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連続増配銘柄を対象としたETF「SCHD」の中でも特に増配の恩恵を受けやすい3銘柄

出典:Getty Images

4月以降「ダウ工業株30種平均」は史上最高値圏にあり、バイデン米政権最初の100日「ハネムーン期間」に「S&P500種株価指数」は11%上昇と株高志向のトランプ前大統領時の5%を大きく上回っており、21年はコロナ禍からの世界的なV字回復が予想されています。

出所:野村證券「Nomura21 Global」を基に筆者作成

実際に米国では3月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比2.3%上昇かつ、消費者物価指数(CPI)も同2%を超えて足元ではインフレ期待が強まる中、調査会社リフィニティブによると4月29日時点で米主要500社の1~3期月期決算の実績ベースでは48%増益かつ、8割以上の企業が事前のアナリスト予想を上回るという好調ぶりを見せています。

そこで、春先から業績相場に移行しつつある米国株式市場において、今回は企業利益の拡大と共に、継続的な株主還元政策にコミットする優良企業、いわゆる「連続増配銘柄」を投資対象としたETFをテーマに、その投資環境及び、構成銘柄をご紹介致します。

主要な連続増配ETF

Symbol Total Assets ($MM) YTD

Return

Dividend Yield DGR5Y DGR Total Inception Expense Ratio
VIG $58,448 8.77% 1.52% 4.77% 12.75% 2006/4/27 0.06%
SCHD $23,579 16.63% 2.80% 12.09% 12.16% 2011/10/20 0.06%
DGRO $18,324 11.97% 2.08% 10.10% 50.45% 2014/6/10 0.08%
NOBL $8,239 13.20% 1.94% 11.37% 13.48% 2013/10/9 0.35%
DGRW $5,766 9.58% 1.80% 9.16% 9.16% 2013/5/22 0.28%
SPY $359,944 12.00% 1.33% 6.23% 6.98% 1993/1/22 0.09%

出所:seekingalpha.com「Dividend Growth」を基に筆者作成

まず、連続増配銘柄を投資対象にしたETFのうち、運用資産残高上位5銘柄を見ると、運用開始以降の増配率が概ね二桁以上の成長率と長期保有する事で、市場平均以上の配当利回りを実現できる可能性を示唆しています。

特に、米チャールズ・シュワブ「SCHD(Schwab U.S. Dividend Equity ETF)」は主要な連続増配ETF5銘柄のうち、年初来リターンはトップ、かつ過去5年間における増配率も首位である事に加えて、更に予想配当利回りでも市場予想を上回り、長期的にインフレ率に負けない配当成長に期待できる優れたETFとして、今回はその概要と構成銘柄に着目します。

SCHDのベンチマークである「Dow Jones U.S. Dividend 100 Index」の採用銘柄は下記のスクリーニング及び、スコアリングに基づいた上位100銘柄に厳選されています。

スクリーニング 最低10年間の配当支払い実績がある事
浮動株調整時価総額が5億ドル以上
3カ月間における1日の取引平均額が200万ドル以上
スコアリング 安全性:負債に対する営業キャッシュフローの割合
収益性:株主資本利益率(ROE)
還元性:予想年間配当利回り
成長性:5年間の配当成長率(増配率)

出所:S&P Dow Jones Indices「Methodology」を基に筆者作成

実際に、SCHDの過去数年間のパフォーマンスは市場平均に劣後する一方で、年初来からの米長期金利の上昇局面からそのリターンの優位性を見せ始め、かつてない大規模な金融相場からインフレ期待による業績相場への移行が進む中、構成銘柄の利益拡大に伴う継続的な増配率の向上によって、将来の配当利回り及び、株価上昇が期待されます。

(図①)

また、SCHDのセクター別割合では、「情報技術」、「金融」、「資本財」といった景気敏感セクターが全体の5割超を占めており、特に今後のコロナ禍からの景気回復場面では業績拡大の恩恵を受けやすく、同ETFのリターン上昇に寄与する事が予想されます。(図②)

