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【米国株決算】インテルの2021年第1四半期決算と今後の株価の推移

出典:Getty Images

インテル(NASDAQ:INTC)はアメリカに本社を置き、半導体チップの設計・生産を行う半導体素子メーカーです。

主にマイクロプロセッサ、チップセット、フラッシュメモリ等の設計開発・製造・販売等を行っています。

1990年代からはコンピューター関連のハードウェア事業も展開しており、長年にわたって不動の地位を築いてきたものの、近年はその地位が脅かされつつあります。

主力製品であるCPUにおいてAMDの「Ryzen」シリーズが次々と新製品を発表しており、インテルのCPUの市場シェアが急落してきています。

インテルの市場シェアは82%を誇った2016年に10nmプロセスの立ち上げに失敗したことに端を発し、現在では65%ほどにまで落ちています。

現行のCPUにおいても14nmプロセスを採用しており、競合であるAMDが7nmを採用し、次世代機には5nmの採用を発表するなど、インテルとしては厳しい状況に立たされています。

本記事では、インテルの最新決算情報である2021年第1四半期決算の情報と今後の株価の推移などについて見ていきます。

株価および配当について

インテルの株価は2017年頃から激しく乱高下しており、40ドルから70ドルの間を推移しています。

2019年の4月にコンピューター用プロセッサー需要が拡大するとしていたインテルへの信頼が揺らいだことで、58ドル前後だった株価は44ドル付近まで急落しました。

2019年8月頃から上昇傾向にあり、コロナショック以前において69ドル前後を付けました。

コロナショックによりその後44ドル付近まで急落したもののすぐに戻し、6月には64ドル付近を推移していました。

2020年第2四半期決算発表直後大きく値を下げ50ドル付近にまで至り、第3四半期決算発表後にまた大きく値を下げています。

その後は上昇傾向にあり、1月13日に同社はCEOのBob Swan氏が退任し、Pat Gelsinger氏が後任となることを発表したことを受け急伸し、第4四半期決算が追い風となり順調に上昇していき、コロナショック前の水準である68ドルに迫りました。

同社はS&P500およびNYダウ工業株30種平均の構成銘柄の一つであり、時価総額は執筆現在で2,412億となっています。

次に同社の株式配当実績について見ていきます。

日付は権利落ち日を記しています。

  • 2021年05月06日…配当:0.3475ドル(配当利回り:2.22%)
  • 2021年02月04日…配当:0.3475ドル(配当利回り:2.22%)
  • 2020年11月05日…配当:0.33ドル(配当利回り:2.25%)
  • 2020年08月06日…配当:0.33ドル(配当利回り:2.62%)
  • 2020年05月06日…配当:0.33ドル(配当利回り:2.24%)
  • 2020年02月06日…配当:0.33ドル(配当利回り:2.45%)

1992年以降減配はなく、安定的な配当を行っている企業であると言えます。

配当利回りも2%前後とあまり高くはないものの、2021年に入り増配を決定するなど十分魅力的であると言えそうです。

最新決算情報について

概要

2021年第1四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 純売上高…196.73億ドル(前年同期比1%減)
  • 営業利益…36.94億ドル(前年同期比48%減)
  • 純利益…33.61億ドル(前年同期比41%減)
  • 希薄化後一株当たり純利益(ESP)…0.82ドル(前年同期比37%減)

