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ハイリターンを誇る「連続増配ETF」から選ぶ、連続増配の恩恵を享受しやすい3銘柄

出典:Getty Images

4月以降「ダウ工業株30種平均」と「S&P500種株価指数」は史上最高値圏にあり、いずれも年初来で約12%超の上昇を記録する中、アナリスト予想ではS&P500種のEPSはコロナ禍での金融緩和継続と米政権の財政政策を追い風に、今年過去最高益を更新する見通しです。

出所:野村證券「Nomura21 Global」を基に筆者作成

調査会社リフィニティブによると、4月1日時点で米主要500社の1~3期月期の市場予想を集計すると1株利益は24%増益でしたが、29日までに発表された実績ベースでは48%増益かつ、8割以上の企業が事前のアナリスト予想を上回るという好調ぶりです。

そこで、業績相場に移行しつつある米国株式市場において、今回は企業利益の拡大と同時に継続的な株主還元政策にコミットする優良企業、いわゆる「連続増配銘柄」を投資対象としたETFをテーマに、その投資環境と構成銘柄をご紹介致します。

主要な連続増配ETF

Symbol Total Assets ($MM) YTD Return Dividend Yield DGR Total Inception
1 VIG $58,820 8.69% 1.53% 12.75% 2006/4/27
2 SCHD $22,636 17.33% 2.79% 12.16% 2011/10/20
3 DGRO $18,357 11.92% 2.10% 50.45% 2014/6/10
4 NOBL $8,244 12.51% 1.94% 13.48% 2013/10/9
5 DGRW $5,789 9.56% 1.79% 9.16% 2013/5/22
SPY $359,944 12.04% 1.33% 6.98% 1993/1/22

出所:seekingalpha.com「Dividend Growth」を基に筆者作成

まず、連続増配銘柄を投資対象にしたETFのうち、運用資産残高の順に上位5銘柄を見ると、いずれも過去5年間において、多くの機関投資家が運用指標とする「S&P500種株価指数」をアンダーパフォームする一方で、運用開始以降の増配率が概ね二桁以上の成長率と長期保有する事で、市場平均以上の配当利回りを実現できる可能性を示唆しています。

とりわけ、ETF専門の運用会社ウィズダムツリー・インベストメンツが手掛ける「DGRW(U.S. Quality Dividend Growth Fund)」は主要な連続増配ETF5銘柄のうち、運用資産残高が最小ですが、年初来リターンはトップ、かつ運用開始以来で約288%のトータルリターンを記録しており、ここではDGRWを分析対象にその概要と構成銘柄に着目します。

DGRWは「WisdomTree U.S. Quality Dividend Growth Index」をベンチマークとして、同指数の採用銘柄は下記のスクリーニングを経て、厳選されています。

「WisdomTree U.S. Dividend Index」の構成銘柄のうち、時価総額が20億ドル以上
増配性:継続的かつ、成長性のある配当支払い能力
成長性:長期的な利益成長が見込まれる上位銘柄
クオリティー:ROE及び、ROAの3年間平均が高い上位銘柄
年1回のリバランスで、各構成銘柄の最新のDPSに基づいた翌年の予想現金配当額を反映して配当加重

出所:WisdomTree「WTDGI」を基に筆者作成

実際に、近年はそのベンチマークのパフォーマンスが市場平均に劣後する一方で、年初来からのリターンに優位性が見られ、過去数年間に渡る金融相場からインフレ期待による業績相場への移行が利益と配当成長をもたらす優良企業とって、有利な相場展開が期待されます。

(図①)

Average Annual Total Returns as of 03/31/2021
Index YTD 1 Year 3 Year 5 Year Since Inception
WisdomTree U.S. Quality Dividend Growth Index 6.48% 50.80% 15.27% 15.70% 13.88%
S&P 500 Index 6.17% 56.35% 16.78% 16.29% 14.04%

また、DGRWのセクター別割合では、「情報技術」、「資本財」といった景気敏感セクターと「ヘルスケア」と「生活必需品」に代表されるディフェンシブな業種が上位を占めており、特に組入れ上位には「PG」「JNJ」「KO」「MO」といった連続増配年数が50年以上の「配当王」が4銘柄と長期的な経済環境の変化に耐性の強い優良企業が目立ちます。

(図②)

図①②:WisdomTree「DGRW Quarterly Factsheet」を基に筆者作成

それでは、DGRWにおいて構成比率の上位30銘柄を対象に、連続増配の恩恵を享受しやすい銘柄、すなわち「Yield on Cost(YOC)」が高い優良銘柄をご紹介致します。

「YOC」とは具体的に「年間受取り配当金÷買値 (平均取得価格)」であるため、連続増配する前提で考えると、基本的に「YOC」が高い銘柄ほど、長期保有するに従って配当利回りが上昇します。

Ticker Industry Dividend

Yield

Payout Ratio DGR 5Y

(CAGR)

5 Year

Yield on Cost

1 TXN Semiconductors 2.20% 59.75% 21.67% 6.95%
2 MO Tobacco 7.26% 75.25% 9.08% 5.68%
3 NEE Utilities—Regulated Electric 1.97% 61.22% 12.54% 5.38%
4 CAT Semiconductors 1.79% 48.91% 5.99% 5.26%
5 CSCO Communication Equipment 2.80% 45.93% 10.25% 5.22%
6 QCOM Semiconductors 2.05% 37.03% 6.50% 5.17%
7 VZ Telecom Services 4.30% 49.46% 2.15% 4.82%
8 PFE Drug Manufacturers—General 4.01% 47.69% 6.35% 4.74%
9 MRK Drug Manufacturers—General 3.35% 39.92% 6.72% 4.57%
10 INTC Semiconductors 2.22% 30.24% 6.42% 4.39%