図①②:Charles Schwab Investment Management, Inc.「SCHD Fact Sheet」を基に作成

それでは、SCHDにおいて構成比率の上位30銘柄を対象に、連続増配の恩恵を享受しやすい銘柄、すなわち「Yield on Cost(YOC)」が高い優良銘柄をご紹介致します。

「YOC」とは具体的に「年間受取り配当金÷買値 (平均取得価格)」であるため、連続増配する前提で考えると、基本的に「YOC」が高い銘柄ほど、長期保有するに従って配当利回りが上昇します。

Ticker Industry Weight Dividend Yield (FWD) Payout Ratio DGR 5Y

(CAGR)

10 Year

Yield on Cost

1 AVGO Semiconductors 3.92% 3.12% 53.55% 50.92% 43.04%
2 HD Home Improvement Retail 4.56% 2.06% 51.59% 20.11% 17.77%
3 LMT Aerospace & Defense 3.17% 2.79% 39.00% 9.68% 13.12%
4 MO Tobacco 2.94% 7.26% 75.25% 9.08% 12.82%
5 AMGN Drug Manufacturers—General 4.19% 2.76% 41.81% 14.25% 12.38%
6 TXN Semiconductors 4.16% 2.20% 59.75% 21.67% 11.48%
7 ALL Insurance—Property & Casualty 1.25% 2.58% 25.97% 14.59% 9.57%
8 CSCO Communication Equipment 4.01% 2.80% 45.93% 10.25% 8.47%
9 BLK Asset Management 3.83% 2.02% 44.57% 11.21% 8.43%
10 ITW Specialty Industrial Machinery 2.17% 1.98% 57.41% 16.03% 7.81%

出所:seekingalpha.com「Dividends」を基に作成

*上記各項目は2021年4月30日時点のデータ

*下記個別銘柄の「財務情報」は「morningstar.com」または、各社公表値を参照

ブロードコム

財務情報

TTM YOY 10-Year Average Growth Rate
営業利益率 フリーキャッシュフロー・マージン フリーキャッシュフロー成長率 売上高成長率 EPS成長率
21.7% 50.16% 25.18% 27.57% 14.12%

5年チャート

コメント

2005年にアバゴ・テクノロジーとして誕生した同社(NASDAQ:AVGO)は、2016年にブロードコム社を買収、現在は米国カリフォルニアを拠点に通信用半導体を設計するファブレスメーカーとして、特にスマホ向けの無線通信分野において強みを持ち、特に世界のインターネット通信量の約9割超が同社の技術を経由しており、IP(知的財産)の特許件数は2万件以上に及びます。

主な事業セグメントにはワイヤレスやブロードバンド向け製品を扱う「半導体ソリューション」が売上げ全体の7割超を稼ぐ主力である一方、決済情報等のデータセキュリティを担う「インフラソフトウェア」では、新型コロナウイルス禍に伴う在宅勤務の普及でクラウド関連の需要増加を背景に、20年における売上げは前年比28%増の増収と好調です。

直近21年第1Q決算では、売上高が前年同期比で14%増かつ、純利益が同3.5倍増と4四半期連続の増収増益を達成すると同時に、営業費用を同17%削減した事で営業利益率が20%台を回復、また調整後EBITDAが過去4年間で2.4倍に拡大と着実に収益基盤を強化しています。

財務面では、フリーキャッシュフロー・マージンが過去10年間で平均28%と高い利益率を背景に、増配率が過去5年間で約52%という高水準で推移する中、ガイダンスで前年比10%超の増配を発表する等、将来的な予想配当利回りの上昇に加えて、株価も積極的な株主還元政策を好感する形で、直近5年間で3.7倍に上昇と市場平均をアウトパフォームしてます。