当期における純売上高は、前年同期から1%減少した196.73億ドルとなっており、アナリスト予想平均の177.9億ドルを上回っています。

しかしながら今回で、前年同期と比較して3四半期連続の減収となりました。

Non-GAAPベースのESPは1.39ドルとなり、アナリスト予想平均の1.15ドルを上回りました。

同社が発表した決算短信におけるコメントは以下の通りです。

インテルの第1四半期の業績は、当社のリーダーシップ製品に対する並外れた需要とチームの優れた実行力により、好調に推移しました。

新しいIDM 2.0戦略への反応は非常に素晴らしく、製品ロードマップは勢いを増しており、イノベーションと実行に再び注力することで計画を急速に進めています。

今年はインテルにとって極めて重要な年です。

我々は、戦略的基盤を確立し、軌道を加速させるための投資を行い、ますますデジタル化する世界を支える半導体の爆発的な成長を活用していきます。

最後に同社の2021年第2四半期の見通しは以下の通りです。

GAAP non-GAAP
純売上高 18.9億ドル 17.8億ドル
営業利益率 55% 57%
希薄化後一株当たり純利益(ESP) 1.05ドル 1.05ドル

通年の見通しは以下の通りです。

GAAP non-GAAP
純売上高 77億ドル 72.5億ドル
営業利益率 54.5% 56.5%
希薄化後一株当たり純利益(ESP) 4ドル 4.6ドル

詳細

続いて同社決算をセグメント別に見ていきます。

  • データセンター・グループ…55.64億ドル(前年同期比20%減)
  • プラットフォーム…48.11億ドル(前年同期比25%減)
  • 隣接収入…7.53億ドル(前年同期比33%増)
  • IoT…12.91億ドル(前年同期比14%増)
  • IOTG…9.14億ドル(前年同期比4%増)
  • Mobileye…3.77億ドル(前年同期比48%増)
  • 不揮発性メモリーソリューションズ・グループ…11.07億ドル(前年同期比17%減)
  • プログラマブルソリューションズ・グループ…4.86億ドル(前年同期比17%減)
  • クライアントコンピューティング・グループ…106.05億ドル(前年同期比8%増)
  • プラットフォーム…96.17億ドル(前年同期比10%増)
  • 隣接収入…9.88億ドル(前年同期比7%減)
  • その他…6.2億ドル(前年同期比839%増)
  • 総売上高…196.73億ドル(前年同期比1%減)

データセンター・グループ(Data Center Group)は、クラウドサービスプロバイダー、企業、政府機関、通信サービスプロバイダーの市場セグメント向けに設計されたワークロードに最適化されたプラットフォームと関連製品が含まれています。

DCG全体の売上高はウォール街の予想を下回りました。

同社にとって、最も収益性の高いセグメントとなっており、全体の業績を押し下げました。

IoT(Internet of Things) は小売、産業、ヘルスケア、ビジョンなどの市場セグメントにおいて、ターゲットとなる業種や組み込みアプリケーション向けの高性能コンピュートソリューションが含まれています。

同セグメント内にあるMobileyeは先進運転支援システム(ADAS)や運転支援システムの開発を行っています。

今回48%の増収となっており、力強い伸びとなりました。

売上自体は3.77億ドルと小さいものの、微力ながら全体の業績に貢献しました。

2021年第1半期決算発表を受けて

同社株価は第1半期決算発表を受けて大きく下落しました。

発表直前にあたる22日の終値が62.57ドルであったのに対し、23日の始値は59.16ドルと5%ほど下落して始まりました。

日中わずかに値を戻し、終値は59.24ドルとなりました。

減収減益となったことに加え、同社の主要な事業であるデータセンターセグメントの売上高が減少したことで、競合他社に同社の顧客が奪われ、市場シェアを失いつつあると捉えられたことが要因と考えられます。

CPUのプロセスルールが現行最新モデルでも14nmを採用しており、競合であるAMD社から引き離されています。

14nmというのはインテルが2014年に採用したもので、AMDはすでに7nmを採用しています。

そのため、多くの顧客がライバル企業へと流れていることが懸念されていました。

さらに最近では、長年同社CPUを採用していたアップルが自社開発CPUを発表し、Nvidiaもサーバ用CPU「Grace」を発表しました。

半導体市場では独壇場であった同社ですが、ここ数年で競争が激化し同社の優位性は失われはじめました。

新たにCEOに就任したパット・ゲルシンガー氏は、より多くの顧客がライバル社製品に流れたり自社設計を選択したりする前に、インテルの製品ラインを迅速に改善できるとしていますが、3月末に発売開始した第11世代CPUも前世代のマイナーチェンジにとどまり、顧客の流出に歯止めがかかるように思えません。

同社株価はこの1年で激しく上下しており、コロナウイルス感染症によるパソコン需要が今後低迷するようなことになれば、大きく下落することも予想されます。

参照元:Intel Reports First-Quarter 2021 Financial Results

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