The Motley Fool

2021年バークシャー・ハサウェイの株主総会でバフェットが語ったこと

出典:Motley Fool

5月1日(日本時間の5月2日深夜)にバークシャーハサウェーの年次株主総会がオンラインで開催されました。

そこで何が話されたのかについて、簡単にまとめます。

第1四半期の業績

開催に先立ち、今年の第1四半期の業績が発表されました。

ご存じのように、2020年1-3月期は、コロナショックで株式市場の大きな下落を受け、収益はマイナスになってしまっていました。

これに対し、今期は大きく改善しています。

営業利益(即ち投資収益は除く)は70.2億ドルに増加し(←58.7億ドル)、最終損益は117.1億ドルで、昨年の497.5億ドルの損失から大きく回復しました。

本業ビジネスは順調に成長しているようです。

開会のあいさつ:アメリカと資本主義

Q&Aセッションに先立ち、バフェットが開会のあいさつで米国企業と資本主義への支持と称賛を語っています。

アメリカ政府と連邦準備銀行の素早い対応で、COVID-19のパンデミックに適切な対応をしたと考えていること、これまでもアメリカが非常にうまく舵取りされ、そして、アメリカのやってきたことは非常に素晴らしいということ。

「アメリカ」に対する称賛です。

バフェットは、自分の成功の最大要因は、アメリカに生まれ、この時期に生きていること、その幸運にあると言っています。

アメリカの偉大さを常に称賛しています。

今回は、1989年の世界の時価総額トップ20と2020年のランキングを比較しながら、アメリカの資本主義システムが如何にうまく機能したかを説明しています。

1989年のリストでは、上位6社のうち4社(1~4位)は日本の銀行です。

その次がエクソンとGEでアメリカとなっています。

そして昨年末のランキングでは、上位6社中5社が米国の会社。

しかし、エクソンとGEは入っていません。

インデックス投資

平均的な人が個別株を選択することの難しさを指摘し、それよりはS&P500を買った方が良いと勧めています。

S&P500のインデックスファンドを買うことで、十分な利益を得ることになるだろうと、今回も言っています。

気候変動問題

事前の想定通り、気候変動関連の質問も出ています。

株主提案でも気候変動に対する取り組みについての報告を持ち株会社(バークシャー・ハサウェー)レベルだとする議案が出ましたが、それぞれの事業体ごとにやっているので、十分として反対を推奨していました。

昨今、アクティブストだけではなく、公的年金などがESG・SDGsの観点から気候変動問題への取り組みを投資家にも求め、二酸化炭素を多く排出する企業への投資をしないように求めています。

それに関連して、石油大手のシェブロンの保有に関する質問も出ました。

シェブロンへの投資も最近行っていますが、シェブロンは悪い会社ではないし、投資において道徳的観点から判断すべきではなく、ビジネスの運営の観点からすべきであると説明しました。

これは、世の中のESG投資化の流れへのアンチテーゼでもあります。

ただ、彼も気候変動対策をすることに反対している訳ではありません。

優れた経営者であると評価をしているので、世の中がゼロエミッション化に動いていることに対応する施策も取っていくであろうし、非炭素系燃料への移行の道筋が出来るまでは、やはり重要な資源であることは間違いないので、当面は引き続き重要なビジネスです。

ゼロエミッション化への道は信じているようですが、理想だけではなく、現実的にビジネスをきちんと判断していると言えるでしょう。

自社の例で言えば、子会社のBHE(バークシャー・ハサウェー・エナジー)では、かなりの資金を投じてゼロエミッション化の政府目標に対して、前倒しで達成すべく動いています。

アップルの保有について

アップルの投資についての質問では、少しではあれ、アップル株を一部売却したことは、間違いだったかもしれないと、こぼしていました。

株主への手紙では、一部売却したものの、アップルとバークシャー双方の自社株買いで、バークシャー株主のバークシャーを通してのアップルの保有比率はむしろ高まったと弁解していましたが、正直なところは、「売るんじゃなかった」というところなのかもしれません。

その回答をしている中で、バフェットは、アップルのティム・クックCEOの経営能力について非常に高い評価をしています。

そして、そのビジネスの根幹はテクノロジーではなく、確立された消費者ブランドであり、マーケティング力にある点を見抜いています。

株式市場のギャンブル的性質の強まりについて

株式市場のギャンブル的な要素をバフェットは否定していないし、それ自体は道徳的にも法的にも問題ないことは承知しているものの、昨年来のロビンフッダーによる投機的な動きについては、当然ではありますが、好ましい現象だとは思っていません。

アメリカは素晴らしいことを成し遂げてきたが、これはそれには入らない、と述べました。

そして、昨今IPOの代わりに上場の手段として流行しているSPACについて、これはギャンブルタイプの市場の典型のようなものだと述べています。

ビットコインに関する質問では、バフェットは投資対象として認めていないものの、コメントすることを避けました。

一方、チャーリー・マンガーは、嫌悪の感情を露わにして、こき下ろしていました。

これは想定された反応でもあるので、質問した人は何を期待したのだろうとも思えた質問でもありました。

インフレについて

ニュースにもなっていましたが、バフェットは、インフレが明らかに起きていることを認識しています。

あちこちで価格が上昇するので、こちらも価格を上げるが、それも受け入れられている。

あらゆるものの価格が上昇し、今や、景気は過熱していると(Red Hot)とし、それは想定外であったとも述べています。

FEDがインフレは一過性だと言い続けていますが、ビジネスの現場にいる人にはそう見えないようです。

様々な質問に対して、一つ一つ丁寧に回答していくいつものスタイルは健在でした。

しかし、今回の株主総会を見ていて、少しいつもと違うかなという感想を持ちました。

これまでとの違い

今回の会場がオマハではなく、カルフォルニアであったことは、あまり違いとは感じませんでしたが、今回の登壇者が4人であったのは驚きでした。

一昨年までは、基本的にバフェットとチャーリーの二人が登壇し、すべての質問に回答していました。

昨年は、パンデミックの影響もあり、カリフォルニアに住むチャーリーは登壇せず、バフェットと、副会長の一人であるグレッグ・アベルの二人で登壇しました。

今回は、バフェット、チャーリーの他に、グレッグ・アベル(BNSF・BHE担当)とアジート・ジャイン(保険部門担当)の二人も登壇し、4名が登壇して質疑応答に当たっていました。

90歳のバフェットと97歳のマンガー。

流石にそろそろ次の経営陣への移行に入ったかと思えるような感じでした。

フリーレポート配信

米国の株式市場は最高値を更新している一方で、バブルを警戒する見方もあります。そこで、より堅実な投資先として、緩やかながらも成長し続け、持続的に増配する銘柄を検討してみてもよいでしょう。このレポートでは、堅実な成長が見込める5つの高配当株をご紹介します。

注目の米国高配当株5銘柄」はこちらからご覧ください。(メールアドレスの登録が必要です)

また、ツイッターやフェイスブックで最新情報を配信しております。

公式ツイッターアカウント公式フェイスブックアカウントをフォローする。

また、公式LINEアカウントの方では、投資初心者向けの情報を発信しています。
友だち追加

免責事項と開示事項 記事の作者、松本義和は、記事内で言及されている銘柄を保有してはいません。記事は、一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資アドバイスではありません。

最新記事