ホームデポ

財務情報

TTM YOY 10-Year Average Growth Rate
営業利益率 フリーキャッシュフロー・マージン フリーキャッシュフロー成長率 売上高成長率 EPS成長率
13.8% 12.40% 48.27% 6.87% 19.50%

5年チャート

コメント

1978年創業の同社(NYSE:HD)はホームセンターとして世界最大手の小売業者であり、その時価総額は米国上場企業では最大のウォルマートに次ぐ規模であり、足元ではバイデン政権の1.9兆ドル(約200兆円)の経済対策による現金給付で個人所得の増加を追い風に、株価はコロナ禍の過去1年間で50%超上昇と市場平均を凌ぐパフォーマンスを見せています。

同社は全米からカナダ、メキシコまで約2300店もの小売店を基盤として個人のDIY顧客からゼネコンや住宅職人を中心にホームケアグッズやインストールサービスを提供しており、主要な製品ラインとして、建材・装飾・ハードライン(屋内外庭園・工具等)の3大構成で、それぞれ売上げ構成比が3割弱とバランスの取れた事業ポートフォリオが強みです。

業績面では、コロナ禍で外出制限が長期化する中、自宅の修繕需要増を上手く捉えた事で、20年通期の売上高は前年比20%増かつ、純利益が同14%増の二桁台の増収増益に加えて、過去5年間に渡って、売上高とフリーキャッシュフローを年複利成長率でそれぞれ約10%、20%で拡大させており、長期的な視点でその競争優位性を高める事に成功しています。

また増配率においては過去5年間で20%超かつ、配当性向の水準も若干50%程度と同社の高収益な事業モデルを踏まえると、支払い余力は存分にあり、長期保有による配当利回り及び、株価リターンの最大化を狙える銘柄と言えます。

ロッキード・マーティン

財務情報

TTM YOY 10-Year Average Growth Rate
営業利益率 フリーキャッシュフロー・マージン フリーキャッシュフロー成長率 売上高成長率 EPS成長率
13.3% 8.88% 10.13% 3.63% 11.84%

5年チャート

コメント

1912年創業の同社は、航空宇宙防衛産業における世界最大のプロバイダーとして、「F-35」シリーズの戦闘機、「ブラックホーク」などのヘリコプター、ミサイルといった軍事兵器から政府顧客向けのサイバーセキュリティーや衛星を含む宇宙輸送事業に至るまで、国防に必要不可欠なサービスを総合的に提供する米国屈指の軍事メーカーです。

また、米国が主導する有人月探査計画「アルテミス計画」において、日系のNECと協業で宇宙船の運用状態をモニタリングするAI技術を活用し、障害発生の事前防止を可能にする事で、将来的には他の宇宙船や人工衛星関連システムの開発も予想されており、直近では米資産運用アーク社の宇宙開発企業の上場投資信託(ETF)の構成銘柄にも採用されています。

業績面では20年通期で、売上高が前年比9%増かつ、一株利益も同12%増の過去最高となり、直近の21年第1Qでも増収増益かつ、今期のガイダンスにおいて営業キャッシュフローを約7%上方修正と世界の約4割を占める米国の軍事費が昨年に4.4%増加と防衛関連費用の拡大はコロナ禍以降も続く公算が高く、同社の経営環境の追い風になる事が予想されます。

財務面では、ROEが示す通り利益率が抜群に高く、株主還元政策に積極的で昨年12月に8.3%の増配を発表した事で、連続増配年数は19年かつ、過去10年間の増配率は約13%と2桁の成長率、また配当性向も約39%と支払い余力に余裕もあるため、近い将来に「配当貴族」への仲間入りを達成する見通しです。

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米国の株式市場は最高値を更新している一方で、バブルを警戒する見方もあります。そこで、より堅実な投資先として、緩やかながらも成長し続け、持続的に増配する銘柄を検討してみてもよいでしょう。このレポートでは、堅実な成長が見込める5つの高配当株をご紹介します。

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免責事項と開示事項 記事の作者、Micchelは、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

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