供給を既に公表しています。

新型コロナウイルスの変異種に対しても有効である可能性が示唆されており、同社のmRNAワクチンの動向は今後も注目に値するでしょう。

最後に今後の株価について考察します。

同社は高い有効性を持つワクチンの供給に成功したことなどから、現在大きな転換期を迎えていることが伺えます。

さらに当決算発表により、その見通しが明らかになったことを踏まえると、今後株価の上昇は十分に期待できるのではないでしょうか。

新型コロナウイルスのパンデミックは、現在も収束したとは言い難く、変異種が新たに確認されるなど、再び困難な状況になっていると言えます。

同社のワクチンは、パンデミックの打開として大きく注目されており、引き続きその動向が大きく注目されるでしょう。

参考:

PFIZER REPORTS STRONG FIRST-QUARTER 2021 RESULTS

免責事項と開示事項 記事の作者、白紙は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

最新記事