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米国コロナワクチン銘柄の最新業績(2021年Q1):ファイザーとジョンソン・アンド・ジョンソン

出典:Getty Images

新型コロナウイルスによるパンデミックはまだ続いており、さらに悪化しつつあるため今年中に収束するか不透明な状態です。

様々なコロナ変異株の出現がその理由の一つでしょう。

一方で、株式市場は順調に伸びていますが、パンデミックに関するネガティブなニュースが報道されれば、それを受けて株価は急落します。

したがって、米国株などの投資においてはパンデミックの情報を常に得ておく必要があります。

コロナ収束に特に重要なのは、コロナワクチンの開発や提供を手掛けている製薬企業あるいはバイオテクノロジー企業です。

これらの銘柄は投資対象として注目されていますが、投資を行わないとしてもコロナの状況を把握するのに重要であるため、それらのコロナワクチン銘柄の情報を定期的にチェックしておく価値があります。

そこで、この記事ではコロナワクチンの開発や販売を行なっている、ファイザー(NYSE:PFE)とジョンソン・アンド・ジョンソン(NYSE:JNJ)の最新業績(2021年Q1)や最新コロナワクチン情報について解説します。

両社ともグローバルヘルスケア市場のトップ企業であり、米国の代表的なインデックスであるS&P500の構成銘柄です。

両社の業績は好調ですが、今後の動向として気になるのはコロナワクチン特許の権利放棄の件です。

ファイザーの業績やコロナワクチンの状況は順調

まずは、ファイザーの最新コロナワクチンの情報や最新業績について解説していきます。

ファイザーのコロナワクチン

ファイザーは、ドイツのバイオンテック(BioNTech)との提携によるコロナワクチンの開発に成功し、現在は世界各国でそのコロナワクチンの提供を行なっています。

また、今年東京で開催されるオリンピックでも同社のコロナワクチンが提供されることが決定しました。

一方で、気になるのがコロナ変異株に対する効果です。

現時点では、同社のコロナワクチンは、英国株(B.1.1.7)と南アフリカ株(B.1.351)に高い効果があることがわかっています。

他の変異株ついては調査中のようです。

例えそのコロナワクチンが効かないコロナ変異株が出現しても、そのコロナ変異株に適応するために、同社はすぐにそのコロナワクチンを改変し、その変異株にも効果のあるコロナワクチンを開発するでしょう。

ファイザーとは

ファイザーは言わずと知れた米国の大手グローバル製薬企業です。

同社の注目疾患(病気)領域は、がんや免疫疾患、心臓疾患、神経疾患、感染症などです。

同社の売り上げは世界ランキングでは上位にランクされており、ヘルスケアのトップ企業の一つです。

新型コロナウイルスのパンデミックでは、同社は急増するヘルスケア需要にうまく応えることできました。

ファイザーの業績は順調

ファイザーの第1四半期(Q1)の決算報告書(2021年1月から2021年3月の業績)は、2021年5月4日に発表されました。

それによれば、同社の業績は大きく伸びました。

2021年Q1のトータルの売り上げと純利益の前年同期比(2019年Q1)は以下の通りです。

  • 売上高:45%増加減少(2020年Q1: 145.8億ドル、2019年Q1: 100.8億ドル)
  • 純利益:45%増加(2020年Q1: 48.7億ドル、2019年Q1: 33.5億ドル)

この好業績をけん引したのは、主に同社のコロナワクチンBNT162b2の売り上げの大幅な増加です。

また、それ以外のがん治療薬などの製品の売り上げも大きく伸びました。

配当金については現状維持ですが(1株当たり0.39米国ドル)、このままさらに業績が伸びていけば増配当される可能性が考えられます。

ジョンソン・アンド・ジョンソンの業績とコロナワクチンの開発状況は良好

次に、ジョンソン・アンド・ジョンソンの最新業績やコロナワクチンの状況について解説します。

ジョンソン・アンド・ジョンソンのコロナワクチン

ジョンソン・アンド・ジョンソンもコロナワクチンの開発を行い、今年から提供を開始しました。

すでに米国やEUなどで緊急使用の許可を得ています。

同社のコロナワクチンは、南アフリカ変異株(B.1.351)とブラジル変異株(P2)に効果があることが示されたようです。

詳しい調査や他の変異株に対する効果の検証については、まだ実施中のようです。

ジョンソン・アンド・ジョンソンとは

ジョンソン・アンド・ジョンソンも言わずと知れた米国のグローバルトップ大手製薬企業です。

同社には3つの部門があり、一般健康医療品(Consumer Health)、製薬(Pharmaceutical)、医療機器(Medical Devices)です。

最も高い売り上げを得ているのは製薬部門です。

同社もパンデミックを契機に、さらに業績を伸ばしています。

ジョンソン・アンド・ジョンソンの業績も順調

2021年4 月20日に発表された同社の第1四半期(Q1)の決算報告書によれば、同社の決算は良好でした。

2021年Q1のトータルの売り上げや純利益の前年同期比(2019年Q1)は以下の通りです。

  • 売上高:7.9%増加(2020年Q1: 223.2億ドル、2019年Q1: 206.9億ドル)
  • 純利益:6.9%増加(2020年Q1: 61.9億ドル、2019年Q1: 57.9億ドル)

当然ながらEPSも上がり2.32となりました(前年同期比で6.9%増)。

部門別かつ前年同期比で見てみると、製薬部門と医療機器部門の売り上げは大きく伸びましたが(各々9.6%増および10.9%増)、一般健康医療品(Consumer Health)部門は2.6%減となりました。

製薬については、同社のコロナワクチンの売り上げはまだ含まれていないので、コロナワクチンなしでも同社の売り上げは大きく伸びていることになります。

今後の動向:コロナワクチン特許の権利放棄

両社とも急増しているヘルスケアの需要にうまく応えることができており、結果として業績は順調に伸びています。

このことから、両社とも長期投資に向いている銘柄と言えます。ただし、コロナワクチンの特許の権利放棄の話が出てきており、米国のバイデン大統領がそれを支持することを表明したため、実施される可能性が高くなっています。

その特許が放棄されれば、貧しい国々へのコロナワクチン普及が大幅に促進されますが、一方で、ファイザーやジョンソン・アンド・ジョンソンの売り上げは大幅に下落し、それが株価に負の影響を与える可能性が高いでしょう。

当然ながら、製薬企業は反発していますが、コロナワクチンには多くの税金が投入されていることについても考える必要があります。

したがって、コロナワクチン特許の権利放棄の実現には、妥協点を得るために時間がかかるのではないかと思われます。

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