出所:seekingalpha.com「Dividends」を基に作成

*上記各項目は2021年4月26日時点のデータ

*下記個別銘柄の「財務情報」は「morningstar.com」または、各社公表値を参照

テキサスインスツルメンツ

財務情報

TTM YOY 10-Year Average Growth Rate
営業利益率 フリーキャッシュフロー・マージン フリーキャッシュフロー成長率 売上高成長率 EPS成長率
42.3% 37.96% -5.38% 0.35% 8.58%

5年チャート

コメント

創業91年を迎える同社(NASDAQ:TXN)は、アナログ半導体分野で世界最大のサプライヤーとして、約14%のマーケットシェアを誇り、ウエハー製造や組立て工場を含む世界14カ所を製造拠点に、10万件超のクライアントに対して、約8万にも及ぶ製品ラインアップを提供しています。

主要な事業セグメントは「アナログチップ」と「埋込式加工」の2部門から構成されており、自動車や個人用電子機器、産業向けの半導体の収益が売上げ全体の8割超を占める主力であり、20年第4Qの決算では、前者の営業利益が前年同期比44%増かつ、後者は同56%増と大幅な増益となり、コロナ禍で逼迫する半導体の需給がプラスに寄与しています。

20年通期では減収減益となるも、過去16年間でフリーキャッシュフローを年複利成長率12%で拡大させながら、配当も同25%で17年連続の増配を達成、また自社株により発行株式数は46%減少と持続的な株主還元政策を支える非常に強固な財務基盤を持っています。

結果的に、過去5年間で株価は3倍超と市場平均を大幅にアウトパフォームしており、配当収入と時価総額の双方を拡大させる事で、株主リターンを最大限に高め、近い将来に「配当貴族」の仲間入りも視野に入れて、連続増配の継続が期待されています。

アルトリアグループ

財務情報

TTM YOY 10-Year Average Growth Rate
営業利益率 フリーキャッシュフロー・マージン フリーキャッシュフロー成長率 売上高成長率 EPS成長率
52.2% 39.12% 7.42% 2.12% 2.53%

5年チャート

コメント

1882年創業の同社(NYSE:MO)は、持株会社として、米国内でたばこの製造及び販売を手掛ける「PM USA」やワイン事業の「Ste. Michelle」等の合計5つの子会社を保有しており、特に主力ブランドには国内たばこ販売で43%と圧倒的なシェアを持つ「Marlboro」を筆頭に、葉巻の「Black & Mild」、無煙の「Copenhagen」等の多彩なポートフォリオに強みがあります。

10年先を見据えた企業ビジョンでは、たばこ産業における不燃性製品への転換を主導する事で、喫煙者の未来を守る事を念頭に、18年には電子たばこ最大手ジュール・ラブズの株式35%の取得に加えて、カナダの大麻製造・販売会社クロノスに45%出資する等、従来の紙巻きたばこに代わる成長分野への大型投資により収益源の多角化を目指しています。

一方、米食品医薬品局(FDA)が電子たばこの販売規制を発表と足元の逆風を受け、ジュール株に対して、19年通期で86億ドルの評価損を計上した事で、12億ドルの赤字に転落と業績への影響も大きく、また大麻使用についても全米50州の半分以上で合法化されていますが、連邦法では違法とされており、経営上のリスク要因として懸念すべき点と言えます。

業績面では、20年通期の売上高が前年比4.2%増かつ、純利益も44億ドルと黒字回復となり、喫煙製品全体の出荷数量が前年比で微少となる中、「Marlboro」と「Black & Mild」がそれぞれ同0.4%増、9.1%増と主要ブランドが奮闘した事で、2.4%の増配を実施し、51年連続増配を達成しており、潤沢なキャッシュフローは今もなお健在と言えます。

ネクステラエナジー

財務情報

TTM YOY 10-Year Average Growth Rate
営業利益率 フリーキャッシュフロー・マージン フリーキャッシュフロー成長率 売上高成長率 EPS成長率
21.7% -0.95% N/A 1.63% 2.25%

5年チャート

コメント

米国フロリダ州を拠点とする同社は、米再生可能エネルギー最大手として、昨年10月にはバイデン米大統領の就任でクリーンエネルギー分野への投資拡大期待が先行し、米石油メジャーのエクソンモービルの時価総額を一時抜いて、通年で株価は約3割上昇とESG銘柄の代表格であり、また風力・太陽光発電の分野における業界屈指のエネルギー供給会社です。

中核事業として、「Florida Power & Light」がフロリダ州の約500万世帯へ電力供給を手掛けており、グループ全体の営業利益の約6割を稼ぎだす一方、「NextEra Energy Resources」が風力及び太陽からの再生可能エネルギーにより電力を全米・カナダに配給しています。

業績面では、20年通期の修正後EPSが前年比10.5%増かつ、過去10年間の年複利8%で成長しており、今期以降の3年間の見通しについても同6~8%程度の成長率を予想しており、米政権が気候変動サミットで、2030年までに温暖化ガス排出量を5割削減する目標を掲げた事で、米国の脱炭素の動きが加速する点も同社の発電事業の収益拡大に貢献する見通しです。

財務面では、営業利益率が過去10年間に渡って平均25%を維持かつ、同期間の増配率が10%に対して、配当性向は約6割と十分に余裕があり、高収益かつ持続的な成長性に基づいた事業モデルを武器に今後も増配記録を更新する事が期待されています。

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米国の株式市場は最高値を更新している一方で、バブルを警戒する見方もあります。そこで、より堅実な投資先として、緩やかながらも成長し続け、持続的に増配する銘柄を検討してみてもよいでしょう。このレポートでは、堅実な成長が見込める5つの高配当株をご紹介します。

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